Testimony: A Novel

著者:Anita Shreve

200810月初刊

心理サスペンス/時事問題

米国の有名私立高校と高校生の実態

http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0316059862&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1
http://rcm.amazon.com/e/cm?t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&asins=0316059862&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1

「パイロットの妻」で有名なシュリーヴによる、数年前に米国北東部(ニューイングランド地方)の有名私立高校で起こったセックススキャンダルを連想させる心理サスペンス。

ヴァモントの小さな村にある有名私立高校には他の州からの裕福な学生が集まっている。貧しい地元からこの学校に通う生徒はほとんどいないのだが、サイラスはバスケット選手として奨学金を得ている。そのサイラスを含む男子生徒3人が新入生の少女1人を相手にオージーをしているビデオが出回り、校長のマイクはスキャンダルが外部に漏れる前に内部で処理しようとする。

セックススキャンダルがマスコミで話題になると、加害者と被害者はステレオタイプで描かれる。けれども、真実はきっともっと複雑なはずだ。シュリーヴは、ストリーテラーの手腕を発揮し、関係者が事件を振り返る証言の形で表面からは想像できない複雑な人間劇を描こうとする。いったん読み始めるとひきこまれる魅力はあるし、シュリーヴが得意な初恋の胸の痛さも描かれ、サイラスを含めて何人かの登場人物には同情心を覚えずにはいられない。

しかし、これまでのいくつかの作品にくらべ、いまひとつ強い印象を残さなかった。

●読みやすさ ★★☆☆☆

語り手がどんどん変わるところが読みにくいと思います。

また、全員が一人称でないところも混乱を呼ぶところでしょう。

けれども基本的には難しい英語ではありませんし、ストーリーの展開も興味深くて入り込みやすいでしょう。ただし、Picoultなどに比べると多少詩的な文体なので、読みづらく感じる方もいるかと思います。

●ここが魅力!

Shreveほど恋する者の熱情と絶望を鮮やかに描ける作家はいないでしょう。

ヴァモントの寒さやサイラスの絶望を肌で感じるような文章力が魅力です。

●アダルト度 ★★★☆☆

どぎつい部分はさほどないのですが、何と言ってもテーマが高校でのセックススキャンダルですから。。。高校生以上向きでしょう。

●この本を楽しんだ方にはこんな本も……

Prepby Curtis Sittenfeld  全寮制の有名私立高校の内情を描いた小説

I am Charlotte Simmonsby Tom Wolfe 有名大学の内情を描いた小説

にほんブログ村 本ブログ 洋書へ

Leave a Reply