思春期の少女の危うさ-Go Ask Alice

作者:Anonymous (実在の少女の日記として出版されたが、最近になって心理カウンセラーのBeatrice Sparksが作者と判明)
出版日:1971年ヤングアダルト/思春期の少女の心理/日記(これについては異論あり)

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大学教授の父を持つ普通の少女が、ドラッグ中毒になってゆく過程を日記に綴ったもので、1971年の発売当初は60年代後半にドラッグのオーバードースで亡くなった実存の少女のものだと信じられていた(その後心理学者でこの本の編集者であるベアトリス・スパークスのフィクションだということが分かった)。

フィクションだとしても、ドラッグはいけないことだと信じ、好きな少年と結婚するまで処女でいることを夢見ていた普通の少女がドラッグやセックスの世界にずるずると入り込んでゆく様子は、リアリスティックである。私が小学生のころに書かれたものだが、今の高校生が読んでも古さを感じないようである。
高校生の私の娘の感想は、「面白かったけれど、落ち込む本だ」というものである。現実の世界との差をたずねると、「(私が通っている)高校でもドラッグをやっている人はいるし、誰もがそれを知っているけれど、やっていない人を引き込もうとはしない。まあ、パーティに行けば別かもしれないけれど、それは行かなければすむことだし」と言う。またドラッグをしていない生徒たちのほうも、Go Ask Aliceに書かれているような「ドラッグをやっている人だから避けよう」という感じはないらしい。だが、以前取材で娘と同じ高校に通っていた男子生徒は、ドラッグを押し付けられる人間関係があり、そこから抜け出すのが大変だったことを打ち明けてくれた。
「高校生がこの本を読んだからドラッグを避けよう、と思うかな?」と娘に尋ねると、「ちょっとだけやってまだ怖さを知らない子には効果があるかも」と答えた。

●読みやすさ ★★★☆☆
先日ご紹介したThe Perks of Being a Wallflowerと同様に、日記なのでとても分かりやすい英語です。200ページ程度の薄い本なので、読了も簡単です。初心者におすすめの一冊です。

5/27/09追記:点子さんからの「スラングも多く」、「たとえもう少しややこしい言い回しや難易度の高い語彙が出てきたとしても、普通の大人向けの物語の方が」読みやすく思える、とのご指摘に同感しましたので、★をひとつ減らしました。

●アダルト度 ★★★☆☆
あからさまな表現はありませんが、高校生のセックスとドラッグの話題を扱っていますから高校生が対象です。

●この本を気に入った方はこんな本も...

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4 thoughts on “思春期の少女の危うさ-Go Ask Alice

  1. はじめまして。コニコさんのブログからやってまいりました。情報が満載で楽しませていただいています。先日この記事を見てびっくり。この本にブログで出会うとは思っても見ませんでした。
     日本で翻訳、出版されたとき、私は中学生でこの本を買って読んだんです!かなり長い間手元にあったはずなのに、今はありません。先日から大学生の大麻が問題になっていてちょうど思い出していたところだったんです、邦題は「15歳の遺書」、平井イサク訳、確か原題はGo Ask Alice だったと・・・もうさっそくアマゾンで注文してしまいました。そしてこんなに長く読みつがれているとは全く知りませんでした。またその時は原作Alice Dだったはずですが、いまはAnonymous,しかもフィクションかも、とはまた新たな驚きです。それでも懐かしさとまたあらためて娘を持つ母として新鮮な気持ちで、この本を今度は英語で読もうと思います。ご紹介ありがとうございました。また私も自分のブログでも記事を書きたいと思います。

  2. こんにちは点子さん。コニコさんのブログでコメントを拝見しているので、なんだか初対面という感じがしませんが、はじめまして。コメントをありがとうございます。
    「この本を気に入った方は。。。」に挙げた本はいずれも母娘で読書感想のディスカッションができるものです。娘には、「よくもまあ落ち込む本ばっかり」とあきれられましたが[E:coldsweats01]

  3. こんばんは。先ほどこの本を読み終えたところです! 35年前(!)に翻訳で読んだときのことを色々と思い出しました。当時は自分も同じ年頃、そして全く実在の少女の日記と思い込んでいたこともあり、少女に感情移入して、何度も読みました。同時にアメリカの状況にも大変衝撃を受けました。今度は大人が書いたフィクションであることを頭に置いたせいか、そういえば大人の視点だなとか、女の子にしてはしっかりした文だな、とか思うところが多々ありました。それにしても、ごく普通の少女がドラッグ中毒になっていくようすはリアルで、また思春期独特の心の揺れも大変うまく描かれていると思います。長く読みつがれているだけのことはあります。
     英語は文法的には読みやすい部類で、すぐ読めるとは思うのですが、私にはスラングも多く感じられ、「読みやすさ」という点ではむしろ、たとえもう少しややこしい言い回しや難易度の高い語彙が出てきたとしても、普通の大人向けの物語の方が私には読みやすく思えました。
     それはともかく、渡辺さんのブログにお邪魔していなければ、この懐かしい作品に再び出会うことはなかったと思うので、本当に感謝しています。本も、ブログも出会いですね。今後ともどうぞよろしくお願いします。

  4. 点子さん、感想をありがとうございます!
    作者について論争があるにしても、ロングセラーになる価値がある作品だと私も思います。今日レビューを書いたThe Bell Jarもそうですが、読むタイミングによってはある意味で「身につまされすぎる」作品かもしれませんよね。また娘に「落ち込む本ばかり選ぶ!」と眉をひそめられそうです[E:gawk]
    読みやすさについてのご意見もありがとうございます。
    ご指摘のとおりですので、★の数を訂正させていただきます。

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