親子で楽しむ読書体験

BEAで夫の知人からとっても心温まる体験談を聞きました。
9歳になる彼女の長男は幼いときに自閉症の診断を受け、小学校2年生のときに担任教師から「平均的な読書力に及ばない」と言われたそうです。「できない」というネガティブなことにばかり焦点をあてて「読む練習をしなさい」と命ずる担任教師のためにその子はすっかり自信を失ったそうです。そこで彼女は子供のころに読んでいたコミックをとり出してきて息子と一緒に読み始めました。コミックだから「読書」だと思っていない彼は、楽しく読んでいるうちにコミックだけでなく読書好きになり、今ではクラスの誰よりも本好きです。そればかりではなく、自閉症のほうも普通の学級に入れるほど改善してしまったのだそうです。

私が早期英才教育に反対の立場を取っていることは以前にも書きました。語学の天才にするために早期から英語を教えることについても、日本にお住まいの方は避けたほうが賢明です。子供を混乱させるだけでなく、そのころ学んだ英語なんかどうせ忘れちゃいますから。「1歳までに英語を教えないとLとRの発音の聞き分けができなくなる」という説も読んだことがありますが、わが娘のように2歳半まで一生懸命日本語で育て、香港時代も英語のお友達の影響ばかりを受けないように日本人のお友達と毎日遊ばせたのに今では英語しか話せない「語学落ちこぼれ」な奴もいます。もちろんLとRの聞き分けはちゃんとできます。

でも、「勉強のため」でなく「親子で楽しい時間を過ごすため」の本読みは、英語であっても日本語であってもとっても良いことだと思います。
わが家では「ノンタン」とか「手袋を買いに」などが大好きで何度も一緒に読みました。日本語を忘れてしまった今でも、「ノンタン」の快活さと「手袋を買いに」の母子の愛情の感覚は残っているようです。映像と感覚で記憶しているせいでしょうね。映画では「トトロ」が今でも一番のお気に入りです。英語ではスヌーピーとガーフィールドが大好きでした。ちょっと屈折している彼らのキャラは大人でも楽しめますよね。

一緒に読んで、一緒に笑い転げ、一緒に感動する読書は、幼い子の脳にはいわゆる英才教育よりもずっとよい影響を与えると信じています。

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7 thoughts on “親子で楽しむ読書体験

  1. はじめまして。糸山先生のHPからきました。
    早期教育に関する記事を興味深く拝読させていただきました。
    私もシュタイナー教育を愛し、早期教育は決して子供のためにならないと
    思っているので、とても共感し、勇気づけられました。
    しかし、わたしには一つだけ・・・もしかして、早期であった方がいいのではないかと思っている教育がありまして・・それは語学なのですが。。
    私は普通に、英語は中学生から始めましたが、書いたり読んだりは問題なくできますが、ヒヤリング力だけは・・・どんなに頑張っても、いまだに克服することができません。全く、聞き取れないのです。
    これはわたしにとっては大変な苦悩で、あるとき、耳の周波数を調べてもらうと、英語の周波数帯はやはり聞き取れない耳であることが判明しました。
    中学から始めても、英語の達人になれる方もいらっしゃいますが、そういう方はもともと耳が良いのではないかと思います。
    小さいころから、英語の音を聞き慣れていれば、どんな人でもその周波数を聞き取れる耳ができるでしょうから、大きくなってからでもスムーズに英語を習得できるのではないかと思うのですが、どう思われますか?
    外国語の音を聞かせるだけでも、やはり害になるでしょうか??

  2. 春風さん、こんにちは。
    的確なご質問、ありがとうございます。
    実は、語学に関しては脳の発達が異なります。
    脳神経学者はそれこそ最初の1年以内が最も重要といったことを語っていますが、門戸がそれで閉じるということはありません。ただし、ある程度の年齢になってしまうと私のようにLとRが聞き分けられないようになってしまいます。
    でも、「最初の1年がかんじんだ」というと、すぐに教育しようとする「教育ママ」が現れ、その害のほうが将来LとRを聞き分けられるという益よりも大きくなってしまいます。それが心配なので、あえておすすめしないのです。
    また、残念なことに、テープやテレビで音を聞かせるのは人間が直接語りかけるのとはずいぶん異なります。テープやテレビに子守りをさせたり、勉強の時間にしてしまうと、かえって逆効果だとも言われています。でも、「お母さんと楽しむ時間」という感じで、途中で話しかけたりしながら、というのはおおいにけっこうです。絵本もCDで聞いた後にお母さんが読んできかせてあげるとか…その場合でも、1回は短く、何回かにわけたほうがいいでしょうね。本の読み聞かせでも、長くなるのはいけないそうです。
    英語を話すネイティブのお友達がいらしたら、その方をしょっちゅう自宅に招いて、おしゃべりするのを横で聞かせたり、話しかけてもらったりするといいかもしれませんね。その方に子供がいらしたら、もっといいですね。プレイデートができますから。
    もしそういう場所にお住まいでしたら、プレイグループを作ることもできますね。そうしたら外国の方は日本語を、日本の方は英語を、お互い自然に学ぶことができます。
    私の娘は、香港で日本語だけのプレイグループと英語を共通語とするプレイグループどちらにも属していました。子供が混乱することはありませんでした。
    語学習得に関して決定的な年齢とはいくつなのか、何に効果があるのか、という疑問を、実際にバイリンガルな環境で生きている多くの移民の子弟からヒントを得る調査を今年始める予定なのですが、ちょっと遅れています。
    これがまとまったら、きちんとした形で書く予定です。

  3. 渡辺さん、ご丁寧なお返事をありがとうございます。
    ご意見をうかがいまして、たいへん安心いたしました。
    英語に触れさせること自体が良くないというわけではなかったのですね!
    やはり、生の英語を聞かせるのが一番ですよね。
    英語ネイティブのお友達ができるといいな~とわたしも探していたのですが、現実にはなかなか難しいです。
    わたしが英語、話せませんから。。
    英語の先生を雇って、週1回、英語を使って遊んでもらう程度でしょうか。
    絵本の読み聞かせも、長くなると良くないのですか!
    うちの子は今、年中ですが、どうしても、何冊も続けて読みたがるんです。
    5冊とか平気で持ってきます。
    わたしが疲れるので、それ以上は断りますが(笑)
    やはり、子供がどんどんやりたがっても、大人の判断でやめさせるべきですよね?
    子供が求めるのだから、思う存分やってあげるべきか、とかいろいろ悩むのですが。。
    英語もどんどんやりたがるんですよね。。
    最初はCDやDVDを聞いているだけだったのに、今度は読みたい、書きたいが始まってきて。
    日本語と同じ調子で発達していくのですね。。
    あまり脳に悪影響を及ぼすようなら、無理にでも英語から引き離そうと思うのですが・・
    判断が難しくて悩むところです。
    また、語学修得に関しての記事を楽しみにしています!

  4. 春風さん、こんにちは。
    私自身が本を読むことばかりで他に何もしない小学校時代を送ったもので、偉そうなことは言えないのですが…
    絵本を読んでやるのが短期間、というのは低年齢の場合です。
    それぞれの子が持って生まれた特性というのがあり、年齢が上がるにつれだんだんあちらのほうから親をリードしてくるようになります。だから、やりたいことをやらせるのが一番なのですが、子供の場合、1)他の選択を知らないからそればかりやる、2)親が喜ぶ反応が好きなのでやる、という場合があり、それを見分けるのは困難です。
    だから、幼いときにはなるべくいろんなものに触れさせる(音楽、運動、お絵描き、友達と自由に遊ぶ、など)ことが大切だと思っています。
    音を聞き分けることができるようになるのも大切ですが、私のように「大きくなったら『秘密の花園』の屋敷があるイギリスに行きたい」という夢を抱くことのほうが、結果的には語学習得には役立つと思います。私の娘は音だけなら、香港で数か国語を耳にしていましたが、「コミュニケーションに興味はない」と既に死に絶えたラテン語を学んでいます。
    語学よりも脳神経科学や心理学のほうが興味深いのだそうです。
    才能は親がつぶさない限りは芽生えてくるものだと私は思っています。だから親にできることは、子供がその道を示したときに、いっしょうけんめい応援団になってあげることだな、と(昨日レビューしたスティーブン・キングのOn Writingを読んでもそう感じます)。

  5. >才能は親がつぶさない限りは芽生えてくるものだと私は思っています。
    ええ、わたしも本当にそう思います。自分自身の経験から・・。
    わたしは教育熱心な親のもとに生まれ、脳がすこしおかしくなってしまったのです。
    早く成長しすぎた・・といいますが、脳の老化が激しく、今では痴呆のようになっていますが(笑)
    その脳のリハビリのために、10年以上空白の期間を過ごし、頭のなかはカラッポになってから、
    ようやく、はじめて自分の持つ才能に気づきました。もう30代も半ばに・・。
    遅いスタートではありますが、それに出会うことができてわたしはとても幸せに思っています。
    いままで必死に積み上げてきたものは、ほとんどどうでもいいものだったな~ということに気づくと、
    もう笑うしかありませんでした。
    わたしのそんな苦い経験から、娘の知的学習についてはとても神経質になり、シュタイナー一辺倒で、幼児教育なんてとんでもない!と思っていました。
    産まれてからしばらく・・・2~3歳までは一切、知的な刺激も電子音も聞かせずに育ててきました。
    絵本すら、たまにしか読んであげませんでした。(シュタイナーでは絵本も良くないとされているのです)
    しかし、どうしたことか娘は子供らしい遊びにあまり興味をしめさず(いちおうやりますが、目がくもっているのです・・退屈で)わたしもこの子とどうやって遊んでいいのかわからずほとほと困り果てていました。
    そして、3歳ころに知人がなぜか送ってきた英語のCDと絵本にやたら興味を示しまして、目を輝かせてずっと聞いている娘の姿を見て、わたしのこだわりを外していくべきなのか・・と考えなおすに至ったのです。
    幼児教育を一切させないと頑張っている親のもとに、このような子供が産まれてくるなんて、なんて皮肉なことでしょうね。
    わたしも自分の痛い失敗体験があるので、とても神経質になっていて、これはやらせてもいいのか、やはり害のなるのか・・と深刻に考えてしまうのですが。。まあ、てきとうにやっているのが一番かもしれませんね。
    また長文になってしまい申し訳ありません。
    お忙しいなか、貴重なご意見をお聞かせくださいましたことに、感謝いたします。

  6. 春風さん、こんにちは。
    「親の失敗をくりかえさないようにしよう!」と決意されたお気持ちよくわかります。私もそういうところはありますから。
    よいお母さんでいらっしゃるのですね。
    お子さんがおいくつかわかりませんが、目をキラキラさせて絵本を読みたいとおっしゃるのならば、読ませてあげれば良いと思います。私の好きなジャーナリストのRachel Maddowは、親が押し付けたのではなく2歳のときから新聞を読んでいたようですし。私も3歳年上の姉の影響で5歳のときから小学校高学年用の本を読み始めました。同じ環境でも妹は本には見向きもしませんでした。私たち姉妹の読書に対する姿勢は今でもまったく同じです。姉と私は活字中毒で、妹はぜんぜん。生まれつきのものなんだなあ〜と[E:coldsweats01]
    ご自覚していらっしゃるように、一番良いのは「てきとー」に子供と一緒に過ごす時間を楽しむことだと思います。

  7. 渡辺さん こんにちは!
    >私の好きなジャーナリストのRachel Maddowは、親が押し付けたのではなく2歳のときから新聞を読んでいたようですし。私も3歳年上の姉の影響で5歳のときから小学校高学年用の本を読み始めました。
    そうなんですか!そんな方がいらっしゃるのですね・・本当に。。
    渡辺さんも相当なギフテッドだったのですね!
    それに比べたら、うちの子なんてまだまだかわいいもんです(笑)
    実はわたし、そういう方をずっと探していたのです。
    小さいころに優秀だった人が大人になるにつれて不幸になって輝きを失っていくケースしか見ていなかったものですから・・・どうしても、娘にそれが重なってしまい、将来を案じていたのです。
    でも、順調にうまくいっている方もいらっしゃるのですね!安心いたしました。
    外部から余計な教育をせずに、本人がやりたいことをやっている限り、重大な問題は起きないのかもしれませんね。

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