賢い女性が読むロマンス小説の世界

Smart_bitches 一般人口が本を読まなくなっているだけでなく不況の影響をもろに受けている米国出版界ですが、それにも負けずに元気なのがロマンス小説とヤングアダルトのジャンルです。特にロマンス小説はebookのメインのお客様なのだそうで、出版界も無視するわけにはゆきません。
ロマンス小説の根強いファンを抱える「Smart Bitches, Trashy Books(賢いオンナ、くだらない本)」というものすごいタイトルのブログは、出版業界も重視しているパワフルな存在のようです。
普通の小説にもロマンスは含まれています。だから何をもって「ロマンス小説」と呼ぶのか不思議ですよね。そこで、「Romance Writers of America」のサイトで定義を探してみました。どうやらロマンス小説では次の2つの要素が必須のようです。
1)a central love story(ラブストーリーが中心) and 2)an emotionally-satisfying and optimistic ending(情緒的に満足でき、楽観的なエンディング。つまりハッピーエンド).

この二つの要素がある小説が、さらにいろいろなジャンルに枝分かれしてゆきます。
最近の「Twilight」の成功で、現時点ではパラノーマルロマンスが最も人気のようですが、それ以外にも歴史ロマンスとかあります。ラブシーンの過激さも、感情的なロマンスが中心のものと私が呼ぶところの「肉体派」までいろんなスケールがあるようです。
(私にとって)ロマンス小説に共通する最大の問題は、前述の条件があるために「常に先が読めてしまう」ことです。もともと飽きっぽい人なんで、フォーミュラに沿って書かれたものを読む辛抱強さに欠けてるのです。けれども、ロマンス小説ファンは、「ハッピーエンド」だとわかっているからこそ安心してどっぷり楽しめるのだと思います。仕事や人間関係(あるいは実際の恋愛関係)で疲れているときに現実逃避として読むのにはぴったりなのでしょう。

もうひとつ私が典型的ロマンス小説に入り込めない理由は、主人公とそのお相手のタイプ。アメリカのロマンス小説には、女性はピンナップモデルのような美女で男性は筋肉もりもり、と視覚的にセクシーなカップルが多いようですが、そういうキャラって苦手なんですよ。出版社の強い意向で著者が主人公をそういうタイプに書き直すケースもあるみたいです。残念ですね、ジェーン・エアのようなロマンスが否定されるのは。
現実世界は別として、物語の世界では私は男女とも普通の外観で中身が普通でない変わり者が好きです。男性キャラは対人スキルに欠ける心優しい間抜けか、気難しくてひねくれた頭脳派がいいですね。

と私の好みはさておき、ロマンス小説を沢山読んで英語に慣れる方もいらっしゃるようです。簡単に入り込めますし、気取らないふつうの会話が多いので「こんな風に会話するのか」と知らない間にお勉強していることにもなります。なかなか良い案です。

ところでロマンス小説の作家には、アイビー大卒や、学者、キャリアウーマンがけっこう多いのですよ。前述のサイトがSmart Bitchesと呼ぶのもなんとなく納得。

2 thoughts on “賢い女性が読むロマンス小説の世界

  1. A Countess Below Stairs (The Secret Countess)を読みました。
    なんだか疲れていて軽くて楽しめるものを、
    というときにぴったりの本でした。
    ロマンスが入ったYA物で
    主人公の女の子の性格がどうしても受け付けない
    ってことが何度もあったのですが、
    この本はすっきりした気持ちで読めました☆
    どうなるかが予想できても、
    そこまでの過程を読むのが楽しかったです。

  2. ちょこさん、こんにちは。
    私もたいていのロマンスが苦手なのは、主人公の性格がどうしても受け入れられないというのがひとつあります。
    あとは、お決まりでご都合主義のストーリー展開。
    A Countessはどうなるか予想できても、暖かく見守る感じで読めますよね。また、全体的にYAロマンスのほうが大人のものよりもロマンチックだと私は感じるのですよ。

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