英語の多読をめざす方に

このブログを始めたときには「多読」とか「タドキスト」という言葉を聞いたことがなかったのですが、ブログを通じていろいろな方と知り合い、「なるほど、こういう方法もあったのか」と思うようになりました。

ネットを通じて知り合った佐藤まりあさんがお書きになった「大人のための英語多読入門」(コスモピア社:酒井邦秀監修)を読んで同感したのは次の「多読三原則」です。

①辞書は引かない
②わからない部分は飛ばす
③進まなくなった本は後回し

これらは、私が洋書初心者に薦めていた方法と同じです。
単語学習ゲームなどは役に立ちませんか?」というQへのAが「役に立ちません」であったり、文法に関しても「とりあえず、文法のことは忘れていてください」であったりするところにも大いに共感しました。
現在、私が平均的なネイティブよりも本を読むのが速いのは、いまだに「わからない単語」を無視しているからです(威張るようなことでもありませんがcoldsweats01)。そのジャンルの本を沢山読めばそのうち意味はわかるようになってくるものです。つまり、多読こそが洋書に慣れる唯一の方法なのです。

この本と私の方法の違いは、私が幼いころから絵本や児童書よりも小説のほうが好きだったことからきています(絵本や児童書を楽しめるようになったのは、わが子に読み聞かせるようになってからです)。また、私は関西弁で言うところの「いらち」なんです。というか、日本人には珍しくコツコツ積み上げる勤勉さに欠けるんです。それでいきなり好きな文芸小説やミステリを多く読むことで洋書そのものに慣れたのですが、その方法をすべての洋書初心者におすすめするのは無理でしょう。そこで、本ブログでは、ストーリーがあり、感動もする9歳から12歳向けの児童書、あるいはそれよりも文法が簡単な傾向がある中高生が対象のヤングアダルト(YA)本から始めることをおすすめしてきました。
けれども、それでも「難しすぎる」と挫折する方はいらっしゃるかもしれません。

そういう方におすすめなのが、もっと簡単な本を多く読むことから積み上げてゆく方法です。佐藤さんの「大人のための英語多読入門」は、「楽しみのための読書」という基本的な考え方からレベルの説明、推薦本まで、大人(特にプラチナ世代)になってから洋書を読み始めようとする方に必要な情報が揃っています。
いきなり好きな洋書を試して失敗した方は、プラチナ世代でなくても佐藤さんの方法を試してみてください。きちんと従えば、きっといつかすらすらと読めるようになるでしょう。また、読後には佐藤さんのブログで新たに読む本の情報も得ることができます。

また、同じ理論で英語を学ぶ方のための「多聴多読マガジン」(コスモピア社)はCDもついていてなかなか情報満載です。私も8月号に1ページだけ寄稿しています。

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8 thoughts on “英語の多読をめざす方に

  1. 渡辺さん、こんにちは。
    「わからない単語」を無視して、ミステリーを読んで
    おりますと、犯人はわかったけれども、犯行動機が
    いまひとつはっきりしないときがあります。読後感
    にモヤモヤが残りますが、まあーとりあえず犯人が
    わかったので、無事解決!
    語彙力増強に多読以外の特効薬はないんですね~

  2. こんにちはモキチさん。
    そうですねー。そういうことは私にもありましたよ。
    何度か読み直して「あっそうか」とようやく分かったり、後に似たようなミステリーを読んでいるときに「あれは、ああいう意味だったのか」と突然思い当たったり。
    (日本人には珍しく)勤勉じゃない私にとっては多読が一番楽な道なんですよー[E:catface]。

  3. TOEICは、860以上で仕事でも英語をガンガン使っているにもかかわらず、普通の小説が普通に読めない事にずっとコンプレックスを持っていました。とは言え、絵本から始める方式には抵抗があり、Newbery Medal 受賞作品を読み始めたところでこのサイトに出会いました。
    今後とも参考にさせていただくつもりです。よろしくお願いします。

  4. 読んでみました。面白かったです。やはり小説よりはずっと読みやすい気がします。小説だとすっとばす単語の数が多く、これで本当にいいのだろうかと心配になってしまいます。今は,Maniac Magee を読んでいます。これまら、プロローグが非常に読みにくいです。

  5. 小説が読みにくいと感じる方は、回想録のノンフィクションを沢山読んでみるとよいかもしれませんね。そのジャンルをチェックしてみてください。そこのYAや児童書部門を沢山読んでみてはいかがでしょう?
    小説は、YAや児童書も想像力で補う必要がありますから、それが苦手な方にとっては、難しいと思います。

  6. たしかこちらで紹介されていたダーウィンのお話がよいかもと思っていたところです。もっとも、買い置きのNewbery賞ものがまだ何冊か残っていますが。
    日本語での読書は、ほぼ小説オンリーです。児童書、文芸書、ミステリー、ハードボイルド、時代小説まで幅広く読んでいます。なのにアメリカの小学生向けの小説がスラスラ読めない…あらすじは、つかめるのですが、細かいところが時々チンプンカンプンだったりします。

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