アメリカで読み継がれている原爆の歴史ーSadako and the Thousand Paper Cranes

今日8月6日(日本時間)は広島に原爆が投下された日です。
少し前にアメリカ人の友人から「娘が小学校でSadako and the Thousand Paper Cranesを読んで鶴を折ったのよ。本を読んでつい私も泣いてしまった」という話を聞かされました。12歳で白血病で死去し、「原爆の子の像」のモデルとなった佐々木禎子さんの話がこうしてアメリカの小学校でも読み継がれているということに心動かされました。
先日私が読んだ記事では、いまだに米国人のマジョリティは原爆投下を肯定しています。けれども、私が住んでいるレキシントン町には平和愛好家が多く、イラク戦争時にも反対運動をしていた人を多く見かけました。
こうして公立の小学校で原爆の影響と平和への願いを教えている町もある、というのがアメリカの良いところでもあります。

この本がずっと全世界で読み継がれるように祈っています。

8 thoughts on “アメリカで読み継がれている原爆の歴史ーSadako and the Thousand Paper Cranes

  1.  こんにちは!
     きょう原爆忌ということで、ちょうどこの本のことをとりあげようと
    思っていたらなんとアメリカで読まれているなんて! 大変心強いです。
    原爆投下を肯定する米国人は6割以上という報道は、私たちにはどうせそんな門だろうと思いながらも、辛いものですが、この渡辺さんの記事には励まされます。こうしてすこしづつでも、理解が広まってゆくとよいと思います。勝手ながら私のブログでも 紹介させていただきました。

  2. 点子さんこんにちは。
    高校の修学旅行で長崎原爆資料館を訪問して以来、心に刻み着いている歴史です。ひとりで広島での原爆の日の行事にも参加したこともあるのですが、それをどう行動につなげてゆくのかをまだ見極めることができずにいます。
    私は過去にある国の指導者が犯した罪に対して現在の国が謝罪を求めるのは無駄な行動だと常に思っています。
    それよりも、同じ間違いを起こさないような考え方を広めるほうが大切なのだと思うのです。
    でも、なかなかそこが難しいところです。
    アメリカ人でも原爆資料館を一度でも訪問したことがある人はショックを受けて原爆反対派になるようです。
    小学校でこの本を読んだアメリカ人の子供たちも、一生「原爆みたいな恐ろしい、非人道的なものを持ってはいけない」という感覚を持ち続けてくれるのではないかと思います。

  3. 渡辺さん こんばんは。
    内田樹氏のブログにあるように、最近 日本でも
    物騒な事を言う方がちらほら散見されます。
    日本人こそ 読んでおく必要があるのかも
    しれませんね。

  4. モキチさん、こんにちは。
    内田樹さんのブログ拝見しました。
    私も同じように考えています。
    以前にWorld Policy Journalの一記事をご紹介しましたが、その中に”Japanese nationalism is the historical revisionism that has fatally impaired Japan’s leadership credentials in Asia”という一文がありましたが、まさにそのとおりだと思いました。また、”Japan lacks a clear strategic direction and a positive vision of its future”も的を得ています。
    Obama大統領誕生は偶然ではないと思います。アメリカには彼を支える土壌を作る公教育が存在するからです。アメリカの教育はダメだと信じている人がいますが、理念を育てるという意味では多くの公立学校がvisionのある教育をしていると思います。
    私は暗算が速くできたり、テストで高得点を取ることよりも、そちらのほうをもう少しがんばってほしいような気がします。

  5. はじめまして。この記事を読んで、アメリカのクラフトスクールのサマーワークショップに参加した時のことを思い出しました。
    ノースキャロライナにあるそのスクールには、小さな図書室があったのですが、そこに日本ではあまり見たことのないような戦中戦後の日本の写真集がありました。
    特に原爆投下後の写真は、悲惨な状況をそのまま写し取ったという感じで、衝撃的でした。
    日本ではネガティブなイメージのものを子供たちから隠してしまう傾向が強くなってきているような気がします。
    私は戦争を知らない世代ですが、戦争を経験してきた祖父母の声を直接聞くことはできました。甥っ子や姪っ子になると、戦争体験者の話を直接聞く機会もないのだなあと思うと、こうした書籍を積極的に教育に取り入れて、伝えていこうとすることは大切なことだと思いました。

  6. こんにちは。コメントありがとうございます。
    私も体験者の話を聴くのは大切なことだと思います。
    私も若いときに広島で直接体験談を聴く機会に恵まれました。
    けれども、もっと大切なのは自国の体験談だけでなく、過去に敵国だった国の人々の体験談に耳を傾けることです。
    どの国でも、歴史を360度の角度から学ぶべきだと私は思うのです。
    でないと、いつまでたっても「謝罪しろ」「折れるな」といったレベルの討論に終わってしまいます。
    実は最近私は今住んでいる町で国際的なオスマン帝国によるアルメニア人虐殺に関し、アルメニア系アメリカ人の政治的な動きに巻き込まれて、とても嫌な思いをしました。それも同じような運動です。
    日本でもアジアの国々を対象にした過去の過ちをどう将来に活かし、世界のリーダー的役割を果たしてゆくべきか、というビジョンを育てる教育を小学生のころからしていただきたいな、と思います。

  7. これまで恥ずかしながら佐々木禎子さんのことは存じませんでした。その佐々木さんがモデルとなっているこの本に日本人である私が洋書という形で出会うとは。原爆肯定派の多い米国の公立小学校でこの本が読まれているということもそうですが、語り継がれるべきよい話は、本の方から読者の方に歩み寄ってくるような不思議さを感じました。

  8. 渡辺さま
    コメントありがとうございます。
    私もこの本の存在を知ったのは、米国人の友人から聞かされてでした。
    学生時代に広島の記念行事に行ったことがあり、当時のことを思い出しました。ぜひ長く読み継がれていって欲しいと思います。

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