“longing”という表現がぴったりでTwilightよりも文学少女向けのラブストーリィーShiver

Maggie Stiefvater
400ページ
Scholastic Press
2009年8月1日
ヤングアダルト/ファンタジー/パラノーマルロマンス/青春小説

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Kindle版

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Graceは幼いとき、森に繋がる裏庭で狼の群れに襲われたことがあり、そのときに出会った黄色い目の狼のことがずっと忘れられないでいる。Graceは、黄色い目のmy wolfに再会できる冬を毎年待ちこがれている。
黄色い目の狼は、夏は人間に戻ることができるが、寒くなると狼の姿に変わってしまうwarewolf(狼人間)のSamだった。噛まれた感染でwarewolfになった彼らは、狼の姿になっている間は狼の習性そのもので人間としての思考を失ってしまう。多くの者はその運命を受け入れてしまうが、書物や音楽が好きなSamは人間性を失わずにSamでいたいとあらがっている。けれども、Samが人間の姿でいられる夏はだんだん短くなっていた。

下は作者Maggie Stiefvaterが制作したTrailer

●ここが魅力!
狼人間の少年と高校生の少女とのパラノーマルロマンス、と書くと真っ先に連想するのが爆発的に売れたTwilightシリーズです。たしかに共通点は沢山あります。けれども受ける感じは相当異なります。
まずTwilightはEdwardの謎と危険さが魅力ですが、ShiverのSamはwarewolfのくせに血が嫌いで繊細で奥手な普通の高校生といった感じです。どっちが好きかと訊ねられたら、だんぜん私はSamですね。 女子高校生たちはきっと危険な雰囲気のEdwardのほうが好みでしょうが、私はSamの純粋無垢でシャイ、Rilkeなんか引っ張りだしてギター弾いてくれるところがかわいいです。 pianoとギターだとやっぱり私は「男はギターだ!」派です。Graceにもう少し面白みがあって欲しかったところですが、TwilightのBellaに比べればしっかりした個性と行動力があって好感が持てます。
また、文章はShiverのほうが詩的です。
特にChapter oneとChapter Twoの作り上げた雰囲気がとっても好きでした。たった4ページの簡単な文章なのにSamとGraceのlongingが鮮明に伝わってきます。また、Twilightはアクションとソープオペラの要素がありますが、Shiverは争いシーンも少なく全体的にとても静かな感じです。抑圧された簡潔な表現ゆえに私はTwilightよりも好感を抱きました。
ひとことでまとめると、「Twilightはロマンスで、Shiverはラブストーリィ」といったところでしょうか。

追記:今ごろになって気づいたのですが、私が露骨なロマンスブックが苦手でYAファンタジーやゴシックロマンスなどのほうが好きなのは、ラブストーリィに求めるのがこの"longing"の感覚だからなのだと思います。Wuthuring Heightsが永遠に愛されるのは、この"longing"を見事に表現しているからでしょう。だからキャラの肉体的特長を描写したものよりも、頭の中身を描写してくれるほうがセクシーだと思うわけです。

●読みやすさ ★★★★☆
簡潔な文章でとても読みやすいと思います。
作者は27歳なので、TV番組などのアメリカのポップカルチャーがよく出てきます。わからない部分があっても、きっとそれはローカルな話題なのだと思って飛ばしてください。物語の進行にはほとんど無関係だと思います。

●アダルト度 ★★★☆☆
キスシーン程度までがほとんどですが、シーンの描写抜きで「初体験」があったことを暗示する場面があります。恋愛がテーマですから高校生以上が対象です。

●この本を気に入った方は、Maggie Stiefvaterのその他の作品をどうぞ

デビュー作 Lament: The Faerie Queen's Deception

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2 thoughts on ““longing”という表現がぴったりでTwilightよりも文学少女向けのラブストーリィーShiver

  1. 読み終わりました。
    青春ラブストーリーですね。
    私もエドワードよりサムの方が好きです。
    2010年7月に続編“Linger”が出るとか。
    グレースの将来に不安を覚えつつ、
    あ、また読まずにいられなくなったと思っています。

  2. きゃろるさん、こんにちは。
    エドワードよりサムが好きな方がいらして、嬉しいです
    [E:happy01]
    そうですね。私も続編が出たらまた読んじゃうと思います。そのときにはまたよろしく!

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