スティーブン・キングが2010年の「ベスト・サスペンス」に選んだ I’d Know You Anywhere

Laura Lippman
ペーパーバック: 400ページ
出版社: William Morrow Paperbacks
2010/8/17
心理サスペンス
2011年エドガー賞候補

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平凡な主婦のEliza Benedict(イライザ・ベネディクト)には、15才のときにWalterという男に誘拐されレイプされたという過去がある。マスコミに騒がれた過去を切り離すために名前を変え、20年以上たったというのに、死刑囚として服役中のWalterから突然手紙が届く。刑務所で偶然読んだ社交雑誌に載っていた写真から、Elizaの今の名前と住処を探り出したらしい。


死刑の執行日が確定したWalterは、Elizaから何かを得たいと思っているようだ。だが、それが何なのかを彼はなかなか明らかにしない。Walterの手助けをしているのは、 Barbara LaFortunyという中年の女だ。死刑囚のアドボケイトという立場だが、Walterに対して異常な執着心を持ち、Elizaの日常生活を心理的に脅かす。

実は、Elizaの誘拐事件には不可解なところがあった。他の少女はすべて殺害されたのに、彼女だけが殺されなかったのだ。それはなぜなのか?当時、「Elizaは実はWalterのガールフレンドであり、犯罪を助けた」という説の本を出したジャーナリスト気取りの三流物書きがいた。Barbaraはその自称ジャーナリストまで巻き込み、WalterのためにElizaを動かそうとする。

ついにElizaはWalterと再会することになるが…。

スティーブン・キングが「The Best Suspense Novel of the Year」と呼んだ、2011年エドガー賞最終候補作。

●ここが魅力!

女性のミステリー作家のほうが心理ミステリーは面白い、というのが私の意見です。そして、男性作家はハードボイルドが得意です。

たぶん、女性のほうが陰湿な人間心理をよく理解でき、そういう人間観察が得意だからではないかと思うのです。そして、男性は現実以上に「ロマンチスト」。そこが不気味な心理ミステリーとハードボイルドの差ですね。

Laura Lippmanのミステリーが面白いのは、「嫌な奴」の説得力ある心理です。その不気味さがリアリスティックで、読後もじわ〜っとくるのです。この心理ミステリーもそうで、はっきりしたミステリーが好きな人には「かったるい」と感じるかもしれませんが、リアリティある心理スリラーが好きな人には面白く感じるでしょう。

Lippmanの最高傑作ではありませんが、他のミステリー/スリラーに比べると、レベルが高い作品です。

●読みやすさ 普通〜やや難しい

コージーミステリーなどに比べると難しいです。けれども、普通の文学を読み慣れている人には簡単です。文章力がある作家です。

●お薦めする年齢

それほど露骨な表現ではありませんが、 性的な話題/シーンがあります。高校生以上。

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