児童書の名作『The Giver』シリーズの完結編 Son

Lois Lowry

ハードカバー: 393ページ

出版社: Houghton Mifflin

ISBN-10: 0547887205

ISBN-13: 978-0547887203

発売日: 2012/10/2

YA(ヤングアダルト)/児童書(中学生以上)/SF/ディストピア

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1993年に刊行され94年にニューベリー賞を受賞した「The Giver」がその後シリーズになり、これまでに3作発表されている。今回の「Son」は、そのシリーズ完結編である。


The Giverシリーズは、住民が過剰にコントロールされた未来を描くディストピアSFである。中学生から高校生が対象だが、The Giverを課題図書としてつかっている小学校も多く、一般的にはYAではなく、児童書として扱われている。

レイ・ブラッドベリの「Fahrenheit 451(華氏451度)」を連想させる内容で、大人の読者も多い名作である。これまでに「Gathering Blue」、「The Messenger」と三部が出ていたが、それらの世界をすべて繋ぐ完結編が、「Son」である。

 

第一巻『The Giver』の世界でBirthmotherとして選ばれたClaireは14歳で息子を産むが、他のBirthmotherたちのように忘れることができない。

処分されることになっていた息子がコミュニティから姿を消したとき、Claireはその後を追う。

濁流に飲まれたClaireを救出した辺鄙な村の住民たちは、記憶を失った若い彼女を半分伝説の生き物として大切に扱う。その村の暮らしに慣れてきたClaireは、記憶と目的を取り戻し、ふたたび息子を探す旅に出る。

The Giverではマイナーな登場人物だった赤ん坊が、この世界にとってどんな意味を持つのか。これまでの3作が一気に繋がる完結編である。

 

●ここが魅力!

The Giverのシリーズは、次の四作です。

The Giver (1993)

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Gathering Blue (2000)

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Messenger (2004)

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Son (2012)

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The Giverは、一見ユートピアに見えるディストピアが舞台で、レイ・ブラッドベリの「Fahrenheit 451(華氏451度)」を連想させ、大人の読者も多い名作です。

第一巻が唐突に終わるように感じるのは、まだここで完結していないからです。

けれども、Gathering Blueを読むと、その続きという感じはしません。その繋がりが見えて来るのが、三部のMessengerです。

三部のMessengerはちょっと辛い本でしたが、最初のThe Giverもけっこう辛い本です。

Messengerに比べると進行が緩慢で、著者が何を言いたいのか首を傾げ、読むのが「しんどい」部分もあります。ですからこの完結編に満足しない読者もいることでしょう。

けれども、そこも著者のローリーが意図したことかもしれません。

 

●読みやすさ やや読みやすい

文章そのものは簡潔で読みやすいのですが、進行がちょっとダラダラしているところがあります。

 

●おすすめの年齢層

特に問題なシーンはないのですが、妊娠、出産、結婚といったテーマを取り扱っていますので、中学生以上が対象です。

YA(ヤングアダルト)対象として書かれていますが、アメリカでの読者を想像すると、読むのは、高校生ではなく、小学校高学年から中学生、そして大人だと思います。

2 thoughts on “児童書の名作『The Giver』シリーズの完結編 Son

  1. Sonを昨日読み終わりました。前3作もそうでしたが、Sonも読者にエンディングを任せるような終わり方で、独特な読後感だなと感じております。
    まだ洋書に慣れていないので、全4作読めて良かったです。

  2. タクトさん、
    こんにちは。
    ローリーは読者に任せるエンディング多いですよね。
    この独特な読後感が好きな人がファンになると思っています。
    全4作読み終えた充実感、いいですよね!

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