著者:Peter Swanson
ハードカバー: 320ページ
出版社: William Morrow (2015/2/3)
ISBN-10: 0062267523
発売日: 2015/2/3
適正年齢:R(性的コンテンツ、バイオレンス)
難易度:中級〜上級(基本的にはシンプルな文章。ページ・ターナーで入り込みやすい)
ジャンル:心理サスペンス
キーワード:計画殺人、裏切り、策略、どんでん返し
ロンドンからボストンに戻るフライトで、ビジネスマンのTedはミステリアスな美女Lilyと出会う。妻のMiranda裏切りを知ったばかりのTedは、いつになく酔って赤の他人のLilyに事情を打ち明ける。Lilyは平然としてTedに言う「そんな妻は殺すべきだ」と。そして、Tedがその気なら手伝ってやるという。
Tedの妻に対する愛情は裏切りを知った時点で憎しみに変わっていたが、殺人ができるようなタイプの人間ではなかった。それでも、Lilyに会いたいがゆえに「手伝ってくれるなら妻と浮気相手を殺す」と答える。
偶然に出会ったTedとLilyだが、実はLilyとMirandaには大学時代からの因縁があった。そして、その結果、ひとりの若者が死んでいたのだった……。
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Gone Girlのヒットから、「イヤミス」(何度も急展開し、最後まで先が見えないページ・ターナーだが、後味が最高に悪いミステリ)が流行っている。
このThe Kind Worth Killingも、そのイヤミスのGone Girlと比べられているが、読んでいるときに思い出したのはパトリア・ハイスミスのStrangers on a Trainとか The Talented Mr. Ripleyだ。Ripleyがどのキャラクターに匹敵するのかは、ネタバレになるので黙っておく。
どんでん返しにどんでん返しが続くが、Gone Girlと違って心理スリラーやミステリに慣れている読者には先は読める。それでも、途中でやめたくないほどのページ・ターナーだ。
読み終えた男性読者は、「女って恐ろしい」と日頃の行動を改めるかもしれない。
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