裕福な家族が24年間隠した秘密を暴く高校生のいとこたち The Cousins

作者:Karen M. McManus(デビュー作はOne of Us is Lying)
ハードカバー:336ページ
ジャンル:YAミステリ
テーマ/キーワード:富豪家族の秘密、いとこ、高級リゾート、親子関係、殺人、ロマンス
適正年令:高校生(14歳以上)
難易度:6(2021年新バージョン
発売日:December 1, 2020
ISBN-10 : 0525708006
ISBN-13 : 978-0525708001
Lexile measure : HL760L
出版社: Delacorte Press

マサチューセッツのガル・コーヴ島(創作)は、ナンタケット島、マーサズ・ヴィニヤード島に並ぶ高級リゾート地である。ストーリー家は、そのガル・コーヴで最も高級なリゾートホテルをはじめ、島の大部分の観光業を所有する大富豪だ。家長のエイブラハムが亡くなった後は、未亡人のミルドレッドが仕切っていた。ある時、ミルドレッドは若い4人の子どもたちと縁を切って島から追い出した。

それから24年間、子供たちがどんなにアプローチしてもミルドレッドは一度も会おうとはしなかった。長男のアダム、次男のアンダース、長女のアリソンはそれぞれに結婚して同じ年頃の子供がいたが、そのうち2つの結婚は失敗していた。そして、三男で末っ子のアーチャーはアルコール依存症になっていた。もともと暖かい交流がなかった家族でもあり、アダムが遠方に引っ越ししたことをきっかけに、10年ほどは交流が途絶えていた。アダムの娘オーブリー、アンダースの息子ジョナ、アリソンの娘ミリー(祖母の名前と同じミルドレッドだが、本人はミリーを使っている)の3人の「いとこ」たちがそれぞれに大学進学を考えなければならない年令になったとき、ミルドレッドから突然手紙が届いた。夏休みにガル・コーヴのリゾートでアルバイトをするという招待状だった。

喜んだのは親たちのほうだった。わが子がミルドレッドに気に入られたら、復縁して遺産を受け取る可能性もある。親に説得された子供たちは、しぶしぶながら2ヶ月をガル・コーヴで過ごすことにした。ところが、島に到着したところ、リゾートでのアルバイトを手配してくれた責任者は仕事を辞めており、誰ひとりとしてミルドレッドの孫が来ることなど知らなかった。ミルドレッド本人も知らなかったようだ。

誰が何の目的でいとこ3人を島に招待したのか?
24年前にミルドレッドが子供たちと縁を切ったのはなぜなのか?

好奇心と反抗心があるミリーに引きずられるようにオーブリーとジョナも危険な謎解きに加わる……。

高校を舞台にしたOne of Us is LyingというミステリでデビューしたMcManusの作品は、一応YAのカテゴリだが多くの読者は大人だ。登場人物が高校生というだけで、内容は普通のミステリや心理スリラーだし、何よりもページターナーだ。

この作品は、これまでの3作に比べると少しひねりが弱い気がしたが、それでも謎を最後まで残してくれるところがいい。
リゾートの島という設定も、旅行気分を味わえてプラスである。

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