2020年に書きそびれた本のひとことレビュー Vol. 2

2020年のうちに書こうと思っていた本のレビューの続き、Vol.2です。

Vol 2.は「読んで面白いですよ」という3.5から4.5評価の作品です。

 

Stepsister(シンデレラの改作)

Poisoned(白雪姫の改作)

作者:Jennifer Donnelley
ジャンル:ファンタジー(童話のretelling、改作)
難易度:7/10
私の評価:Stepsister4.5 /Poisoned3.5

シンデレラでは継母と義理の姉妹は悪の権化である。彼らに同情心を抱く読者はいないだろう。だが、実際にはもっと複雑な現実があったのかもしれない。女性や少女の生き方を数多く描いてきたベテラン作家のDonnelleyによる「シンデレラ」の改作は、義理の姉妹たちに焦点をあてたものである。シンデレラのように美しくない義理の姉イザベルも、社会と環境の犠牲者だった。夢と希望を失ったイザベルが、苦労しながら自分の人生を築き上げていくところが素敵なファンタジーだ。ページ数が多すぎるのが難だが、読後感が良い。Poisonedは白雪姫の改作だが、こちらはちょっと甘ったるさが強い。

 

The Sun Down Motel


作者:Simone St. James
ジャンル:ゴシックスリラー
難易度:7/10
私の評価:4.0

Simone St. Jamesは、超常現象が混じったミステリと歴史小説の要素があるゴシックスリラーの代表的作家。ホラーが苦手な私にとってちょうどよい怖さなので、彼女が書くものは全部読んでいる。最新のこのThe Sun Down Motelでは、2つの時代が交互に描かれる。ひとつは、1982年だ。ニューヨーク市に住む夢を持つVivという若い女性がニューヨーク北部の寂れた町Fellにたどり着き、資金をためるためにSun Downモーテルで夜勤受付の仕事を始めた。仕事をはじめてすぐ、Vivはホテルでの超常現象に気づく。もうひとつは2017年だ。Carlyは、35年前にSun Downモーテルで姿を消した叔母のVivの謎を解くためにFellにやってきた。そして、叔母のように幽霊の姿を見るようになる。私にとってはいつもほどのインパクトがなかったので4.0にしたが、多くのミステリを読み終えた後でふり返ると、もっと高い評価を得る価値があると思えてきた。

 

The Searcher


作者:Tana French
ジャンル:ミステリ
難易度:7/10
私の評価:3.5

離婚した元シカゴ警察官の男が、ひとりきりになるためにアイルランドの寂れた町の家を購入して住み着いた。何も起こらない町で静かに暮すつもりでいたのだが、野生の動物のような子供にその平和を邪魔される。その子に奇妙な親近感を抱くようになった男は、行方不明になっているその子の兄を探し始める。それと同時に周囲で奇妙なことが起こり始める。Frenchの作品は好きなのでほぼ全作読んでいるのだが、この作品は少々期待はずれだった。キャラクターとプロットのどちらにもいつもほどの魅力がなく、読んでいるうちに飽きることが多かった。

 

Home Before Dark


作者:Riley Sager
ジャンル:ミステリ
難易度:7/10
私の評価:3.5

Home Before Darkの舞台はバーモント州にあるヴィクトリア朝の古い屋敷だ。この屋敷が幽霊に取り憑かれていることを書いて有名になった父親が亡くなり、遺産として受け取った娘が25年ぶりに屋敷を訪問したところ、再び不思議な出来事が起き始めた。それには、死んだ父親が隠し続けた秘密が絡んでいるようだ……。SagerもSimone St. Jamesのようにオカルトの要素があるミステリを書く作家だが、St. Jamesとは異なるのは、超常現象にみえて実際には超常現象ではないところだ。また、いつも女性が主人公の作品を書くし、名前からも女性を連想させるが、男性作家である。いつも最初のうちの謎めいた雰囲気がいいのだが、最後に「それだけ?」とがっかりしてしまうのは私のほうが悪いのかもしれない。それでもこの作家の作品が出るたびに読んでいるから、面白いのは事実。

2 thoughts on “2020年に書きそびれた本のひとことレビュー Vol. 2”

  1. 今年のチャレンジでプロンプトの一つにdual timelineというのがあるので、The Sun Down Motelはぴったりです。ゴシックスリラーというジャンルはほとんど読まないので(Mexican Gothicはこのジャンルでしょうか?)楽しみです。

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