魔力や冒険が好きな子供が楽しめそうな新しい児童書シリーズWilderlore 第一巻はThe Accidental Apprentice 

作者:Amanda Foody
シリーズ名:Wilderlore
Publisher : Margaret K. McElderry Books
刊行日:March 30, 2021
Hardcover : 304 pages
ISBN-10 : 153447756X
ISBN-13 : 978-1534477568
適正年齢:小学校高学年から中学生(8-12歳)
読みやすさ:5
ジャンル:児童書、ファンタジー
キーワード:魔法の動物、魔力、森、師弟関係、見習い

教師だった両親が魔法の猛獣に殺されて孤児になったBarclayはDullshire唯一のキノコ専門職人に弟子入りした。誰よりも努力をしているのに、師匠からは叱られてばかりいるし、体が小さいのでいじめっ子たちのターゲットにもなっている。

師匠の命令で甘えんぼうの新人弟子を連れて稀なキノコを探しにでかけたBarclayは、その弟子のおかげで禁じられている森に入り込んでしまうことになる。魔力が充満している森には魔法の猛獣たちだけでなく、それらの猛獣を自分に結びつけて利用するLore Keeperがいるのだ。Barclayと年下の弟子は、村人が忌み嫌っているLore Keeperに出会う。Lore Keeperは同年代の少女で、彼女が絆を持つ猛獣はドラゴンだ。彼らから離れて村に戻りたいBarclayなのに、少女のかけた罠に誘われたのか猛獣が現れる。そしてなぜかBarclayはその猛獣と結びついてしまう。

なんとか村に戻ったBarclayは、猛獣が自分の体に入り込んでしまったことを忘れようとする。でも、いじめっ子たちに襲われたときに魔力を発揮してしまい、村から追い出されてしまった。

行く場を失ったBarclayは森に戻り、少女とドラゴンに再会する。故郷を追われた原因を作った少女を憎んでいたBarclayだが、この猛獣を体から出して故郷に戻るためにはLore Keeperが住んでいる町に行くしかない。そこで少女と一緒に森の中にあるSycomoreという町に向かう……。

同年代の子供よりも体が小さくて、孤独で、誰にも努力を認めてもらえない…。多くの子供たちはそんな劣等感や満たされない気持ちを抱えていることだろう。主人公の少年Barclayはそういう子にアピールする存在だ。これまで誰にも価値を認めてもらえなかった子が、魔法の猛獣との出会いでパワーと自信を得るというのは、ストレートに子供にアピールする設定だ。

その成功物語があまりにもストレートなのが気になる読者もいるだろうが、子供の読者は友達を作ったり、大会で競争したり、悪い大人をやりこめたりするのを楽しめると思う。私も読んでいて楽しかった。

これはWilderloreというシリーズの第一巻であり、これから数巻出るのが予想される。児童書の新しいシリーズを探している人にお薦め。

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