作者:Catherine Steadman
Publisher : Ballantine Books
刊行日:June 8, 2021
Hardcover : 320 pages
ISBN-10 : 0593158032
ISBN-13 : 978-0593158036
対象年齢:一般(PG15)
読みやすさ:7
ジャンル:心理スリラー
キーワード、テーマ:ハリウッド、女優の失踪の謎、俳優同士の関係
同居もしていた長年の恋人に裏切られた英国人女優のMiaは、前向きに人生を変えるためにハリウッドでの仕事に挑戦することにした。オーディションは順調にスタートしたが、英国の演劇の世界とはまったく異なるハリウッドの雰囲気に戸惑う。オーディションのひとつでEmilyと名乗る若い女優と出会って仲良くなれそうだと思うが、彼女はMiaに所有物を預けたまま姿を消してしまった。Emilyを探すMiaは次々と不気味な出来事に遭遇するようになる…。
作者のCatherine Steadmanは、2018年刊行の心理スリラーSomething in the Waterでデビューしたベストセラー作家だが、それ以前から英国ではTVドラマのベテラン女優である(「ダウントン・アビー」でメイベル・レイン・フォックスを演じている)。
私はデビュー作と次作のMr. Nobodyの両方を読んでいるが、今回のThe Disappearing Actが一番面白いと思った。心理スリラーとしての出来は3作とも「まあまあ」程度なのだが、今回はハリウッドでのオーディションのシーンや、女優同士の嫉妬などがリアリスティックで興味深かったのだ。
プロの英国女優にとってもハリウッドというのは「魑魅魍魎」がはびこっている恐ろしい場所のイメージなのだというのも面白かった。
スリラーとしては、特に後半にがっかりしたのだが、それでも気晴らしには楽しめるお薦めの心理スリラー。