「お化け屋敷の売り払い方」という軽いタイトルのホラー How to Sell a Haunted House

作者:Grady Hendrix (The Southern Book Club’s Guide to Slaying Vampires, Final Girl Support Groupなど)

Publisher ‏ : ‎ Berkley
刊行日:January 17, 2023
Hardcover ‏ : ‎ 432 pages
ISBN-10 ‏ : ‎ 0593201264
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-0593201268
対象年齢:一般(PG15)
ジャンル:ホラー
テーマ、キーワード:操り人形、(やや)スラッシャーホラー、心理スリラー、家族の秘密

サンフランシスコで最愛の娘Poppyと一緒に暮らすシングルマザーのLouiseは、両親が事故死したという連絡を受けて故郷のサウスカロライナ州チャールストンに戻った。子供の頃から責任感が強く、学問に励んで自立してきたLouiseは、定職を持たずに母親に依存し続けてきた弟のMarkとは犬猿の仲だった。Markは両親の遺体を火葬して灰を撒き散らしておしまいにしようとしているが、それが両親の希望ではないことを知っているLouiseはきちんとした葬式ができるようてMarkを説得しようとする。

葬式の後に明らかになった遺言は、Louiseが想像もしなかったものだった。弟とはもう関わりになりたくないし、MarkのほうもLouisaに対して同じように思っている。だが、両親の家を売るという目的で姉弟は協力をしなければならなくなる。しかし、じきにそれは命がけの仕事になってくる…..。

私はホラー、特に血や内臓が飛び散るスプラッターホラーや猟奇殺人的なスラッシャーホラーが大の苦手である。だからホラーは通常避けているのだけれど、Grady Hendrixのホラーは、そういった定番ホラーのパロディ的なものであり、南部独自の雰囲気や、ユーモアのセンスもあって、「好き」とは言えないものの何冊か読んでいる。最近の作品では、吸血鬼をテーマにしたThe Southern Book Club’s Guide to Slaying Vampiresとかスラッシャーホラーで最後まで生き残る女性をテーマにした Final Girl Support Groupなどだ。

私はホラーは苦手だけれど幽霊屋敷を舞台にした心理スリラーの「ゴシック・スリラー」は大好きだ。だからこの作品のタイトルを見て「これは面白そう」と思って読んだのだが、私が大の苦手の人形ものだとわかって途中ですごく後悔した。しかも、シリアスに怖いホラーである。私は子供の頃からリアルな人形が怖くて、娘も幸いなことに人形が嫌いだったので、わが家には人形がない。そういう私に怖い人形のシーンを延々と読ませないでほしかったのだけれど、そういうのが好きな人には面白いホラー本かもしれない。

エンディングは「心温まる」感じなので、そこでは点数を加算させてもらった。

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