Category: ロマンス小説

『トラベリング・パンツ』の著者によるタイムトラベルロマンス『The Hear and Now』

著者:Ann Brashares ハードカバー: 256ページ 出版社: Delacorte Press ISBN-10: 0385736800 発売日: 2014/4/8 適正年齢:PG12 (中学生以上) 難易度:中級レベル(SFが苦手な人には状況がつかみにくいかもしれない) ジャンル:SF(タイムトラベル)、YA(ヤングアダルト)、ロマンチックスリラー キーワード:タイムトラベル、環境問題、エネルギー問題、ディストピア、禁じられた恋…

戦争と禁断の恋を描いたYAファンタジー三部作の第1巻『The Winner’s Curse』

著者:Marie Rutkoski ハードカバー: 368ページ 出版社: Farrar Straus & Giroux ISBN-10: 0374384673 発売日: 2014/3/4(発売前の今なら、お試しより長い1〜5章がキンドルでタダでダウンロードできます) 適正年齢:PG15(高校生以上。性的な話題や強姦未遂シーンはあるけれども、詳細な描写はない) 難易度:中級〜上級レベル(ファンタジーに慣れている人であれば平易)…

表紙から想像できるとおりSFというよりYAロマンスの『These Broken Stars』

著者:Amie Kaufman & Meagan Spooner ハードカバー: 384ページ 出版社: Hyperion Book ISBN-10: 1423171020 発売日: 2013/12/10 適正年齢:PG12(中学生以上、細かい描写はないが性的行為を示唆する部分あり)…

YAファンタジー初心者向けの新作シリーズ『Relic(The Books of Eva #1)』

著者:Heather Terrell ハードカバー: 288ページ 出版社: Soho Teen ISBN-10: 1616951966 発売日: 2013/10/29 適正年齢:PG12(中学生以上)、The Hunger Gamesのようなバイオレンスはない。 難易度:中級レベル(高校英語をマスターしたレベル)、造語は多いが平易な英語…

Poison Studyの輝きにはかけるが青春ものとしては佳作のファンタジー Storm Glass

Maria V. Snyder448ページMira; Original2009/4/28ファンタジー/魔術/冒険/ロマンス/ヤングアダルト http://rcm.amazon.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&asins=0778325644 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&asins=0778325644 ニューヨークタイムズ紙ベストセラーになったファンタジーロマンの傑作Poison Study三部作に続くSnyderの新作はGlassシリーズ。その第一部がこのStorm Glassである。 Storm Glassの主人公はFire Studyに登場した少女Opalである。Fire StudyでYelenaが邪悪な魔術師Fire Waperたちの魂をガラスの彫像に閉じ込めたときに重要な役割を果たしたOpalは、4年後の今、Sitia国の魔術学校Keepで魔術を学んでいる。だが、Opalはガラスの彫像に魔力を吹き込む能力しかなく、学校に入学するための最低条件すら満たしていない。国を救った英雄のYelenaが友人扱いしているために、かえって同級生たちから嫉妬されのけ者にされているOpalは、若い女性らしい劣等感や羨望に悩んでいる。 ガラスの球体の中に嵐のエネルギーを閉じ込め、それをエネルギー源として再使用することを生業としているStormdancer…

「クリスチャン・ロマンス」ってどんなロマンスなの?

ブログ読者の方からロマンス分野でよく見かける「Christian Booksとはどういうものか?」という質問をいただきましたので、ここぞとばかりに今日のテーマにさせていただきました。 ロマンスブックの定義については以前にも簡単にご説明しましたが、その中でもアメリカ合衆国独自の存在が「クリスチャン・ロマンス」です。マイナーな分野だと想像されるかもしれませんが、 Book Expo Americaに行くと、専門の大きなブースがあってびっくりします。それほど読者が多く、売れているカテゴリーなのです。この分野だけの出版社もありますし、ハーレクイーンのような大手に属するSteeple Hillといった出版社もあります。 ヒロインとヒーローが障壁を乗り越えて最後にハッピーエンドになるのは他のロマンスブックと共通していますが、「クリスチャン・ロマンス」としての特徴はだいたい次のような感じです。 1)ヒロインが男性との関係を通じて人生と自分の存在意義を見いだす。女性は純粋無垢で男性に尽くすタイプ、男性は高圧的で筋肉もりもりのマッチョが多い。(個人的には、登場人物に深みや意外性がないのがロマンスブックの最大の難点) 2)すべてのストーリーの背景にある重要なテーマ:God’s Redeeming Love(神の贖罪の愛) 3)宗教的な葛藤がプロットの中心になる。多くの場合、主要人物がキリスト教の教義に基づいた愛を受け入れることで過去の罪を贖罪することができる。 4)教義に背く非道徳的な行為は文中に出てこない:例えば、婚前交渉、バイオレンス、罵り言葉(f**k、sh*t, h*ll)、ドラッグ、など。…

どうせロマンスを読むなら、ストーリーが面白いこの本をどうぞーTea Rose

作者:Jennifer Donnelly 592 ページ 2003年3月 St. Martin’s Griffin 商業的文芸小説/歴史ロマンス(19世紀の英国とニューヨーク市) http://rcm.amazon.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&asins=0312378025 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&asins=0007208006 舞台は1880年代のロンドン。貧乏なアイルランド移民が多いテームズ川沿いのWhitechapel地区で育った幼なじみのFionaとJoeは、将来店を経営する夢を抱き、一緒に貯金をしていた。だがWhitechapel地区出身で成り上がりの成功者にセールスの才能を見込まれたJoeは、そのひとり娘の策略にひかかって結婚に追い込まれる。FionaはJoeとの将来の夢を失っただけでなく、同時期に父と母、兄妹を失う。父の死に関係がある会社の経営者に命を狙われたFionaは、 家族のうちひとりだけ生き残った幼い弟を連れてアメリカに渡航する。 ニューヨーク市で商店を経営するMichael叔父を探しあてるが、叔父はうつで自暴自棄になっている。Fionaは持ち前のビジネスセンスと人を魅了する性格で経営困難になっていた店を大きく成功させる。だが、ビジネスウーマンとして成功したFionaは、父の復讐を果たすために英国に戻る。そこで再会したのはJoeだった。 ●ここが魅力!ともかく、最初から最後までとてもドラマチック。ひとつの作品にまとめてしまうのがもったいないくらい沢山のドラマが詰め込まれています。600ページ近いボリュームなのに全然飽きません。FionaとJoeの恋はまるで一昔前の昼メロのように誤解あり、すれ違いあり、でメロドラマそのものですが、彼らを応援せずにはいられない、心温まるタイプのロマンスです。…

賢い女性が読むロマンス小説の世界

一般人口が本を読まなくなっているだけでなく不況の影響をもろに受けている米国出版界ですが、それにも負けずに元気なのがロマンス小説とヤングアダルトのジャンルです。特にロマンス小説はebookのメインのお客様なのだそうで、出版界も無視するわけにはゆきません。 ロマンス小説の根強いファンを抱える「Smart Bitches, Trashy Books(賢いオンナ、くだらない本)」というものすごいタイトルのブログは、出版業界も重視しているパワフルな存在のようです。 普通の小説にもロマンスは含まれています。だから何をもって「ロマンス小説」と呼ぶのか不思議ですよね。そこで、「Romance Writers of America」のサイトで定義を探してみました。どうやらロマンス小説では次の2つの要素が必須のようです。 1)a central love story(ラブストーリーが中心) and 2)an…