ハリー・ポッターの著者J.K. Rowlingが偽名でミステリを出版していた

…という話だが、それが明らかになったいきさつが興味深い。

英国のThe Sunday TimesのArts部門の編集者Richard Brooksがスクープしたものだが、その発見が推理小説そのものなのである。

同僚がThe Cuckoo’s Callingというミステリについてツイートしていたところ、匿名のツイッターユーザーから「それはJ.K.Rowlingの作品だ」というリプライを受けたらしい。(その後、そのリプライは消去されてしまっているようだ)。そのいきさつについては、Business Insiderの記事が詳しい。

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書店の生き残り術、ナンタケットスタイル

ピクチャ 1別荘を購入して20年以上になるので思い入れはたっぷりあるのですが、ナンタケット島というのは複雑な場所です。

自家用ジェット機で別荘に来るのは世界でもトップクラスの大富豪(マイクロソフトのビル・ゲイツやグーグルのエリック・シュミットなど)で、一年中島に住んでいるのは庭師、配管工、大工、といった豪邸を支えるワーキングクラスが大部分です。富豪の別荘からの税金や寄付があるから年中住んでいる住民の固定資産税の割合は低く、公立学校の設備ときたら有名私立なみです。けれども、富豪に対する心境が複雑なのは確かです。

高級感が高い観光地ですので、夏は町に美しい人々が溢れ、高級レストランも予約ができないほど混んでいます。けれども、シーズンが終わると、大陸から離れている島は空っぽになります。ですから島にある小さな本屋が生き残るのは以前から難しかったのですが、アマゾンの台頭でほぼ不可能になっていました。

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なぜアマゾンはひとり勝ちするのか

最近アマゾン関係のEメールを相次いで受け取りました。
そのうちの一つが、Amazonの"Powered by Amazon"の新しい出版プログラムを初めて活用する「The Domino Project」です。

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やはりオプラが選んだのはFreedomだった(+作家たちの論争)

ピクチャ 2 先日オプラがフランゼンのFreedomをブッククラブの最後の本として選ぶかどうか、という話題を提供しましたが、さきほどの発表で、正式にFreedomだったことが判明しました。

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オプラは最後のブッククラブにフランゼンのFreedomを選んだのか?

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 トークショー司会者のオプラ・ウィンフリーがブッククラブに選んだ本は、必ずミリオンセラーになることで有名です。選ばれた本にはオプラのお墨付きマークが付き、全国の書店の最も目につく場所に山積みにされます。

 

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ロマン・ポランスキー赦免の嘆願書に署名した作家とアーティストたち

32年前、44歳のときに13歳の少女をレイプした罪でロサンジェルスで逮捕され、服役前にフランスに逃亡した著名な映画監督Roman Polanski(ロマン・ポランスキー)のことをご存知の方は多いと思います。
これまで逮捕の可能性がある国の訪問を避けて来たポランスキーですが、先月29日にスイスのチューリッヒ空港に到着したときにスイス警察に逮捕されました。

ナチスドイツの迫害をいき伸び、妊娠中の妻シャロン・テートを殺害されたポランスキーの精神的なダメージとはどんなものなのか想像もできません。また、当時13歳だった犠牲者のSamantha Geimerは"I have survived, indeed prevailed, against whatever harm Mr. Polanski
may have caused me as a child," そして "I got over it a
long time ago."と以前に語っています。

犠牲者本人が許しているのだからいいじゃないか、という考え方もあるでしょう。でも、役者になりたい13歳の少女に有名な映画監督がお酒を飲ませて行った性行為は(彼女の意思がどうであっても)犯罪行為には違いありません。私にとっては、未成年者との性交という行為そのものより、他人の人生を自分のそれよりも軽く扱う傲慢さが許せません。

Nick Hornbyは読者を知らない

High Fidelity などで有名なNick Hornbyは、コンテンポラリーな世界であがく心だけ若者の中年男性を描くことでは卓越した才能があると思っていました。でも、最近の作品はがっかりすることが多くて、読むのをやめてしまいました。

そこにこのインタビュー記事。なんとなくそのわけがわかったような。。。

彼はebookやKindleについてネガティブな意見を持っていますが、読者に触れたことがあるのかしら?

私が知っている英国人たちはみんなKindleの出現を「まだか、まだか」と首を長くしてまっています。Kindleやその他のebookリーダーこそがもしかすると激減している読者層を新たに広める救世主になるかもしれないのに。

ライ麦畑の無許可続編60 years laterの奇妙な事実

60_years_later_3 5月15日に「60年後のHolden Caulfield?Are you kidding?」というタイトルでで、新人作家による60 Years Later: Coming Through the Rye という作品が、アメリカより一足先に英国で発売されたことをお伝えしました。

そのとき、「作者が生きてる間に許可もなく続編なんて書いていいのかな?」と書きましたが、やっぱり出版差し止めの訴訟が起こり、英国のAmazonでは販売停止、米国のAmazonでも取り扱い停止、になっています。日本のAmazonだけがまだ「予約受付中」ですが、これは単に対応が遅れているだけでしょう。

それよりも、裁判のせいで奇妙な(ふざけた)事実がだんだん明らかになってきました。

これまで作者(ペンネームJohn David California)は、ニューヨーク在住のスウェーデン系アメリカ人ということだったのですが、実は100%スウェーデン人。この本をスウェーデンで出版した発行人のFredrik Coltingが作者だというのです。しかも、英国の新聞のインタビュー記事に載ったのは作者本人ではなくて、友人のGustav Rothという役者。役者なのだから演じてこい、と命じたとのこと。

裁判のためにフランクフルトの弁護事務所Kurnit Klein & Selzを雇って闘うそうですが、そうまでして世に出さねばならない本だとは私には思えないのですが。。。スウェーデンに住んでるスウェーデン人にHolden Caulfieldの60年後を語ってもらわなくても、私は自家用車を運転してニューハンプシャー州に行くだけでもっと現実的な現在のHoldenに会うことができますもん。

追記(7/3):米国の判事は、出版差し止めの判決を下しました。Coltingは上告するそうです。