太平洋戦争で日本軍捕虜になったオーストラリア人の生涯を通して人間の本質を語る力作『The Narrow Road to the Deep North』

著者:Richard Flanagan
ハードカバー: 464ページ
出版社: Chatto & Windus(米国ではKnopf)
ISBN-10: 0701189053
発売日: 2014/7/3
適正年齡:PG 15(高校生以上。性的なシーン/残酷なシーンあり)
難易度:上級レベル(時間と視点が飛ぶので、流れを把握しにくいかもしれない)
ジャンル:文芸小説/歴史小説(太平洋戦争)
キーワード:太平洋戦争、東南アジア戦線、日本軍戦争捕虜収容所、泰緬連接鉄道(Thai-Burma Railway)、死の鉄道(Death Railway)、小林一茶、芭蕉、『奥の細道』、『戦場にかける橋』、悲恋
賞:2014年ブッカー賞候補作

邦訳版が2018年になってようやく出ました。

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平和を維持するためにも、第二次世界大戦での日本を、別の視点から観るのは重要であるー『Unbroken』

著者:Laura Hillenbrand

ペーパーバック: 500ページ

出版社: Fourth Estate

ISBN-10: 0007378033

発売日: 2010/11

難易度:上級

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ヤングアダルト版

ハードカバー: 320ページ

出版社: Delacorte Press

ISBN-10: 0385742517

発売日: 2014/11/11

難易度:中級〜上級

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ジャンル:ノンフィクション(第二次世界大戦)

キーワード:サバイバル、捕虜

1920年代米国カリフォルニア州でイタリア移民の次男として育ったLouie Zamperiniは、近所で評判の悪ガキだった。両親や学校も諦めかけていたが、陸上競技に長けた兄の指導で中距離専門の走者として才能を発揮するようになる。1936年のベルリン・オリンピックに5000m走の選手として出場し、1940年のオリンピックで金メダルを狙ってトレーニングしていたが、第二次世界大戦の勃発でオリンピックが中止されてしまう。

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倫理のグレーゾーンを語り続けるJodi Picoultが今回挑んだのは、ホロコーストのテーマ『The Storyteller』

著者:Jodi Picoult

ペーパーバック: 480ページ

出版社: Atria/Emily Bestler Books

ISBN-10: 1439102775

発売日: 2013/2/26(オリジナル)、ペーパーバック版は2013/11/05発売

適正年齢:PG15+(性的なシーンや暴力シーンはあるが、高校生にも読んでもらいたいテーマ)

難易度:中級レベル(ときおり難解な表現は出てくるだろうが、入り込みやすく、理解しやすい文章)

ジャンル:現代小説(現代のアメリカ東海岸)/歴史小説(第二次世界大戦前後のポーランドとドイツ)

キーワード:ホロコースト、贖罪、善と悪、倫理

2013年これを読まずして年は越せないで賞候補作(渡辺推薦)


 

25歳のSage Singerは、自分が引き起こした自動車事故で母を失い、顔と心に消えることのない傷跡を残している。元修道女が経営するパン屋でのパン職人の仕事は、夜中にひとりでやるものであり、代々パン職人で孤独を好むSageにはピッタリの仕事だった。既婚者の恋人Adamとの理想的とはいえない関係も、心身の傷が影響しているのだった。

友達と呼べる存在がまったくなかったSageが初めてそれらしい心の繋がりを持ったのは、元数学教師の95歳の老人Josef Weberだった。参加者が自分の悲嘆を打ち明けあうグリーフカウンセリングでのことだったが、なぜかJosefは他人の話を聞くだけで、自分がその会に加わっている理由を具体的に語らないのであった。

だが、この静かな老人がSageに求めたのは、友情以上のものだった。

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『モンテ・クリスト伯』のモデルになった大デュマの父親の実像に迫る 『The Black Count』

著者:Tom Reiss
ペーパーバック: 432ページ
出版社: Broadway Books; Reprint版
ISBN-10: 0307382478
発売日: 2012/9/18
適正年齢:PG12(中学生以上)
難易度:上級レベル(しかし、ストレートな英語なので、日本人にはかえって読みやすいだろう)
ジャンル:伝記/ノンフィクション
キーワード:歴史(ナポレオン戦争時代)、アレクサンドル・デュマ、モンテ・クリスト伯
2013年ピューリッツアー賞受賞作、2013年「これを読まずして年は越せないで賞」候補

『モンテ・クリスト伯』と『三銃士』の作者アレクサンドル・デュマ(大デュマ)とその息子で『椿姫』の作者アレクサンドル・デュマ(小デュマ)は、日本人に馴染み深いフランスの作家である。だが、大デュマの父親のトマ=アレクサンドル・デュマ(Thomas-Alexandre Dumas)将軍について知る人はあまりいない。

デュマ将軍は白人の貴族と黒人の奴隷の間に生まれた混血児で、彼もアレクサンドル・デュマ(Alexandre
Dumas)と呼ばれていた。父親のAlexandre Antoine Davy de la
PailleterieはMarquess(侯爵)の放蕩息子で、母国を離れて現在のハイチであるSaint-Domingueに渡り、金儲けを試みたのだ。

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