疲れたときには、笑えるドタバタロマンス小説をどうぞ!

疲れを取るための「娯楽」として、ミステリ(とくにコージー・ミステリ)を選ぶ人、ホラーを選ぶ人、ファンタジーを選ぶ人……などいろいろいます。6前にも書いたことなのですが、ロマンス小説作家だけでなくファンのプロファイルもなかなか素敵です。「1日中バリバリ仕事をした後に難しい本は読みたくない」とおっしゃった専門職の方がいましたが、その感覚はわかります。そもそも読書は楽しむべきものですからね!

ロマンスのジャンルの中で私が好きなのはジェイン・オースティンが開発してくれた「リージェンシー(イギリス摂政時代)・ロマンス」を代表とするヒストリカルロマンスです。オースティンの作品は全部好きですが、軽く楽しむとしたらEmmaです。オースティンのヒロインの中では最も欠陥だらけのEmmaと、彼女のおせっかいが引き起こす問題、その解決を助けるヒーロー……と深刻にならずに楽しめるロマンスです。

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あまり知られていないノルディック諸国を英国人作家がユーモアたっぷりに紹介 The Almost Nearly Perfect People

著者:Michael Booth
ペーパーバック: 416ページ
出版社: Vintage (2015/2/12)
ISBN-10: 0099546078
発売日: 2015/2/12 (英国では2014/2)
適正年齢:PG15(大人でないとニュアンスはわからないとは思うけど)
難易度:中級+(学校英語だけの人には、小説より読みやすいと思う。ただし、ニュアンスの理解は難しいと思う)
ジャンル:ノンフィクション/エッセイ(ユーモア)
キーワード:北欧、歴史、文化、文化人類学、Scandinavia, Denmark, Norway, Sweden, Finland, Iceland

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トンデモ質問に大真面目に答えた(まったく実用性がない)科学本 What If?

著者:Randall Munroe
ハードカバー: 320ページ
出版社: Houghton Mifflin Harcourt
ISBN-10: 0544272994
発売日: 2014/9/2
適正年齡:PG(何歳でも読めることができればOK)
難易度:中級(日本で英語を学んだ人には一番読みやすいタイプの文章)
ジャンル:ノンフィクション(科学)/ユーモア/漫画(イラスト)
キーワード:Hypothetical Questions

私は、小型の飛行機に乗る時に反対側に体格が大きなアメリカ人が座ると、「あっちに傾いてバランスがとれなくて危ないんじゃないか。誰か重そうな人を私の前に乗せてくれ」と不安になる。バスや船で窓の外にある何かを見るために乗客がひとつのサイドに押し寄せると、外を見るよりも「バランスを取るために反対側に行かなくては」と焦ってしまう。

そういった不安には根拠があるけれども、それを延長させていった「地球上の人類が一箇所に集まったらどうなるんだろう? 地球の回転速度が変わっちゃうんじゃないかな? 」というのはありえない疑問である。
けれども、考え始めたら気になるものである。

そのありえない仮説の「もしこうなったら、どうなるだろう?」という質問に、大真面目に科学的に答えるのがこの本「What If」である。

(実際に、地球上の人類がいっせいにジャンプして着地したらどうなるのか?」という質問もあった。)

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少年の成長の葛藤を、軽く、そして重く描く話題の学園小説 Winger

著者:Andrew Smith
ペーパーバック: 464ページ
出版社: S&S Books for Young Readers
ISBN-10: 1442444932
発売日: 2014/5
適正年齡:PG12(中学生以上、男子高校生らしい下品なジョークや性的な話題あり)
難易度:中級〜やや上級(シンプルな文章だが、日本の教科書には出てこない日常的な単語や表現が多い)
ジャンル:青春小説(学園もの) / Green-Lit
キーワード:寄宿生私立高校(boarding School)、ラグビー、虐め、初恋、友情、差別、偏見

Ryan Dean West(苗字がWest、Ryan Deanの両方でひとつの下の名前という珍しいタイプ。Deanはミドルネームではない)は、たった14歳だが、Pine MountainというボーディングスクールのJunior(4年制高校の3年生)である。勉強ができるので2年飛び級し、12歳で高校を始めたのだ。

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猫好きなら絶対に楽しめる詩集『I Could Pee on This』

著者:Francesco Marciuliano

ハードカバー: 112ページ

出版社: Chronicle Books

ISBN-10: 1452110581

発売日: 2012/8/15

適正年齢:PG10(小さい子どもすぎると分からないシチュエーションがあるから)

難易度:初心者から読めるが、ニュアンスが掴めない場合もあるだろう。

ジャンル:詩、ユーモア

キーワード:猫、犬、動物と飼い主の間の愛情

 

猫に関する新刊ノンフィクションを購入するつもりで、偶然みつけたこちらの虜になってしまった。2012年の発売なので既にご存知の方はいるだろうが、私のように見過ごしていた人もいると思うのでご紹介する。

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タフな爺さんが主人公のハードボイルド・ミステリ『Don’t Ever Get Old』

著者:Daniel Friedman

ハードカバー: 294ページ

出版社: Minotaur Books

ISBN-10: 0312606931

発売日: 2012/5/22

適正年齢:PG15(高校生以上)、性的な話題はあるがシーンはない。過剰ではないが、バイオレンスあり。

難易度:上級レベル(文法はシンプルで入り込みやすいが、ユーモアのセンスを理解するためには、歴史や文化の知識と英語の本を読み慣れている必要がある)

ジャンル:ミステリ(犯罪小説)、ユーモア風刺小説

キーワード:ハードボイルド、ナチスドイツ、ユダヤ人文化、高齢者問題、インターネット

2013年エドガー賞(MWA賞)処女長編部門候補作


 

Buck Schatz(バック・シャッツ)は、かつてメンフィス市殺人課の有名な暴れん坊警官だったが、87歳になって体力も記憶力も衰えた今では、家で(保守的なテレビチャンネルとして知られる)Foxニュースを観るだけの退屈な生活を送っている。

第二次世界大戦を一緒に戦った友人のJim Wallaceから死の床に呼び出されても、人嫌いのBuckはテレビ番組を見逃したくないから無視するつもりでいた。けれども、長年連れ添った妻に促されてしぶしぶ会いにゆく。死を目前にして罪の赦免を求めるJimが告白したのは、収容所でBuckを殺しかけたナチス親衛隊将校のZieglerから戦後に金塊の賄賂を受け取って逃したというとんでもない事実だった。

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笑えるテストの迷回答集 F in Exams

Richard Benson

ペーパーバック: 128ページ

出版社: Chronicle Books

ISBN-10: 0811878317

ISBN-13: 978-0811878319

発売日: 2012/1/1

ユーモア

 

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勉強してないときにテストを受けると、問題そのものがチンプンカンプンです。

それでも白紙のまま残すのは申し訳ない。何か書けば、偶然点が稼げるかもしれない…というわけで、生徒はいろいろと知恵をしぼって答えを書きます。

そういう「迷回答」というか「珍回答」を集めたのが、この「F in Exams」です。ときおりFacebookなどで回ってくるのですが、その多くはこの本から出て来たもののようです。

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シニア向けの心温まるロマンチックコメディ- I Still Dream About You

Fannie Flagg
ハードカバー: 336ページ
Random House
2010/11/9
フィクション/人間ドラマ

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かつて「ミス・アラバマ」 だったMaggie Fortenberryは、60歳のいま、南部アラバマ州バーミンガム市で不動産エージェントをしている。

恋人のCharlesに求婚されたのに、モデルになりたくてニューヨーク市に引っ越したけれど上手く行かず、失望の結果故郷に戻って来たのだ。南部で重視されている「Nice」であることを心がけすぎるMaggieは、他人には見せない部分でずっと自分の人生に絶望しており、自殺を計画していた。

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犬らしい犬が主人公のミステリーDog On Itの第二作 Thereby Hangs A Tail

Spencer Quinn
309ページ(ハードカバー)
Atria
2010年1月5日発売
ミステリー/犬

警察犬としてトレーニングされたが、猫に関わるある事件で警察犬になれなかった雑種犬のChetは、退役軍人で私立探偵のBernie Littleに引き取られている。飼い主のBernieと彼の犯罪解決能力に誇りを覚えているChetだが、依頼されるのはBernieの苦手な離婚ケースばかりだ。

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元ボストン・ポップスの変わり者演奏家が書いた「応用馬鹿学の法則」Principles of Applied Stupidity

Justin Locke
204 pages(ソフトカバー)
Justin Locke Productions
2008年初版、2010年第三版
ユーモア/エッセイ/セルフヘルプ

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購入は直接Lockeのサイトからどうぞ

 

今日ランチを一緒にした元ボストンポップスのコントラバス奏者Justin Lockeがこの「 Principles of Applied Stupidity 」の著者です。

Principles of Applied Stupidity(応用馬鹿学の法則)は、簡単に説明すると、「成功し、幸福になるためには、賢くなくてはならない」という私たちの思い込みを覆すユーモア本です。
「なるほどそのとおり!」と思わせる名法則は沢山あるのですが、その中で私がにやりと笑ったのは無知であることの強みについての部分です。あるビデオ・プロデューサーはフィルムプロダクションの学校に行ったことがなく、自分がいかに無知かを知らないstupidさでした。無知を自覚していたら「自分のレベルでは受けるべきではない」と尻込みした大きな仕事を彼は引き受け、その無知さと無能さにあきれた周囲の人が助けたおかげで成功しました。これは極端な例ですが、似たようなことはあちこちで実際に起こっています。もちろん、元々賢い人は努力しても「生まれつきのお馬鹿さん」になることは不可能です。そこで、Justinが生み出したのが、賢い人がお馬鹿さんから人生の知恵を学ぶという「Applied Stupidity(応用馬鹿学)」です。

Justinの本と私の出会いは偶然だと思っていたのですが、実はこれが”応用馬鹿学”の実践例だったようなのです。

私はレビュー用の献本を時折いただきますが、数では夫のDavid Meerman Scottの足下にも及びません。特に多いのは推薦文やブログでのレビューを求めるビジネス本作家からの献本で、ほぼ毎日届きます。知人のものであればともかく、何の予告もなく送られてくる多くの本に多忙な彼が目を通す暇はありませんし、暇ができたとしても読みたいのは自分の専門分野の本ではありません。ですからたいていの本は「積ん読(つんどく)山」に加わることになってしまいます。

積ん読山の整理をし、面白そうな本を選んで夫に渡すのが私の役割なのですが、正直言って多くのマーケット本はタイトルを読んだだけで眠くなってしまいます。その積ん読山の整理中に目を惹いたのがJustin LockeのReal Men Don’t RehearsePrinciples of Applied Stupidityでした。’Marketing 101’とか‘Who Moved My Job?’といったタイトル(実際のタイトルではなく、たとえです)の大手出版社によるハードカバーの海原で、「なんじゃこれ?」と首をかしげるようなタイトルの自費出版本は異常に目立ったのです。
Real Men Don’t Rehearseのページをぱらぱらとめくっていた私は、整理整頓中だということを忘れて抱腹絶倒。Justinのときに「しょうもない」感じのユーモアがこれほど可笑しく感じるのは、たぶん彼と私のユーモアのセンスが似てるからでしょう。(この本に関する詳しい内容は私のレビューをどうぞ)すっかり楽しませていただきました。私の推薦でこの本を読んだ夫もJustinのユーモアのセンスが気に入ったようで(その他の偶然もいくつか重なり)、自費出版のPrinciples of Applied Stupidityの改訂版に合わせて推薦文を書いたようです。土日も働く多忙な彼が、自分から「推薦文を書いてあげよう」と提案するのはほんとうに珍しいことです。私の夫に献本を送る多くの作家たちは、彼の専門分野を知っているので専門に近いマーケティングやPRの本を送って来ますが、Justinは「応用馬鹿学の法則」に従って常識はずれのユーモア本を送りつけたわけです。
生まれつきの馬鹿ではなくちゃんとわかってやっているところが「応用馬鹿学」。この本を読んで、私はJustinの知恵に「さっすが〜」と感心したわけです。

傑作中の傑作というわけではありませんが、発想の面白さに軽く笑いながら同感する類いの本です。特に次の2つの法則に頷く人はけっこう多いのではないでしょうか。

 

Stupidity and ignorance are infinite(愚かさと無知は無限である)
  どんなに知識がある人でもその知識には限界がある。けれども、無知には限界がない。限界がないというのは何でも起こりえるということであり、ここにこそ今の自分が知らないすごい可能性が潜んでいる

Accepting yourself as being stupid frees you from all sorts of pressures(自分が馬鹿だということを受け入れることで、もろもろのプレッシャーから解き放たれる)
 人は他人に馬鹿だと思われたくないから、自分の行動を制約する。けれども、いったん「他人に馬鹿だと思われてもかまわない」と開き直れば、実に多くの可能性を開くことができるのである。

●読みやすさ ★★★★

気が向いた時、ちょっと時間ができた時に軽く手に取ってちょっと読むことができる本です。英語に慣れていない人にもわかりやすいシンプルな文章です。

これは、Justinがテレビ番組に出演したときのビデオです。