Category: スペキュラティブ・フィクション

The Fifth Seasonの続編 The Obelisk Gate

著者:N.K. ­Jemisin ペーパーバック: 448ページ 出版社: Orbit ISBN-10: 0316229261 発売日: 2016/8/16 適正年齢:PG15 難易度:超上級(読みにくい) ジャンル:スペキュラティブ・フィクション/ファンタジー キーワード:地球の破滅、人類の滅亡、Orogene(オロジェン)、ヒューゴー賞

2016年ヒューゴー賞受賞作 The Fifth Season

著者:N.K.Jemisin ペーパーバック: 512ページ 出版社: Orbit ISBN-10: 0316229296 発売日: 2015/8/4 適正年齢:PG15(性、バイオレンスあり) 難易度:上級+(英語そのものは難解ではないが、非常に入り込みにくい。ストーリーを把握するのに時間がかかる) ジャンル:スペキュラティブ・フィクション/ファンタジー キーワード:地球の破滅、人類の滅亡、Orogene(オロジェン) 文芸賞:2016年ヒューゴー賞受賞作

クラウド・アトラスに続くミッチェル作品 The Bone Clocks

作者:David Mitchell ペーパーバック: 656ページ 出版社: Random House Trade Paperbacks ISBN-10: 0812976827 発売日: 2014/9 適正年齢:PG15(高校生以上) 難易度:超上級…

混沌とした展開がリアリスティックな世紀末小説『MaddAddam』三部作ついに完結

私にとってマーガレット・アトウッドは、本当に複雑な作家です。 登場人物には感情移入させてもらえないし、読後に「どよよ〜ん」とすることが分かっている。それなのに、なぜか新しい本が出るたびに手に取ってしまい、「これから、悪いことが起きるぞ〜。どんどん悪くなるぞ〜」と思いつつも途中でやめられず、最後まで読んでしまう。そして、ふたたび何日も「どよよ〜ん」としてしまうのであります。 その究極の作品が、10年かけて完結した三部作の『MaddAddam Trilogy』かもしれません。 混沌としたこの三部作を説明するのはとても面倒なのですが、アトウッドがノーベル文学賞を受賞することを期待している私としては、この大作を無視するわけにはゆきません。ちょっと努力してみることにしました。 慣れていない人には理解しにくいと思いますので、少々ネタバレいたします。  

マーガレット・アトウッドが国際的な作家としての地位を確立した代表作ーThe Handmaid’s Tale

Margaret Atwood 320ページ(ペーパーバック) Anchor 1985年初版 文芸作品/SF(アトウッド本人はScience FictionではなくSpeculative Fictionと呼んでいる) 1987年アーサーC.クラーク賞受賞作、1985年カナダ総督賞受賞作、1986年ブッカー賞最終候補 私が差し上げたいノーベル文学賞残念賞その2 男性優位主義、神権主義、懐古主義、人種差別者の武力グループが大統領と議会全員を同時殺害するクーデターを起こし、かつてのアメリカ合衆国は、Republic of Gileadという神権国家となる。 Gileadでは女性は劣った性とみなされ、人権はおろか、文字を読み書きすることも禁じられる。女性はカテゴリーによって色わけされている。女性にとって最も高い地位は軍隊の司令官の妻で青いドレス、上流階級の娘たちは次に高い地位で白いドレスを着ている。身体の線がまったく見えない赤いドレスに視界を覆う帽子をかぶらされているのはHandmaidと呼ばれる「出産」が専業の若い女性たちである。 環境汚染などの理由で出産率が激減しているGileadでは、子を持つことは司令官夫婦だけの特権である。子宝に恵まれない夫婦が多いのだが、男性優位主義で懐古主義のGileadでは、それは自動的に妻が原因とみなされる。そこで、これまでに子供を産んだことのある女性が種々の理由で逮捕され、司令官夫婦にHandmaidとして支給される。…