Category: SF
近未来軍事テクノスリラーe-book無料購読-Weapons of Choice
近未来軍事テクノスリラーという風変わりなジャンルのThe Axis of Time Trilogy(三部作)の第一巻、Weapons of Choiceです。今年2月に作者John Birminghamの新作が発売されたのでそのキャンペーンとして出版社と作者が過去の作品を無料提供しています。 (あらすじ)時は近未来の2021年。国連のある戦闘グループはインドネシアでの民族浄化を止める指令を受けるが、ある実験の失敗でグループの戦闘員たちは第二次大戦中の1942年の米軍艦隊の中に飛んでしまう。米軍とともに日本の戦艦との闘いに巻き込まれるが、人種が混じり、女性もいる未来から来た戦闘グループは、白人男性優位の1942当時の米軍の軍人たちとぶつかる。 オンラインで読みたくない方は、コンピューターにPDFファイルをダウンロードしてお読みください。 14772050-Weapons-of-Choice-by-John-Birmingham-full-book.pdfをダウンロード Weapons of Choice by…
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SF作家からアイディアを得る米国の防衛機関
常日頃から堅苦しい機関でも柔軟な発想を重んじるところがアメリカという国のユニークさだと思っていましたが、the Washington Postのこの記事を読んでさらにその印象を強くしました。 2009年国土安全保障科学技術ステークホールダー会議(2009 Homeland Security Science & Technology Stakeholders Conference)にSF作家たちを招き、防衛の斬新なアイディアをブレインストームしているというのです。ですが、これは目新しいことではなく、Sigmaと呼ばれるグループがリクルートした40人ほどのSF作家たちは、以前から空軍などの軍隊やNATOなどの機関に対してこのようなサービスを提供しているとのことです。日本だと、「ふざけたことに税金を使うな!」という声が聞こえてきそうですが、作家たちはみなボランティアです。これらの機関が作家に支払うのは交通費だけ。私の夫も、ソーシャルネットワークとマーケティングの専門家として米国空軍にコンサルティングや講演のボランティアをしていて、昨日もそのボランティア出張から戻ったところ。出してもらうのは交通費だけです。自分のできる形で祖国のためにボランティアをするのはオバマ大統領が広めようとしているボランティア精神のひとつです。 Sigmaに属するのは科学分野を専攻した者だけですが、そういうSF作家が多いのもアメリカの特長です。Sigmaの創始者は米海軍のエンジニアでSF作家のArlan Andrews。また、今回の出席者のひとりCatherine Asaroは、ハーバード大学で物理学の博士号を取得し研究機関にも勤めた科学者です。私は読んだことがないのですが、代表作は邦訳もされているThe Saga…
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「一番好きなSF・ファンタジーは?」
これまで2週間にわたって特集したmuse & marketplaceもそろそろ終了。今日は雑談です。 この会の参加者は:1)作家志望者、2)ボランティア講師/パネリストの作家、3)文芸エージェント、4)出版社の編集者、5)オーガナイザー(ほとんどが作家)です。主催のGrub Streetに文芸小説重視の雰囲気があるもので、志望者にも1)-A:「元夢見る少女の文芸オバサン」と1)-B「純粋にアートを目指す、シリアスな文学青年/中年男性」が多いようです。朝食の会場には12人ほどが座れる円テーブルが30ほどあり、複数の人が座っているテーブルはたいてい2),3),4)という顔見知りのグループです。もし1)であれば一緒に講座を受けている仲間でしょう。隅のテーブルに陣取り、そこから人々の様子を観察するのが私の趣味です。3)と4)のエージェントと編集者は、なるべく作家志望者から話しかけられないように固まり、背中に「近寄るな!」という雰囲気を貼り付けています。2)と5)は、いろんな人の間を行き来して、一番忙しいグループです。そしてマナーを躾けられて育っている1)-Aタイプの志望者は見知らぬ他人と目が合うとにっこり笑い、「今日はどんな講座を受けるの?」と話しかけますが、Bタイプは、「僕と君とはシリアス度が違うんだ。話しかけないでくれ~」という雰囲気を周囲に放っています。面倒な奴が自分のテーブルに来ないようにガードするのもこのタイプです。 第2日目に(空っぽのテーブルが25個ほどあるのに)私のテーブルに加わった若い女性1人と40代前半と見られる男性1人は、なぜかAでもBでもなくここには珍しい「SF/ファンタジー作家志望者(既にネットで公開しています)」でした。 ShiraとBrianとは、即座に「一番好きなSF・ファンタジー」の話題で盛り上がりました。私に年齢が近いBrian(といっても私より若い)がまず挙げたのがRay Bradbury とIsaac Asimov。「おおお...」と私は思わず身を乗り出しました。「僕はFoundationを読んで育った」 http://rcm.amazon.com/e/cm?t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&asins=0553382578&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&fc1=000000&IS1=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0553293354&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4150105553&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 実は私と姉もそうなのです。ファウンデーション(銀河帝国の興亡)シリーズだけでなく、翻訳されているアシモフとブラッドベリは子供のころ全部読んでるはずです。「それからDouglas Adams」「The…
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いったん読み始めたらやめられない世紀末後の殺しのゲーム-The Hunger Games
Susanne Collins 2008年9月 SF/ファンタジー/スリラー/アクション/ヤングアダルト
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児童書界の重鎮-Lois Lowry
muse & marketplace特集第7回は、Battle of the (Kids’) Booksの決勝戦の審判、Lois Lowryです。(二つの特集が重なるなんて素敵な偶然だと思いません?)Lois Lowryは、ヤングアダルト向け児童書としてより優れたSFとみなされているThe Giverの作者で、これまで数え切れないほど多くの作品を書いています。また、彼女はmuseのボランティア講師の常連でもあり、作家志望者に児童書のコツを指導しています。 今日は多くのLowryの作品の中から2つの異なる未来を描いたSFをご紹介します。 1.The Giver 理想郷の近未来では、すべてが同じであり平等である。色の差もなく、土地や天候にもバラエティはなく、人々の感情にも起伏はない。”Council of…
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普通の少女ベラとバンパイアの少年エドワードのロマンスに全米の少女が憧れた「Twilight」シリーズの作者Stephenie Meyerによる初めてのSF – The Host
Stephenie Meyer 2008年6月初刊 ジャンル:SF/スリラー/パラノーマル/ロマンス
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Sphere
作者:Michael Crichton 1987年刊 ジャンル:SF/心理サスペンス・スリラー http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0345353145&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS2=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 南太平洋の海底で300年から1000年前に地球に衝突したとみられる宇宙船が発見された。合衆国政府は、この宇宙船を調査するために数名の科学者を極秘に集める。海軍中佐、宇宙物理学者、女性動物学者、数学・論理学者、そして主人公の心理学者Norman Johnsonの五人は深海にもぐり、球形(sphere)の宇宙船を調査することになる。外界から切り離された深海で彼らが発見したのはUFOではなく、説明不可能な事実だった。人工の居住地で孤立した科学者たちに次々と恐ろしい出来事が起こり、心理的に追い詰められた彼らは互いを疑うようになる。どうやらすべての異常な現象はSphereが原因のようだ。この球形の物質はいったい何なのか?はたして彼らは生還することができるのか? ●読みやすさ ★★☆☆☆ マイケル・クライトンの文体は簡潔で会話も多く、読者を引き込むのが上手な書き手として有名です。ただし、専門用語や省略語なども頻繁に出てきますから、そこを「読みにくい」と感じる方がいるかもしれません。完璧に理解できなくても物語の展開を追うことはできますから、いちいち単語を調べずに先に進むことをお勧めします。 また、登場人物の紹介と状況の説明に費やされる最初の部分は退屈に感じるかもしれませんが、いったん奇妙な出来事が起きはじめると、途中でやめることができなくなります。最初のうちは軽く読み飛ばしましょう。 ●ここが魅力! なんといっても、説明不可能で不気味な出来事が次々に起こるハラハラどきどきの展開はクライトンならでは。人間の精神に関連した超常現象を扱っていても科学的に説得力があるのは作者が医師の資格を持つ科学者だからでしょう。 超常現象の謎だけでなく、登場人物の心理ドラマも加速度的に高まってきます。徹夜してでも読み終えたくなる、読み終えてもすぐには眠れない、そこがこの本の魅力です。 映画化もされていますが、(あまりできの良い作品ではないようなので)そちらは観ないことをお勧めします。 ●アダルト度…