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ある中流階級の家族を通じて自由の国アメリカ合衆国の現代を描いた大作 Freedom

<p><strong>Jonathan Franzen<br &sol;>&NewLine;576ページ(ハードカバー)<br &sol;>&NewLine;Farrar Straus &amp&semi; Giroux<br &sol;>&NewLine;2010&sol;8&sol;31刊行<&sol;strong><&sol;p>&NewLine;<p><a href&equals;"https&colon;&sol;&sol;www&period;amazon&period;com&sol;Freedom-Novel-Oprahs-Book-Club-ebook&sol;dp&sol;B003R0LBVW&sol;ref&equals;as&lowbar;li&lowbar;ss&lowbar;il&quest;crid&equals;2Q2OM1CQO6EOD&amp&semi;dchild&equals;1&amp&semi;keywords&equals;freedom&plus;jonathan&plus;franzen&amp&semi;qid&equals;1592230450&amp&semi;sprefix&equals;freedom&plus;jo&comma;aps&comma;172&amp&semi;sr&equals;8-1&amp&semi;linkCode&equals;li1&amp&semi;tag&equals;youfanclu-20&amp&semi;linkId&equals;0e726a233a92c0323afb510d0542a8bf&amp&semi;language&equals;en&lowbar;US" target&equals;"&lowbar;blank" rel&equals;"noopener"><img src&equals;"&sol;&sol;ws-na&period;amazon-adsystem&period;com&sol;widgets&sol;q&quest;&lowbar;encoding&equals;UTF8&amp&semi;ASIN&equals;B003R0LBVW&amp&semi;Format&equals;&lowbar;SL110&lowbar;&amp&semi;ID&equals;AsinImage&amp&semi;MarketPlace&equals;US&amp&semi;ServiceVersion&equals;20070822&amp&semi;WS&equals;1&amp&semi;tag&equals;youfanclu-20&amp&semi;language&equals;en&lowbar;US" border&equals;"0" &sol;><&sol;a><img style&equals;"border&colon;none &excl;important&semi;margin&colon;0&excl;important&semi;" src&equals;"https&colon;&sol;&sol;ir-na&period;amazon-adsystem&period;com&sol;e&sol;ir&quest;t&equals;youfanclu-20&amp&semi;language&equals;en&lowbar;US&amp&semi;l&equals;li1&amp&semi;o&equals;1&amp&semi;a&equals;B003R0LBVW" alt&equals;"" width&equals;"1" height&equals;"1" border&equals;"0" &sol;><a href&equals;"https&colon;&sol;&sol;www&period;amazon&period;co&period;jp&sol;Freedom-English-Jonathan-Franzen-ebook&sol;dp&sol;B0044DE906&sol;ref&equals;as&lowbar;li&lowbar;ss&lowbar;il&quest;dchild&equals;1&amp&semi;qid&equals;1592230557&amp&semi;refinements&equals;p&lowbar;27&colon;Jonathan&plus;Franzen&amp&semi;s&equals;digital-text&amp&semi;sr&equals;1-3&amp&semi;text&equals;Jonathan&plus;Franzen&amp&semi;linkCode&equals;li1&amp&semi;tag&equals;yukariscott-22&amp&semi;linkId&equals;2f7ace1f832d9b36c13db78fa8c7574e&amp&semi;language&equals;ja&lowbar;JP" target&equals;"&lowbar;blank" rel&equals;"noopener"><img src&equals;"&sol;&sol;ws-fe&period;amazon-adsystem&period;com&sol;widgets&sol;q&quest;&lowbar;encoding&equals;UTF8&amp&semi;ASIN&equals;B0044DE906&amp&semi;Format&equals;&lowbar;SL110&lowbar;&amp&semi;ID&equals;AsinImage&amp&semi;MarketPlace&equals;JP&amp&semi;ServiceVersion&equals;20070822&amp&semi;WS&equals;1&amp&semi;tag&equals;yukariscott-22&amp&semi;language&equals;ja&lowbar;JP" border&equals;"0" &sol;><&sol;a><img style&equals;"border&colon;none &excl;important&semi;margin&colon;0&excl;important&semi;" src&equals;"https&colon;&sol;&sol;ir-jp&period;amazon-adsystem&period;com&sol;e&sol;ir&quest;t&equals;yukariscott-22&amp&semi;language&equals;ja&lowbar;JP&amp&semi;l&equals;li1&amp&semi;o&equals;9&amp&semi;a&equals;B0044DE906" alt&equals;"" width&equals;"1" height&equals;"1" border&equals;"0" &sol;><&sol;p>&NewLine;<p><span style&equals;"color&colon;&num;0000bf&semi;">●筋書きをあまり知りたくない方への短いバージョン<&sol;span><&sol;p>&NewLine;<p>Patty&comma; Walter&comma; Richardの3人は、大学時代に知り合う。バスケットボールの花形選手で競争心が強いのに自己評価が低いPatty、Pattyに惚れ込む善良なWalter、Walterの善良さを愛する親友のくせに彼が好きになった女の子に手を出しては捨てるロックミュージシャンのRichard。愛情と競争心で繋がる3人の複雑な関係は、PattyとWalterが結婚した後もくすぶり続けている。<&sol;p>&NewLine;<p><&excl;--more--><br &sol;>&NewLine;人生の半ばでそれぞれが問題を抱え、怒りや鬱を感じているときに、この関係のバランスが崩れ、互いを深く傷つける出来事に発展する。<&sol;p>&NewLine;<p>ある中流家族をめぐる親子関係、愛情の三角関係、家族崩壊、 贖罪、というテーマは、よくある商業作品と変わらない。しかし、フランゼンの作品が一線を画すのは、ありきたりなテーマを扱いつつも、現代アメリカを見事に描いているところである。 Walter、Patty、Richardの人生を通して、現代アメリカ合衆国の社会経済的構造、政治的対立、米国的民主主義の矛盾を描くこの作品は、文中でPattyが読むトルストイの「戦争と平和」の現代米国版という見方もできる。<&sol;p>&NewLine;<p><span style&equals;"color&colon;&num;0000bf&semi;">●ある程度知ってから読みたい方への長めバージョン<&sol;span><&sol;p>&NewLine;<p>ミネソタ州の郊外に住んでいたころのWalterとPattyは、隣人たちから見るとどこにでもいるような若いカップルだった。Walterは環境保護に熱意を抱く穏やかな性格で、妻のPattyの言いなりになっている。Pattyは、家事もできるし、他人の悪口は言わないし、近所の子供たちの世話まで買って出る完璧な専業主婦だ。Pattyに欠陥があるとすれば、息子のJoeyを夫のWalterより溺愛していることぐらいだった。<&sol;p>&NewLine;<p>しかし、子供たちが思春期にさしかかったころから、WalterとPattyの世界が崩壊しはじめる。Joeyは自己中心的で傲慢な若者に育ち、Pattyが最も忌み嫌う隣人の娘と性的関係を持ち、家を出てそこに居候するようになる。娘のJessicaは、弟ばかりを溺愛する母親とは既に距離を持っている。<br &sol;>&NewLine;大学でバスケットボールの花形選手だったPattyは、根本的には競争心が強いのだが、それを抑えこんで、自分の母親とは反対の専業主婦を選んだ。だが、得意だった子育てを終え、Joeyに裏切られて、長い鬱に陥る。<&sol;p>&NewLine;<p>徹底的に環境保護派のWalterは、ワシントンDCに移り、野鳥保護のトラスト運営の大義名分のもとに、ブッシュ大統領やチェイニー副大統領に近い人物の炭坑ビジネスでウエストバージニアの山頂を破壊する事業に関わることになる。そしてJoeyは、共和党の思想を支持し、手っ取り早い金儲けのためにイラク復興の堕落した再建事業に関わる。愚かな人類への怒りと罪悪感、家族のトラブルのためにWalterは心理的な破綻をきたす。<&sol;p>&NewLine;<p>大学時代、Pattyが恋心を抱いていたのはWalterのルームメイトで親友のRichardだった。お互いに惹かれるものがあったものの、どちらもWalterの善良さを愛するために諦めたのだった。真面目で善良なWalterと女性関係にだらしないロックミュージシャンのRichardは、正反対のタイプだが、兄弟より強い愛情と競争心で結ばれている。愛憎混じる複雑な三角関係が、人生の半ばにさしかかったところで、互いを深く傷つける出来事に発展する。<&sol;p>&NewLine;<p>最初は第三者の視点で登場人物が紹介され、その後、Pattyの自伝(カウンセラーの薦めで治療の一部として書いたもの)、Richardの視点、Walterの視点と移り変わる。視点が変わることによる微妙な変化が、彼らをさらにリアルにしている。<&sol;p>&NewLine;<p>Walter、Patty、Richardの波乱に満ちた人生を通して、現代アメリカ合衆国の社会経済的構造、政治的対立、民主主義の脆弱さを描く大作である。<&sol;p>&NewLine;<p><span style&equals;"color&colon;&num;0000bf&semi;">●感想<&sol;span><&sol;p>&NewLine;<p><a href&equals;"http&colon;&sol;&sol;watanabeyukari&period;weblogs&period;jp&sol;yousho&sol;2010&sol;09&sol;feedom-by-franzen-1&period;html" target&equals;"&lowbar;blank" rel&equals;"noopener">先日書きましたように<&sol;a>、私はPretentiousな(もったいぶった、つくりものの)「ブンガク」が好きではありません。<br &sol;>&NewLine;二次情報に基づいた人物描写は、どんなに素晴らしい文章であっても、嘘っぽく感じます。<br &sol;>&NewLine;FranzenのFreedomは、前評判に迷わされないよう、プロの書評をまったく読まずに読みました。また、<a href&equals;"http&colon;&sol;&sol;watanabeyukari&period;weblogs&period;jp&sol;yousho&sol;2010&sol;09&sol;feedom-by-franzen-1&period;html" target&equals;"&lowbar;blank" rel&equals;"noopener">Picoultたち女性作家の批判<&sol;a>も考慮して読みました。<&sol;p>&NewLine;<p>そして読み終えた私の正直な感想は、<strong>「最近読んだ本の中では、最も優れた作品」<&sol;strong>というものです。<&sol;p>&NewLine;<p>どうしてこのような結論に達したのかを、なるべく簡単にご説明しましょう。<&sol;p>&NewLine;<p>1)登場人物全員に真実味がある<&sol;p>&NewLine;<blockquote><p>登場人物それぞれが、リアルに描かれています。前作のThe Correctionsもそうですが、彼が見せつける人間の嫌な部分に非常に説得力があります。今回も、見たくないような嫌な部分を突きつけられるのですが、それでも彼らを徹底的に嫌いにはなれません。<br &sol;>&NewLine;それは、彼らが私たちのように、「良い人間でありたい」と願いつつも過ちを犯し、大切な人々を傷つけてしまう愚かな人間だからです。愚かな人間を突き放しているようで、実は突き放していないのが、今回のFranzenです。<&sol;p><&sol;blockquote>&NewLine;<p>2)心理描写や社会風刺が的を射ている<&sol;p>&NewLine;<blockquote><p>文芸作品を読んでいるときに「そんなこと思うわけないだろ」とか「その社会風刺は、TVニュース見て野次飛ばしているオヤジレベルでっせ」とツッコミを入れたくなることがよくあるのですが、Freedomに限っては、こんなに長い作品なのに1度もありませんでした。<&sol;p>&NewLine;<p>それどころか、女性の登場人物を含め、「なんでこんな微妙なことまで知っているのだろう?」と感心するほどの洞察力です。そして、独自の皮肉なユーモアを含む表現も脱帽ものです。<&sol;p>&NewLine;<p>たとえばこんな部分です。<&sol;p><&sol;blockquote>&NewLine;<blockquote><p>鋭利だが自己中心的で反抗的なJoeyの矛盾した心境を描く部分:<&sol;p>&NewLine;<p><span style&equals;"color&colon;&num;40007f&semi;">&&num;8230&semi;it also touched off something like a panic&period; He’d asked for his freedom&comma; they’d granted it&comma; and he couldn’t go back now&period;<&sol;span><&sol;p><&sol;blockquote>&NewLine;<blockquote><p>妻に裏切られ、自分を崇拝するインド人アシスタントに惹かれながらも、モラルで理性を取り戻してしまうWalterの心情&lpar;p 318&rpar;:<&sol;p>&NewLine;<p><span style&equals;"color&colon;&num;40007f&semi;">To throw away his marriage and follow Lalitha had felt irresistible until the moment he saw himself&comma; in the person of Jessica’s older colleague&comma; as another overconsuming white American male who felt entitled to more an more and more&colon; saw the romantic imperialism of his falling for someone fresh and Asian&comma; having exhausted domestic supplies&period; <&sol;span><&sol;p><&sol;blockquote>&NewLine;<blockquote><p>Walterが米国と欧州の差について語る部分&lpar;p 362&rpar;:<&sol;p>&NewLine;<p><span style&equals;"color&colon;&num;40007f&semi;">&OpenCurlyDoubleQuote;&&num;8230&semi; The reason the free market in Europe is tempered by socialism is that they’re not so hung up on personal liberties there&period; &&num;8230&semi; The Europeans are all-around more rational&comma; basically&period; And the conversation about rights in this country isn’t rational&period; It’s taking place on the level of emotion&comma; and class resentments&comma;”<&sol;span><&sol;p><&sol;blockquote>&NewLine;<p>3)ちっぽけな人間関係やどこにでもあるような恋愛を描きながら、現代アメリカを包括的に描ききっている<&sol;p>&NewLine;<blockquote><p>Picoultたちが、NYT紙の書評欄がchick litを見下している、といった<a href&equals;"http&colon;&sol;&sol;watanabeyukari&period;weblogs&period;jp&sol;yousho&sol;2010&sol;09&sol;feedom-by-franzen-1&period;ht ml" target&equals;"&lowbar;blank" rel&equals;"noopener">批判<&sol;a>をしましたが、Freedomも扱っているテーマは女性作家がよく書く商業的作品とあまり変わりません。ある中流家族をめぐる、親子関係、愛情の三角関係、浮気、 家族崩壊、 贖罪、などですから。けれども、Franzenの作品が一線を画すのは、ありきたりなテーマを扱いつつ、現代アメリカを見事に描いているところです。作品の中でFranzenがトルストイの「戦争と平和」を登場人物に読ませていますが、現代でこの形を試みたのではないかと感じました。<&sol;p><&sol;blockquote>&NewLine;<p>4)希望を与えるエンディング<&sol;p>&NewLine;<blockquote><p>何よりも私が驚いたのは、エンディングです。繰り返される、怒り、鬱、悲劇は、いつものFranzenです。でも、今回のFranzenは、人間の弱さ、愚かさ、失敗などを許し、どんな人間にでも潜んでいる「Goodness(善良さ)」を、あざ笑わずに信じさせてくれます。<br &sol;>&NewLine;不覚にも、私は最後の20ページほど目がうるうるでした。<&sol;p><&sol;blockquote>&NewLine;<p>細かい字で600ページ近い長編ですが、1行として無駄を感じませんでした。<br &sol;>&NewLine;The Correctionsから9年かかったのは、Franzenが完璧主義者だからでしょう。<br &sol;>&NewLine;背景となるすべての社会情勢、登場人物のすべての感情、などが「真実だ」と感じるまで徹底的に書き直したのではないかと思います。<&sol;p>&NewLine;<p>近年で最も読み応えを感じた1冊でした。<&sol;p>&NewLine;<p><span style&equals;"color&colon;&num;0000bf&semi;">●読みやすさ やや難しい<&sol;span><&sol;p>&NewLine;<p>私にとっては、すっと入り込める読みやすい文章でした。<br &sol;>&NewLine;けれども、この本の良さを理解するためには、現代アメリカの政治状況を理解する必要があります。米国在住で政治ジャンキーの私にはすぐに思い当たることばかりですが、日本に住んでいる方は(どんなにニュースを読んでいても)ピンとこないのではないかと思います。<&sol;p>&NewLine;<p><span style&equals;"color&colon;&num;0000bf&semi;">●アダルト度<&sol;span><&sol;p>&NewLine;<p>性的描写やグロいところはあります。高校生以上が対象です。<br &sol;>&NewLine;けれども、高校生が読んでも良さが分からないし、面白くないと思います。<br &sol;>&NewLine;40歳以上で、いろいろ体験した人でないと、今回フランゼンが与えてくれた「希望」の意味があまり理解できないと思うのです。<&sol;p>&NewLine;

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