「これを読まずして年は越せないで賞」の審査員がイチオシ本を出しました!
2009年にお遊びで始めた洋書ファンクラブの「これを読まずして年は越せないで賞」(これ読ま)が13回目を迎える2021年に「これ読ま」から本が誕生しました。
2010年に加わってくれたボランティア審査員の4人は、いずれも2009年の「これ読ま」で作品を推薦してくださった読者でした。
英語力はネイティブと同等で、英語ネイティブよりも読書量が多い人たちです。そして、候補になっている本を全部自分で調達しなければならないうえに何の報奨もないという純粋なボランティアです。これらの献身的なボランティア審査員に支えられて、「これ読ま」は年末行事として定着しました。
本業が忙しくなりすぎてしまったので、最近はロングリストを飛ばしてしまういい加減さなのですが、そのいい加減さが長続きの秘訣だと思っています。
2018年には、10周年記念行事として審査員が初めてファンの前に顔を表すイベントも行いました。
ボランティア審査員は、現在では春巻まやさんと角モナさんのお2人だけになりました。それぞれに異なる視点があるので、推薦書も異なります。そして、ほどよい程度に「いい加減」です。年末のツイッター審査では、他の審査員に簡単に説得され、自分の推薦していた本を見捨てて別の本を「最優秀作品」に選んだりします。でも、そのいい加減さが、気楽に英語の本を楽しむ「洋書ファンクラブ」の魅力だと思っているので、その魅力を継続するためにも、このまま人数を増やさない方針でいます。
「これ読ま」審査員3人は、会うたびに「一緒に本を作ろう」と話し合ってきました。言うだけでなかなか実現できなかったのですが、亜紀書房の足立恵美さんが「やりましょう!」と背中を押してくださったおかげで、「21世紀ベスト洋書シリーズ」の電子書籍バージョン企画が立ち上がりました。21世紀(2001〜2020年)に初版が英語で刊行された本の中から、審査員がそれぞれにベストだと思う作品を選ぶというものです。
しかし、「21世紀ベスト洋書」といっても、児童書、SF、ノンフィクションなどを一緒にすると大変な作業になってしまいます。そこで、ジャンルごとにまとめてシリーズとしてひとつずつ刊行することになりました。
シリーズの最初は、文芸小説の「フィクション編」です。何度かZOOMミーティングを行い、2001年から順番に、それぞれの年を代表する作品を選び、その中から審査員が自分で「書きたい」という作品を選んでレビューを書くという方法ですが、予想の何十倍の時間がかかりました。
また、「海外在住者が購入できるような電子書籍を」とワガママな要求をしましたので、出版社の方にとっては初めてのことで大変な苦労をかけてしまいました。
次の電子書はミステリ篇を予定しています。1冊の紙媒体になるまで、どうぞ応援してくださいませ。