私が恋したラブストーリー-In the Country of the Young

著者:Lisa Carey
出版日:2000年10月
純文学/パラノーマル/ゴシックロマンス

孤独なアーティストと少女の幽霊の切なく美しいラブストーリー

http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0060937742&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1
http://rcm.amazon.com/e/cm?t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&asins=0060937742&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&fc1=000000&IS1=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1

今日は私の誕生日なので、とっておきの私のお気に入りをご紹介します。

舞台はメイン州の沖に浮かぶ小島。ボストン生まれの中年のアーティストOisin MacDaraは、愛する双子の妹Nieveが15歳のときに自殺して以来、誰とも心を通わせずに孤独に暮らしてきた。アイルランド系のOisinは生まれつき霊を見ることができるsecond sightを持っていたのだが、Nieveが死んでからはその能力を失っていた。けれどもOisinは、いつかNieveの霊が戻ることを信じて待っていた。
霊が蘇るというSpirit NightにOisinのもとを訪れたのはNieveの霊ではなく、150年前に船の難破で死んだ7歳の少女Aislingだった。Aislingの霊も、そのときに見失った兄を求めていたのだ。
生きたくて生きることのできなかったAislingは人間の少女として蘇るが、まるで生き急ぐかのように急速に成長してゆく。とまどいながらもAislingの世話をし始めたOisinは、初めて妹以外の人間に対する愛情を知るようになる。
アイルランドの迷信と伝説が織り込まれた、切なく、美しいラブストーリー。悲恋でも救いがある結末が長く心に残る。

この本に出会ったのは、ボストンで行われたブックフェアでのことでした。Uncorrected Proofにサインしてもらうときに初めて会った作者のCareyは、彼女の作品によく登場する少女たちのように感受性が強くて繊細な感じの若い女性でした。
評論家から高い評価を受け、出版社もキャンペーンに力を入れ、読者の評価が高かったにもかかわらず、なぜか商業的にはさほど成功を収めなかった作品です。邦訳されていれば絶対に好きになる人がいたと私は思うのですが。

●ここが魅力!
ともかく、文章が素敵です。匂いや色、肌の暖かさ、それだけでなく空気に含まれた水の粒子まで見えるような、すばらしい表現力と微妙な心理表現に、読み終えるのがもったいなくなります。たとえいつかは死ぬとしても、生まれてきて、いろいろな人と出会い、そしていろいろな愛を体験することのすばらしさに気づかせてくれる、そんな美しいラブストーリーです。

●読みやすさ ★★☆☆☆
非常に詩的な美しい文章ですが、ストーリーを追うのは難しいかと思います。
ただし、この本は一行ずつ味わいながら読むべき本ですから、そのつもりで読めば楽しめると思います。
いったん慣れると、読み終えるのがもったいなくて、わざとスローダウンしたくなるでしょう。

●アダルト度 ★★★☆☆
セックスシーンはありますが、ヤングアダルト程度の表現です。自殺も扱っていますし、中・高校生以上向けでしょう。

●この作品が気に入った人はこんな本も!
The Mermaids Singing

Careyの処女作。アイルランドの人魚伝説が織り込まれた、思春期の少女の危うい心理を描いた佳作。

http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0380976749&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1

Love In The Asylum

Careyの第3作は、精神科病棟で出会った2人のラブストーリー。

http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0060937432&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1

渡辺由佳里 Yukari Watanabe Scott についてhttp://youshofanclub.comエッセイスト、洋書レビュアー、翻訳家、マーケティング・ストラテジー会社共同経営者。兵庫県生まれ。 助産師としてキャリアをスタート。日本語学校のコーディネーター、外資系企業のプロダクトマネージャーなどを経て、 1995年よりアメリカに移住。 2001年に小説『ノーティアーズ』で小説新潮長篇新人賞受賞。翌年『神たちの誤算』(共に 新潮社刊)を発表。他の著書に『ゆるく、自由に、そして有意義に』(朝日出版社)、 『ジャンル別 洋書ベスト500』(コスモピア)、『どうせなら、楽しく生きよう』(飛鳥新社)など。 最新刊『トランプがはじめた21世紀の南北戦争』(晶文社) ニューズウィーク日本版とケイクスで連載。 翻訳には、糸井重里氏監修の訳書『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』(日経BP社)、『毒見師イレーナ』(ハーパーコリンズ)など。 連載 Cakes(ケイクス)|ニューズウィーク 日本版 洋書を紹介するブログ『洋書ファンクラブ』主催者 Author, translator, and English book reviewer for Japan Market. Author of "500 best books written in English" for the Japanese market. English book reviewer for Newsweek Japan. Amazon.co.jp Top 500 reviewer.

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中