Hoffman独特の寓話的な世界が癖になる-The Ice Queen

Alice Hoffman
2005年4月
Little, Brown
224ページ
文芸小説/現代小説

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ニュージャージーで孤独に暮らす図書館司書の主人公は、8歳のときに怒りにまかせてした「wish(願い)」がかなったときから罪悪感にひたって暮らしてきた。30年たった今でも他人を傷つけることの恐れから対人関係を拒否し、感情を殺した冷たい氷の女王(the Ice Queen)となっている。
死の観念に縛られ、人生の偶発性を恐れてすべての冒険を避けてきたのに、ある日雷に打たれて彼女は「赤色」を見ることができなくなる。
これまで当たり前のように受け止めてきた「赤い色を見ることができる」という能力が欠けて初めて自分の人生の恩恵を知った彼女は、雷に打たれて40分間死亡して生き返ったという伝説的な存在のLazarus Jonesを捜し求める。
白だと思って買った赤いドレスが、触った者に火傷を負わせる人嫌いの男と彼よりも10歳も年上の氷の女王との風変わりな恋の始まりだった。
Jonesとの恋をきっかけに、氷の女王は、同じように雷に打たれて運命を狂わせた者や兄との人間関係を築き上げ、凍った心を溶かしてゆく。

ミニマリストかつ詩的な文体で綴られるThe Ice Queenはじんわりと癒しを感じさせる。
プロットはあるが、それを追うべき小説ではないので、読む前にそれを心得るべき。

●ここが魅力!
Alice Hoffmanの魅力は、寓話と現実の中間にある奇妙にリアルな世界を描く筆力です。
詩のように短く簡潔な文で、風景や瞬間を鮮やかに描くことも魅力です。
the Ice Queenはこんなふうに始まります。

Be careful what you wish for. I know that for a fact. Wishes are brutal, unforgiving things. They burn your tongue the moment they’re spoken and you can never take them back.

これだけですでに何が起こるのか、そして語り手がどう感じるのかずっしりときますよね。
次の表現もとてもHoffman的です。

Every fairy tale had a bloody lining. Every one had teeth and claws.

主人公がふたたびJonesに会った直後の一文です。なかなか心憎い表現です。いったんHoffmanワールドの味を知ったら癖になるかも。

●読みやすさ ★★★☆☆
単純に文法、語彙、長さで判断すると★★★と★★★★の中間レベルです。
文字が大きくて200ページちょっとですから、アメリカの小説としてはずいぶん短いほうです。センテンスが非常に短くて簡潔ですが、絵本の詩のように解釈が必要でもあります。
こういう本が好きな人には簡単な本、苦手な人には読みにくい本ですね。

●アダルト度 ★★★★☆
Hoffmanらしく、どこかさめた表現ですが、ラブシーンはあります。
テーマは大人向けです。

●この本を気に入った方は…

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