インディ・ジョーンズを連想させる盛りだくさんでスピード感ある冒険・アクションスリラー−The Judas Strain

James Rollins
560ページ(マスマーケット版)
2007年7月2日初刊発売
Harper
冒険・アクション/スリラー

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架空の米国特殊部隊Sigma Forceシリーズもの4作目

マルコ・ポーロの帰還の旅は現在でも謎につつまれている。それはポーロがある疫病に関する秘密を抱えたまま死んだからである。その疫病Judas Strainが突然現代によみがえった。
Judas Strainは通常であればまったく害のないバクテリアが炭疽菌のように致命的な菌に変異したものである。
疫病の調査のためにSigma Forceから送られた二人の科学者は謎のテロ集団The Guildに襲われ一人は人質になりJudas Strainの治療法を探るように強要される。The Guildは治療法を見つけ出してからJudas Strainをバイオ武器として使おうとしているのだった。
Judas Strainは全世界に広がろうとしており、人類滅亡の危機に面していた。
いっぽう、Judas Strainの謎をとくための鍵Angel Scriptの情報を持つ元The Guildの暗殺者SeichanはSigma ForceのコマンダーGray Perceに接触し、共にAngel Scriptに従ってヴァチカン、イスタンブールのHagia Sophia, カンボジアのアンコールワットを駆け回る。
この2つのグループがアンコールワットで出会い、マルコ・ポーロとJudas Strainの謎、そして人類絶望の危機に挑戦する。
The Da Vinci CodeとIndiana Jonesを足して、2で割らなかった(これは後で説明)感じの冒険スリラー。

●感想

私がTwitterを始めたときに、あちらのほうからFollowしてくれた第一号は”Dog On It”のChetでした。そしてその数日後にFollowしてくれたのが、発売する本がすべてニューヨークタイムズ紙ベストセラーになるJames Rollinsでした。彼の場合、たぶんオートマティックでFollow相手を探しているのでしょうが、一応感激。彼の講演のビデオも面白く、人柄に惚れ込んで本を購入しました。

この本の魅力は、マルコ・ポーロ帰還の旅の謎と人類の存続を脅かす疫病という興味深いテーマです。クリスマスアイランド、トルコ、カンボジア、などエキゾティックな舞台や映画のシーンを思わせるスピード感ある展開もRollinsの魅力といえるでしょう。それぞれのシーンが手に汗を握る場面で切り替わるところも映画的やTVのようす。Rollinsのファンはこういうところに惹かれるのでしょう。James Pattersonのように多くの作品を発表するにもかかわらず、Pattersonにくらべて読者評価が高い作家です。インディアナ・ジョーンズのようにスピーディなアクションものが好きな方にはぴったりだと思います。

ですが、私にはちょっと「詰め込み過ぎ」という感じがしました。
マルコ・ポーロ、疫病、Angelic Scriptと「謎」が多すぎてプロットがタイトでないのと、それらをつなぐ点があまりにも都合良すぎて現実味と説得力がないことが気になりました。 また登場人物が多いのはかまわないのですが、主要人物が多すぎるのは問題です。Sigma Forceだけでなく、謎のテロ集団The Guildがからんだロマンス、親子愛、仲間意識、忠誠心…と盛り込みすぎで、それぞれのキャラクターに深く感情移入することができないのは残念なことです。
たぶんRollinsはサービス精神が旺盛すぎるのでしょう。
別の読み切り作品でもう一度試みてみたいと思います。

もうひとつこれは編集者への苦情ですが、作者の口癖だと思われるPlain, Plainlyという単語を添削していただきたかったです。この単語が多発するために気が散って困りましたから。

●読みやすさ ★★★☆☆

文章そのものはとても簡単です。
問題は、長さ、医学的な説明、登場人物の多さ、サブプロットの多さです。
Rollinsは現役の獣医で、医学的な説明は私には面白く感じましたが、難解に感じる方はいらっしゃるでしょう。

●アダルト度 ★☆☆☆☆

ロマンスといっても登場人物に肉体関係があることが暗示されたりキスシーンがちょこっとある程度で小学生でも大丈夫な感じです。

●James Rollinsのその他の作品

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