この秋注目の新刊フィクション篇

さてさて、この秋は文学界の大物(この世にいない人も含めて)が続々と新刊を出します。あまりにも欲しい本があって、経済状況が危うくなりそうな…というのは大げさですが、読む暇もなく次が出てくるのは浮気性な私にとって目移りしちゃって困ります。
というわけでとりあえず今のところ気づいているラインアップです。「重要な新作」の抜けに気づいた方はお知らせください。適時追記します。

A GATE AT THE STAIRS
Lorrie Moore

9月8日、Knopf

Mooreの15年ぶりの長編小説。私は短編集 Birds of America しか読んでいませんが、独自のユーモアと人間の悲喜劇を短編で見事に表現できる作家です。読み返すたびに良さを再確認します。
田舎出身のナイーブな女子学生が、裕福な専門職の白人女性が引き取ろうとしている白人と黒人の混血の赤ん坊のナニー候補として雇われ、人種差別や貧富の差による差別、恋愛などを体験して成長してゆくという話。そこはMooreのこと、普通の大衆小説とは異なる読書体験が期待できます。Publishers WeeklyのStarred Review作。

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The Anthologist
Nicholson Baker
9月8日, Simon & Schuster

徹底的に不運な状態の詩人Paul Chowderが、 Tennyson、 Roethke、Yeats といった過去の詩人と自分の人生を照らし合わせて物思いに耽る、という作品。 Publishers WeeklyのStarred Review作。

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The Lost Symbol

Dan Brown

9月15日, Doubleday Books

説明するまでもありません 。The Da Vinci Code Robert Langdonシリーズの最新作です。発売のずっと前からAmazonの1位です。 私も予約してそれに貢献しているのですが…。天使と悪魔やダビンチコードで文句を言って」★3つつけたあなたも、きっと買ってしまうのでしょうね。

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The Year of the Flood

Margaret Atwood 

9月22日、 Nan A. Talese

アトウッドですから、もちろんpost-apocalypticでディストピアな世界です。2003年のOryx and Crakeと同じ世界ですが、prequel でもなければsequelでもない、別の主人公たちの視点からの物語だということです。Alice Munroがギラー賞(Giller)から作品をwithdrawした今、これがギラー賞の最有力候補のひとつというのはまぎれも無い事実。もちろん Publishers WeeklyのStarred Review作。告白すると、Atwoodの世界は他の作品とは異なるダリ的な悪夢を与えてくれるので、読むのを躊躇するんですよね。でも読むだろうな。

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Nocturnes

Kazuo Ishiguro

9月22日, Knopf

この音楽に関する5つの短編集は、最近のカズオ・イシグロの感じではなくて、初期の作品に最も近いものだということです。私は最も最近のNever Let Me Goを買ったものの姑に先に送ったところ「私はあれはダメだった」という感想をいただいたうえ、彼女が貸した友達が読んだ後図書館に寄付しちゃって戻ってこなかったという悲劇的なものです。新刊のハードカバーを買った私はちょっとpiss offしちゃったもので未だに読んでいません。だからこれは送る前に読みますです。短編集だから、長編につき合うのが嫌な方にもおすすめですね。
米国での発売前に邦訳版がすでに出ているという面白さ。それに邦訳版のほうが評価が高いのも興味深いところ。

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The Wild Things

Dave Eggers

10月1日
McSweeney's

センダックの絵本 Where the Wild Things Are のファンは複雑な心境でしょうね。私も複雑な心境ですよ。
これは、センダックの絵本をもとにしたSpike Jonzeの映画の脚本をさらに小説化したものです。たしかに絵本から映画へのギャップはあるから児童書のニーズはあるでしょうが、なんだかちょっと嫌な気分なのは私だけ?

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The Museum of Innocence

Orhan Pamuk

10月20日
Knopf

トルコのノーベル文学賞作家Orhan Pamukの最新作。西洋文化の影響を受けて急変するイスタンブールの貴族階級を通して現代トルコのアイデンティティの危機を描いたもの。

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Last Night in Twisted River

John Irving 

10月27日
Random House

アーヴィングの新作。物語は1945年のニューハンプシャーで始まり、その後の50年を描いています。アーヴィングが最初に書いたのが最後のセンテンス。で、そこから過去に向かって書いていったとのことです。なるほど…アーヴィングらしい。

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The Humbling

Philip Roth

11月2日
Houghton Mifflin Harcourt

30冊目ですからね。 もうフィリップ・ロスにつき合うのはやめよう!とずいぶん前に決意したからたぶん衝動買いは抑えられる気がしますが、興味はあります。この人の頭の中のどこがどう変わったのか。立ち読みしようかな。

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The Original of Laura

Vladimir Nabokov

11月17日,Knopf

ナボコフが「処分してくれ」と言い残したのに、ついに世に出てしまうという遺作。
これについてはこちらで書きましたからそれをご覧下さい。私は好奇心が強いから買う衝動を押さえられないかも…。

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Too Much Happiness

Alice Munro

11月17日,Knopf

Nabokovと同じ出版社から同じ日に出るのがカナダの文学界の重鎮Munroの最新作。カナダで最も重要な文学賞であるジラー賞受賞が期待されていた作品なのに、「私はもう二度(1998年と2004年)もいただいているから、別の方にチャンスを」と自ら作品を候補枠から外したことで話題になりました。栄誉はもちろん、候補になるだけで売れるのに、それすら放棄した心意気はすごいものです。そういうMunroだから描けるヒューマニティを読むのも楽しみのひとつです。Munroはもうじき80歳。老齢に達して自分をしっかりと持っているMunroと老齢を嫌わしく思い若さの美に執着し続けたNabokovを比べ読むと今後の自分のあり方が見えてくるかも。

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