「王様の耳はロバの耳!」という秘密を閉じ込めてアートにしたPostSecret

Frank Warren
288ページ(ハードカバー)
William Morrow
2005年11月29日初版
絵はがきアートを集めた写真集/告白集

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PostSecretという興味深いアートプロジェクトのことを知ったのは、実は娘が通う高校でのことでした。
廊下に張り出されたコラージュのようなアートを近くで眺めた私は、しばし目を疑いました。誰かが書いたはがきを集めたものだったのです。内容がまた凄いのです。あるはがきの中心には大きなベーグル(ドーナッツ型のパン)の写真があり「私は太るのが怖くて炭水化物をもう何年も食べていない」というコメント。「私は友達のボーイフレンドをわざと盗んだ」とか「成績が良いから親は僕が良い生徒だと思っているけれど、本当は二重生活を送っている」といった凄い告白も並んでいます。
「こんなの高校に貼っていいの?」と娘に訊ねた私は、「PostSecretのこと知らないの?」とかえって馬鹿にされました。

5
このプロジェクトの発案者はFrank Warrenという普通のビジネスマンです。精神的な底辺からアートで癒され、立ち直ったWarrenは、他人に伝えたことのない秘密を告白するはがきを自分宛に送って欲しいというハガキを作り、見知らぬ人々に配りました。
それを集めたものが話題になり、Warrenのプロジェクトは展示、ブログ(左の写真)、本のメディアでそれぞれ大人気になりました。

この本は最初に出版されたものなので、内容も一番オリジナルです。
互いの顔が見えないように隠された結婚式の写真に添えられた「I know he doesn’t love me anymore」という悲痛な告白や「He’s been in Prison for two years because of what I did. 9 more to go.(彼は私がやったことのためにもう2年刑務所に入っている。残りの刑期は9年)」といったゾッとするものも。このほかにも告白の内容は多様で、性的な告白、犯罪の告白、愛と憎しみと裏切りの告白…とバラエティも豊富。一度に全部読むのは、ちょっと濃すぎる感じです。

●ここが魅力!

ハガキに込められた秘密とその秘密を告白した人の人生を想像すると、ひとつのハガキで1冊の小説に匹敵するストーリーがあることをひしひしと感じます。それゆえ、一般的な写真集に比べて1冊で何度も楽しめます。
また、秘密を匿名で告白することで癒しを得る効果もあり、「私もPostSecretで告白したい」という意欲をかきたてるかもしれません。

●読みやすさ ★★★★☆

はがき一枚に収まるコメントですから短くて読みやすいものばかりです。
けれども、短い文ですべてを表現しなければならないので、一文に込められた意味は深く、それをすぐに察知するためには英語に相当慣れていなければならないでしょう。
ただし、はがきには絵や写真がついていますので、英語に慣れていない方はそれを見て文の意味を想像することができます。
ですから、英語に慣れていない方が慣れるためには最適の本ではないかと思います。

●アダルト度 ★★★☆☆

性的な告白や犯罪の告白があります。小中学生にはおすすめできません。
高校生くらいからです。

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