南アフリカの”いま”を感じさせてくれるミステリー:Thirteen Hours

Deon Meyer
384ページ(ハードカバー)
Atlantic Monthly press
2010/9/7発売予定
ミステリー

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南アフリカ ケープタウンの警部補(Inspector) Benny Griessel (Devil's Peakで登場)は、アルコール依存症のために妻から家を追い出され、別居生活を強いられている。この日まで156日禁酒しているが、毎日が誘惑との戦いである。



Bennyが精神の戦いと挫折を実感している朝、アメリカ人の少女の無惨な死体が発見される。その調査の途中で、別の殺人の調査が加わる。音楽プロダクションの共同経営者が銃殺されたのだ。容疑者として連行された妻のAlexandraは、かつては有名な歌手だったが、アルコール依存症で前夜の記憶をすっかり失っていた。尋問したBennyはAlexandraが犯人ではないと直感する。
その間にも、殺害された少女Erin の友人Rachelは殺人者たちから逃げまわっていた。彼女は、ある理由で警察に助けを求めることができない。殺人者たちと警察は、Rachelの行方を追う。
Bennyはこれらの事件を担当する3人の刑事の指導役を命じられるが、外交圧力のために早期解決を要求するトップと、経験(とやる気)がない部下たち、家族との葛藤に苦悩する。実直なBennyは、Rachelの父から「あなたを信じる」と言われたために、不可能に近い状況下でもRachelを無事に救出しようと決意する。
たった13時間にアクションがぎっしりと詰まった、スピーディーな展開のミステリー。

●この作品について

アメリカとイギリスのミステリばかり読んでいるので、南アフリカの新刊ミステリに挑戦してみることにしました。

アパルトヘイト撤廃後の南アフリカは、失業者が増大し、社会犯罪も激増しています。本作品は、南アフリカを不安定な国にした黒人政権への不満、いまだに残る人種差別の余韻、など複雑な社会状況も反映しているのが魅力です。アメリカと異なり、南アフリカの人種の分類には「白人」「黒人」と「カラード」があります。南アフリカのcoloredは、先住民やインド、マレー系と白人の混血です。また、イギリスが支配していた時期があるために英語も公用語のひとつですが、その他にもオランダ語に、フランス語、ドイツ語、マレー語など移民の言語が混ざってできたアフリカーンス語など、9カ国語が使われています。また使う言語による差別があることも、この本から伝わってきます。

スピード感があり、ぐいぐいと引き込まれるだけでなく、 実直で家族を愛するがゆえにアルコール依存症になったBennyの人間らしさが魅力です。少々ハードボイルド的で、絶望の後に希望が見いだせるエンディングに好感を覚えます。

Devil's Peakの続編という形ですが、この作品だけ単独で読んでも楽しめます。

●読みやすさ 中程度

アフリカーンスの英語翻訳ですが、翻訳にありがちな不自然な感じはありません。たぶん、英語も公用語の国だからでしょう。文化背景さえ分かっていれば、そう理解に苦しむところはありません。
スピーディーな展開で読みやすく感じるはずです。

●アダルト度

回想の部分でセックスの場面は出てきますが、そう露骨ではありません。
高校生以上。

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