Bianca Zander
ペーパーバック: 352ページ
出版社: William Morrow Paperbacks
ISBN-10: 0062108166
ISBN-13: 978-0062108166
発売日: 2012/6/19(あさって発売)
心理スリラー?オカルト?(実は…)/文芸小説
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28歳のSuki Piperは10年ぶりにニュージーランドから故郷のロンドンに戻った。
父が愛人の元に去ってから母と二人で暮らしていたのだが、18歳のときに母が癌で死去した後ニュージーランドに渡ったのだった。
懐かしさにかられたSukiは、幼いときに両親と一緒に住んでいたノッティング・ヒルのアパートメントを衝動的に訪ね、家族ぐるみで仲良くしていた近所のPeggyと再会し、子どもの頃にベビーシッターをしてくれたPeggyの娘Pippaに連絡を取った。
せっかくPippaから夕食に招待されたものの、Sukiは彼女の反抗的な息子や死期が迫っているPeggyの世話をすることには乗り気になれない。言い訳をつくってPippaを避けていたSukiだが、転がりこんでいた友人のアパートから追い出されて行き場をなくし、Pippaの提言を受け入れることにする。
Peggyの話し相手をするためにアパートに泊ったときから、Sukiは不思議な幻覚を体験するようになった。
夜になると、子どもの頃に裏庭で両親が催したパーティが裏庭で繰り広げられるのだ。
その悪夢のような幻覚は、Pippaの家に行っても続く。
●感想
本書の説明文を読んだときには、過去の体験が引き金になっている心理スリラーだと思っていたのですが、読み進めるうちに「?」「??」「???」と混乱してきました。
心理的なトラウマが原因の悪夢(幻覚)なのか、幽霊(オカルト)なのか、それとも全く違うものなのか、ちっとも見えてこないのです。
むろん、それ自体がミステリーの場合もありますが、そういう本はそれが面白いものなのです。でも、この本は違います。ちゃんと伝えきっていないので、どういうつもりで書いているのかが読めないのです。
途中ですっかり退屈してしまったのですが、せっかくARCをいただいたことだし、この本がどういう本なのかを突きとめるためだけに最後まで読みました。(ネタバレなので答えは書きませんが、いまだに納得していません)。
この本の主人公と登場人物たちにまったく魅力がないのも辛いところでした。
まず、Sukiですが、18歳から現在までの幼稚な行動のすべてを「崩壊家庭」のトラウマのせいにするのは小説でも説得力がありません。Peggyはただのわがままなおばあさんだし、Pippaも息子も浅はかな小心者で欠陥を補う長所や魅力に欠けています。父ですらそうです。悪人でも魅力があればいいのですが、この小説に出てくるのは単に言い訳好きの退屈な人々なのです。
登場人物がまったく理解できない小説というのは、フラストレーションがたまるものです。
幻覚の謎も、最後まで読んで「え?それだけ?」と騙されたような気分です。
「いったい作者は、この小説を通じて何を伝えたかったのか?」と頭を抱え込んでしまいました。
それを自分で見つけたい方は試してみてください。
でも、フラストレーションがたまるのが嫌な人は避けたほうがいいでしょう。
●読みやすさ 中程度〜やや「面倒」
文章は決して難しくないのですが、シーンに必然性がないことが多く、「なぜこの文章が必要なのか?」と考えると混乱します。したがって「難しい」のではなく「面倒」で、フラストレーションがたまります。
●おすすめの年齢
露骨ではないのですがセックスシーンはあります。
高校生以上