『これを読まずして年は越せないで賞』番外編その1

みなさんにお楽しみいただいている『これを読まずして年は越せないで賞』も今年で4回めになります。

2010年からは審査員にも加わっていただき、受賞作が邦訳され、お遊びを超えた賞になりつつあるのも、嬉しいことです。

今年10月末から11月にかけて帰国したときに、審査員のみなさんと『番外編』トークを企画してみました。

実際に会って、その場で候補のロングリストをショートリスト(最終候補)に絞るというものです。

そのディスカッションの様子を、審査員のひとり春巻さんが編集してくださいましたので、これからシリーズで掲載させていただきます。素敵なイラストも春巻さんのものです。

受賞作を決める最終ディスカッションは、昨年と同様にツイッター上で行います。


日程は、12月21日午後6時すぎ(日本時間)からです。最初は雑談ですので、決まるのは9時頃からではないかと思います。ハッシュタグ #koreyoma で横からコメントで飛び入りも歓迎です。

book ここから book 番外編です book

まずは審査員のご紹介です。 



Yukari_s渡辺

このブログ「洋書ファンクラブ」の主宰者

 

Harumaki_s春巻(この特別編の編集とイラストレーター)

仕事でビジュアル書籍の翻訳などをしているせいか、装丁のきれいな本が好きで、海外の本は小説を含め表紙買いしてしまうこともしばしば。ジャンルを問わずにいろいろ読みますが、最近は短編集にハマっています。
映画と本の感想ブログ「春巻雑記帳 http://springroll.exblog.jp」のほか、趣味の工作ブログ「skip seven http://skip7.blogspot.jp」でちまちま制作している豆本と豆箱を紹介中。

 

Mona_sモナ

某大型書店の洋書仕入部門で働く会社員。
神戸のインターナショナルスクールに通っていたころから洋書が好きで
読んでいるけど、最近しみじみと「読書は体力だ」と思います。
女性が主人公になって活躍する小説が好み

 

Shoko_sちょこ

2008年よりオーストラリア在住で、このまま永住予定。
今年から念願の(仮付き)サイコロジスト。大学院で心理学を勉強中です。
そのせいなのかキャラクター重視の本が好きで、自覚がなかったけれど重い本を推薦する傾向があるみたいです。
ジャンルを問わず本を読むのがとにかく好きで、最近はオーストラリア人作家の本を広めようとひそかに活動中。

 

● 出会ってすぐに「電子書籍」の話題!

 

Yukari_s:ついにこうして『これを読まずして年は越せないで賞』の審査員が実際に顔をあわせる日がやってきました!

 

Mona_s:こんな日がくるなんて、うれしい。

 

Harumaki_s:初めて会ったという気がまったくしません!

 

Shoko_s:(モナさんのおかげで Skype にて)オーストラリアからこんにちは!
直接参加はできなかったけど、お顔が見れてうれしいです。

 

P1000407

審査員が4人揃って記念撮影

 

 

Yukari_s:さっそく全員がKindleを持ってきているし(笑)

 

P1000400

Harumaki_s:Kindleはようやく日本版が出ましたね。コンテンツはまだまだ充実してないですけど。

 

Yukari_s:これから増えてくると思いますよ。絶版本が電子書籍化されつつありますし。

 

Shoko_s:海外組としましては、日本語の本が読める!と大興奮だったんですが、今のところがっかりな状態。海外からでも買えるようになっていくのか、出版社との兼ね合いで今後も無理なのか、とても気になります。

 

Harumaki_s:海外にこそ、電子書籍で買いたいと思ってる人がいるはずなのに。紙の本だと送料だってバカにならないし。

 

Mona_s:電子書籍が話題になっている裏で、最近はプリント・オン・デマンドも注目されていて、高額の専門書など部数が出ない本で重宝されています。貴重な資料が消えることなく出せるから。プリント・オン・デマンドと電子書籍はどう兼ね合いがつくのか興味があります。

 

Yukari_s:やっぱり紙で読みたいという人もいますから、問題ないと思いますね。現象としておもしろいのは、アメリカではデジタルと紙の両方で出ている本のほうが売れること。電子書籍があると紙媒体だけより売れるし、電子版だけだとそう売れないの。

 

Shoko_s:どんな本だとデジタルを選ぶのか、どういうときに紙の本を選ぶのか、皆さんの傾向が聞きたいです。皆さんの選びわけに興味があります!

 

Harumaki_s:それは私も興味がある~。年末のディスカッションの議題にして、いろんな人の意見も聞いてみましょうよ。なんだかんだいって、デジタルが出ると紙がなくなると言って嫌がる人もいますけど、実際には両立しますもんね。

 

Yukari_s:本当にその通り! あとね、IT関係の人たちと話していると、電子書籍リーダーをガジェットという捉え方をするのね。でもこれガジェットじゃなくて、ただのツールだから。私たち、使用説明書がないと使えないようなモノは要らないのよね~。

 

Harumaki_s:そうそう。あれこれ機能があっても使いこなせないでし。そういや Kindleって使用説明書がないですよね。

 

Mona_s:ないない。開けたときに、まず充電しろって書いてあって、それで終わり。携帯電話もそうだけど、次々と機能を追加していって、どんどん複雑になっちゃうんですよね。

 

 

●ソーシャルリーディング

 

Yukari_s:電子書籍でいえば、下線をつけた箇所をみんなでシェアできるのがすばらしい「ソーシャルリーディング」だと盛り上がってる人たちがいるんだけど、私はそれやりたくないの。人の下線なんて読みたくないし、読んでいるときに他人の下線が出てくるとすごく苛立つ。だからあの機能切っちゃうんですけど。

 

Harumaki_s:たま~に「え…8人もの人がここに下線を!」と興味深く見つめたりすることもありますけどね…。

 

Yukari_s:でも、しょーもないところに引いてたりするでしょ。

 

Harumaki_s:私自身が、あとで調べようという単語にも下線引いたりするからなあ(笑) 逆にそういう私のくだらない下線が他人に見られているのかと思うと可笑しい。

 

Mona_s:そっか! いままで自分が見る画面ばっかり気にしてたけど、Wifiにつないだら自分の下線も他人に見られちゃうのか。

 

Shoko_s:私も気にしたことなかったけど、そういうことですよね。

 

Yukari_s:ソーシャルリーディングって、ふだん本を読まない人の発想だと思う。メモを取るのはあくまでも自分のためにすることで、他人に見せるためにすることじゃないし、他人を気にしたらメモなんてとれないですよね。

 

Harumaki_s:ビジネス書を読む人は、この名言を共有したいと考えるのかもしれないけど、小説の場合は違いますよね。あ、私の友だちには、食べ物が出てくる箇所に必ず下線引くって人がいます。

 

Yukari_s:え、それおもしろい(笑)

 

Mona_s:私はそのときの気分で下線を引いて満足してしまうので、あとでわざわざ見返したりしないですね。

 

Yukari_s:娯楽の読書では下線は引かない。書評を書いたりする時は下線を引くけど、自分が気に入らない箇所に引いたりすることもあるのね。だから、「Kindleでソーシャルリーディング」って発想には違和感がある。こうやって実際に人と会って本の話をするほうが、よっぽどソーシャルリーディングですよ。

 

Shoko_s:賛成! それと私も下線を引くのは勉強用の本・資料のときくらいです。Kindleで読むと、単純な私の脳は、楽しいものを読んでいるかもと勘違いしてくれるので便利です(笑)

 

 

…まだまだおしゃべりは続きます。明日の更新をお楽しみに!

渡辺由佳里 Yukari Watanabe Scott についてhttp://youshofanclub.comエッセイスト、洋書レビュアー、翻訳家、マーケティング・ストラテジー会社共同経営者。兵庫県生まれ。 助産師としてキャリアをスタート。日本語学校のコーディネーター、外資系企業のプロダクトマネージャーなどを経て、 1995年よりアメリカに移住。 2001年に小説『ノーティアーズ』で小説新潮長篇新人賞受賞。翌年『神たちの誤算』(共に 新潮社刊)を発表。他の著書に『ゆるく、自由に、そして有意義に』(朝日出版社)、 『ジャンル別 洋書ベスト500』(コスモピア)、『どうせなら、楽しく生きよう』(飛鳥新社)など。 最新刊『トランプがはじめた21世紀の南北戦争』(晶文社) ニューズウィーク日本版とケイクスで連載。 翻訳には、糸井重里氏監修の訳書『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』(日経BP社)、『毒見師イレーナ』(ハーパーコリンズ)など。 連載 Cakes(ケイクス)|ニューズウィーク 日本版 洋書を紹介するブログ『洋書ファンクラブ』主催者 Author, translator, and English book reviewer for Japan Market. Author of "500 best books written in English" for the Japanese market. English book reviewer for Newsweek Japan. Amazon.co.jp Top 500 reviewer.

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