Category: 歴史小説

不思議の国のアリスと作者キャロルの間に何があったのか?ーAlice I Have Been

368ページ(ハードカバー) Melanie Benjamin Delacorte Press 2010年1月12日発売予定 歴史小説/文芸小説 「不思議の国のアリス」にわずかでも興味を抱いたことのある人であれば、作者のルイス・キャロルが実際は数学者のチャールズ・ドジソン(Charles Dodgson )で、アリスにも実在のモデルがいたことを知っているだろう。そして、ドジソンに「小児性愛者」の疑惑があったことも。 これまで数々の研究や小説化が試みられて来たが、それらは常にドジソンを中心にしたものだった。作者のMelanie Benjaminは、初めてアリスの立場から「不思議の国のアリス」に運命を変えられてしまった女性の人生を描いている。 80歳になったAlice Liddell Hargreaves(アリス・リデル・ハーグリーヴス)は、夫の死後陥った経済的危機から逃れるために幼い時Charles…

どうせロマンスを読むなら、ストーリーが面白いこの本をどうぞーTea Rose

作者:Jennifer Donnelly 592 ページ 2003年3月 St. Martin’s Griffin 商業的文芸小説/歴史ロマンス(19世紀の英国とニューヨーク市) http://rcm.amazon.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&asins=0312378025 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&asins=0007208006 舞台は1880年代のロンドン。貧乏なアイルランド移民が多いテームズ川沿いのWhitechapel地区で育った幼なじみのFionaとJoeは、将来店を経営する夢を抱き、一緒に貯金をしていた。だがWhitechapel地区出身で成り上がりの成功者にセールスの才能を見込まれたJoeは、そのひとり娘の策略にひかかって結婚に追い込まれる。FionaはJoeとの将来の夢を失っただけでなく、同時期に父と母、兄妹を失う。父の死に関係がある会社の経営者に命を狙われたFionaは、 家族のうちひとりだけ生き残った幼い弟を連れてアメリカに渡航する。 ニューヨーク市で商店を経営するMichael叔父を探しあてるが、叔父はうつで自暴自棄になっている。Fionaは持ち前のビジネスセンスと人を魅了する性格で経営困難になっていた店を大きく成功させる。だが、ビジネスウーマンとして成功したFionaは、父の復讐を果たすために英国に戻る。そこで再会したのはJoeだった。 ●ここが魅力!ともかく、最初から最後までとてもドラマチック。ひとつの作品にまとめてしまうのがもったいないくらい沢山のドラマが詰め込まれています。600ページ近いボリュームなのに全然飽きません。FionaとJoeの恋はまるで一昔前の昼メロのように誤解あり、すれ違いあり、でメロドラマそのものですが、彼らを応援せずにはいられない、心温まるタイプのロマンスです。…

イノセントに無知を決めこむ英米社会への重い問いかけ-Burnt Shadows

Kamila Shamsie2009年4月28日発売Picador384ページ文芸小説/戦争・歴史 http://rcm.amazon.com/e/cm?t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&asins=0312551878&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0312551878&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 Amazon Vine™ Programで得た本(それについてはこちらを)English Review (あらすじ)1945年、長崎に住む田中ひろこ(Hiroko Tanaka)は、東西の文化が調和を持って暮らすことを夢見る研究者でアーティストのドイツ人Konradと結婚の約束をするが、Konradは原爆でただの岩に残った影となり、Hirokoの背中にはそのときに羽織っていた着物の鶴が火傷として残る。日本で被爆者として扱われることに耐えられなくなったHirokoはインドのDelhiに渡り、Konradの異母姉Elizabeth(Ilse) Burtonを訪ねる。ElizabethはHirokoに深い親しみを覚えてずっと手元におきたいと思うが、弁護士の夫Jamesの元で働くムスリムの現地人Sajjad Ashrafに競争心と嫉妬を覚える。一連の出来事の結果、SajjadはBurton一家と決別し、Hirokoとともに1947年に新たに誕生したパキスタンに住み着くことになる。 長崎の原爆投下を起点に、パキスタン誕生、旧ソビエト連邦のアフガニスタン侵攻、2001年同時テロ、といった人類の争いと死の歴史を、Burton家が代表する西洋文化に対して、Tanaka/ Ashraf家が代表する東洋文化の立場から小説の形で鋭く問いかける。 あのサルマン・ラシュディが”Burnt…

壁に閉ざされて忘れ去られた花園に潜む家族の謎-The Forgotten Garden

作者:Kate Morton Atria 2009年4月7日(米国) 文芸小説/歴史小説/ミステリー 1913年、幼い少女が英国からオーストラリアに向かう客船にひとり取り残される。小さなスーツケースのほかに何の身分証明も持たない少女はオーストラリア人夫婦にNellと名づけられ、成人するまですっかり過去を忘れ去っていた。

近未来軍事テクノスリラーe-book無料購読-Weapons of Choice

近未来軍事テクノスリラーという風変わりなジャンルのThe Axis of Time Trilogy(三部作)の第一巻、Weapons of Choiceです。今年2月に作者John Birminghamの新作が発売されたのでそのキャンペーンとして出版社と作者が過去の作品を無料提供しています。 (あらすじ)時は近未来の2021年。国連のある戦闘グループはインドネシアでの民族浄化を止める指令を受けるが、ある実験の失敗でグループの戦闘員たちは第二次大戦中の1942年の米軍艦隊の中に飛んでしまう。米軍とともに日本の戦艦との闘いに巻き込まれるが、人種が混じり、女性もいる未来から来た戦闘グループは、白人男性優位の1942当時の米軍の軍人たちとぶつかる。 オンラインで読みたくない方は、コンピューターにPDFファイルをダウンロードしてお読みください。 14772050-Weapons-of-Choice-by-John-Birmingham-full-book.pdfをダウンロード Weapons of Choice by…

hauntingという形容詞がぴったりくるThe House of Riverton

Kate Morton 2008年4月(米国) 歴史小説/文芸小説 若き詩人R.S. Hunter の悲劇的な自殺を描く映画の製作者が、現場にいた者のなかで唯一の生存者である98歳のGraceに接触してくる。それをきっかけにGraceは忘れたかったRiverton Houseのことを思い出す。 第一世界大戦前の1914年の英国。母子家庭で育った14歳のGraceは、母が以前奉公していたRiverton Houseで住み込みのメイドになる。上流階級の者は使用人を人間として考慮しないのでGraceは透明人間のように家族の多くの秘密を目撃するようになる。無口な母との孤独な生活に慣れていたGraceが強く惹かれたのは、館の主Lord Ashburyを訪問していた孫のDavid, Hannah, Emmelineと彼らの秘密の遊び「The Game」だった。Hannahと同い年のGraceは、使用人の立場は超えないもののHannahの秘密の守り人として特別な親密さを与えてもらう。 Davidの高校の友人Robbie…

素朴なイタリア人たちの切なくてほろ苦いラブストーリー-A Kiss from Maddalena

Christopher Catellani2003年4月文芸小説/歴史(第二次世界大戦中のイタリア) muse & marketplace特集第4回でご紹介するのは、主催の非営利団体Grub Streetの長年のスタッフ兼教師で、この企画の顔であるChristopher Catellaniです。(詳しくはCatellaniのサイトをどうぞ)。 昨年のmuse & marketplaceで人前であまり話さないことで知られるジョナサン・フランゼンがキーノート講演をしてくれたのはCatellaniのおかげなのです(その話はこちらを)。今年も総合的なディレクターとして忙しく飛び回っていました。私とは過去10年間に2、3度会った程度の知り合いなのに、初日に顔を見かけると満面の笑みで「よく来てくれましたね!ハグさせて」と歓迎してくれるところがさすが対人関係の天才だと思いました。Catellaniのチャーミングであたたかな性格は彼の作品にも反映しています。 本作品を「翻訳権がまだ売れていないすばらしい本」のリストに加えました(5/1/09)。 http://rcm.amazon.com/e/cm?t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&asins=B001KZHGEW&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&fc1=000000&IS1=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0752864130&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 (あらすじ)舞台は第二次世界大戦中のイタリアの小さな農村Santa Cecilia。17歳のVitoの父親は彼の姉2人だけを連れてアメリカに移住してしまい、最近は仕送りも途絶えている。痴呆が進む母親の面倒を看る思いやりある青年だが、同年齢の青年に比べると身体の成長も遅く振舞いも子供っぽい。徴兵で村にはほとんど適齢期の青年がいなくなってしまったのに、少女たちは道化者のVitoのことを恋愛対象とはみなしていない。村人たちも彼を「いい奴だけれど役立たず」と軽くみなしている。そのVitoが恋したのは、村で最も美しい少女Maddalenaだった。努力を重ねて奇跡のようにMaddalenaの愛を勝ち取ったものの、イタリアが連合軍に寝返り、敵となったドイツ軍の撤退のルートにあるSanta…

Battle of the (Kids’) Books 準決勝第一マッチ

引き続きバトルの中間報告です。ここから入った方はこちらを。バトルのサイトはこちら。 審判は、日本軍占領下の韓国での幼い兄妹の生活を描いた児童書「When My Name Was Keoko」の作者Linda Sue Parkです。 今日の取り組みはなかなか良い組み合わせです。歴史小説、米国の独立戦争時、黒人が主人公、語りが第一人称と共通点が沢山あります。ParkはThe Astonishing Life of Octavian Nothingの第一巻The Pox…