●アニマル・ファンタジー(動物が主人公のファンタジー)
動物が主人公のファンタジーを、「アニマル・ファンタジー」と呼びます。
この組み合わせは、子供に絶大な人気があるようで、常に新しいものが生まれています。次にご紹介するのは、すでに長く子供たちに愛されているロングセラーです。
「The Tale of Despereaux」by Kate DiCamillo
9~12歳対象だが、実際には小学校3年生から五年生くらいまで。
アニマルファンタジーというよりも、寓話のようですが、とりあえずご紹介します。映画化されたために再びベストセラーのトップに躍り出た作品です。
4話で構成されていて、それぞれ主人公が変わります。小柄で耳が大きくネズミらしくなく夢想家の主人公Despereaux、変わり者のドブネズミ、不運な少女ネズミの物語が第4話で一緒になり、Despereauxが恋した人間の王女を含めて感動的な結末を迎えます。児童書としては複雑なテーマと感情を見事に描いた作品で、大人が読んでも感動する優れたロングセラーです。
「The Poppy Stories」 by Avi
9~12歳対象だが小学校3年生くらいから。
これもネズミたちが主人公(人間との交流はないが)でThe Tale of Despereauxと同年代が対象。
大胆で怖いもの知らずの青年ネズミRagweedの活躍を語る「Ragweed」。これはRagweedの恋人で小柄のPoppyが勇気を奮い起こして仲間を救うために出かける冒険ドラマ「Poppy」、悲劇の後のロマンス「Poppy and Rye」そしてPoppyの友達のハリネズミが主人公のユーモアがある「Ereth’s Birthday」と4冊です。登場する動物たちにすんなりと感情移入でき、つい一緒になって笑ったり、涙をこぼしたり、胸を躍らせたりするでしょう。冒険、悲劇、ロマンス、ユーモアが全部そろっています。子供は性別に関係なく好きになるようです。「Poppy」が一番有名ですので、これを試してからPoppyシリーズ全部を読むことをおすすめします。
もし「Poppy」が見つからないときには、Aviによる別の本をおすすめします。いずれの本も単語がネイティブの小学校3年生くらいで理解できるようにできており、しかもドラマに満ちて大人でも楽しめます。
「Warriors-Into The Wild(Warriors シリーズ1」
9~12歳対象。
Poppyシリーズよりもストーリー展開は単純なのですが、それよりも高学年の小学校の高学年から中学生に人気があります。
猫好きであれば、ここに登場する猫の野生への憧れや放浪と闘いの衝動を応援したくなるでしょう。でも、主人公の猫たちはちっとも可愛くなくてまるでギャングメンバー。縄張り争いのドラマです。発売当時から爆発的な人気になり、現在数え切れないほどの続編が出ています。
「Redwall (Redwall, Book 1)」by Brian Jacques
9~12歳対象。
PoppyとWarriorsシリーズを卒業したら、次はもっと複雑なRedwallシリーズに進みましょう。小学生というよりも中学生に人気があります。
ファンタジーと冒険が好きな人であれば、大人でも必ずとりこになること請け合いです。(実際に大人にファンが多い作品です)
突如分厚くなりますから、読み終えるのには時間がかかるかもしれません。お気に召したら、このシリーズはどんどん続きますからしばし他の本を選ぶ必要はないでしょう。