販売用ではない本のお話し-Uncorrected ProofとAdvance Reader’s Copy

アメリカでは、日本には存在しないUncorrected ProofとかAdvance Reader’s Copyと呼ばれる形の本があります。

これらは、出版の前の段階で作られた販売用ではない本のことです。評論家に渡して書評を書いてもらったり、マーケティングのために使われたりするもので、印刷の時期、装幀、数はそれぞれ異なります。通常の印刷よりも数が少ないためにけっこうコストがかかり、(有名作家のサイン入りなど)本によっては販売されたものよりもコレクションの価値が上がることもたまにあります。

Uncorrected Proofと呼ばれるのはまだ校正が初期の段階で以下のような感じが多いです。

ブックフェアなど大きな催しに間に合うようにとりあえず「今の段階」で作るというものですね。5月に催されるブックエキスポ・アメリカでは、11月出版予定の作品がすでにこんな形で姿を表したりします。まだ校正されていないものですし、表紙もないので、コスト的には次にご紹介するものより廉価です。沢山タイポとかが見つかりますし、これから内容がずいぶん変わることもあります。 

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次は出版が近いもので、表紙もできているものです。通常Advanced Reader's Copyと呼ばれるのはこのようなものです。ハードカバーのデザインがついたソフトカバーのような感じですね。たいていの作品はソフトカバーになるとデザインが変わるので、そういう意味では「レアもの」です。少数しか印刷しないので、1冊につきハードカバーよりもコストがかかります。コストがかかりますから、こんなに綺麗に作られている本は、出版社が力を入れているものだとすぐに分かります。

2012年追記:電子書籍が普及してきたので、コストがあまりかからない電子書籍でARCを配布するNetGalleyが流行っています。最近はブロガーの影響力が尊重されていますので、NetGalleyでARCを読む人も増えてきました。けれども、その出版社の利益にならないと判断されるとリクエストしても拒否されますので、ご留意ください。

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こんなふうに裏側に本の情報とマーケティング戦略などが書かれています。

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他にもいろいろな呼び方があり、Uncorrected Advanced Proofなんてのもあります。Ruined_books_013

 

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