Black Out-複雑なプロットの心理サスペンス

作者:Lisa Unger
2008年5月初刊
ジャンル:心理ミステリー/サスペンス

Ungerファンには少々物足らないかもしれない心理スリラー

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裕福な家庭の主婦アニー・パワーズの本当の名前はオフィーリア・マーチ。けれどもそれを知るのは夫のグレイとその両親だけ。誰にも言えない理由は、オフィーリアが十代のころに連続殺人者マーロー・ギーリーの共犯者とみなされていたから。当時事件を追っていた民間軍事会社のオーナーの息子グレイがオフィーリアに恋をし、彼の計らいでグレイの父の会社がオフィーリアの死を偽って新しいアイデンティティを獲得したという過去がある。
心的外傷の後遺症でアニーには当時の記憶が欠けているが、死んだと思われているマーローが戻ってくると固く信じ、恐れている。彼女をがんじがらめに縛る夫の父親、汚職警官、そして夫のグレイのそれぞれが謎の行動を取り、アニーは自らと愛娘を救うために勇気を奮い起こす。

Ungerの「Beautiful Lies」と「Sliver of Truth」の2作に比べると、(それらの続編ではありません)Black Outはストーリーにまとまりがなく、スピードにも欠けるように思います。記憶がフラッシュバックで戻ってくるというアイディアは良いのですが、そのせいでかえって読みにくさを感じるかもしれません。
Ungerのファンでなければ、十分興味深い心理スリラーだと感じるでしょう。けれども前の2作と同じようなドラマと興奮を期待するファンはやや失望するかもしれません。

●ここが魅力!
それでも平均的なサスペンスに比べるとダントツ面白いことは確かです。Ungerの過去2作のように真相を知りたくて最後まで一気に読んでしまえるでしょう。

●読みやすさ ★★★☆☆ 
難しい単語はほとんどありませんし、たとえ分からない単語があってもストーリーにはついてゆけると思います。

●アダルト度 ★★★☆☆
大人向けの本としては平均的といえるでしょう。

●そのほかのUngerの作品

Beautiful Lies
Sliver of Truth
Fragile

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