墓場を舞台にした少年の成長と自分探しのファンタジーーThe Graveyard Book

Neil Gaiman
320ページ
HarperCollins
2008年9月30日発売
児童書(9−12歳対象)/SF/ファンタジー

2009年Newbery Medal(ニューベリー賞)、Hugo Award(ヒューゴ賞)受賞作。
2009年 World Fantasy Award (世界幻想文学大賞)候補作
(発表は未だ)

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墓場の近くにある家で夜中に一家がJackという男に惨殺される。だが、よちよち歩きの赤ん坊だけが墓場に迷い込んで難を逃れる。
その墓場に住んでいる死者(The DeadであってGhostではない)のミセスOwenは赤ん坊に惚れ込んで自分が育てると言い張る。墓場の住人の多くは最初のうち死者が生きている赤ん坊を育てることに反対するが、死者でも生者でもない謎の存在のSilasが後見人になるということで合意し、その男の子をNobody Owenと名付けて育てる。

墓場の住人たちはBod(Nobodyのニックネーム)に 墓場の外の世界は危険だから一歩も出ないように 命じる。彼らは自分たちにできる限りの教育(アルファベットだけでなく、闇にとけ込んで見えなくなる術とか、他人の夢の中に現れる術とか)をBodに与えるが、成長するにつれ少年は墓場の外の世界や友達、冒険を求めるようになる。そのためにいろいろなトラブルに巻き込まれるが、そうやってBodも彼を愛する墓場の住人たちも(生きている)少年が成長することの意味を学んでゆく。

幼いBodは墓場でScarletという少女と出会い友情を育むが彼女の両親の引っ越しで別れ別れになる。約10年後に戻ってきたScarletと再会したことが、Bodの両親の殺害の真相を知り、それを企てた者たちとの戦いのきっかけになる。

●ここが魅力!

この世に属さない者たちや暗い地下の世界が通常の世界と隣り合わせに存在し、ホラーとユーモアが共存するところがNeil Gaimanの特長です。死者が生きている赤ん坊を育てるThe Graveyard Bookも、実にGaimanらしい物語といえます。
Bodを守るSilasやBodが友情を求めるScarletなどのユニークな登場人物たちもGaimanらしく、そういう意味では予想を裏切るような意外性はないものの、少年の成長物語として楽しめ、ビタースイートなエンディングにも好感が持てます。

●読みやすさ ★★★★☆
何百年も前に生きていた死者たちの会話が古い言い回しだったり、教養がないため文法がわざと間違っていたりします。いちいちそれらに気をとられないようにすれば、あとは文法もボキャブラリーも簡単です。
またGaiman独自、というかイギリスの児童作家に特有の文章のリズムにも慣れる必要があるかもしれません。
最初の章を乗り越えれば、後はスムーズになるでしょう。

●アダルト度 ★★☆☆☆
家族が殺されることや腐った死体を食べるGhoul(最初に食べた死体にちなんでニックネームがつけられている)、地下に潜む不気味な存在、など幼い子には悪夢を与える可能性があります。悪夢を見るタイプの子には要注意です。
ラブシーンなどはなし。

●おすすめのNeil Gaimanの作品

1. Stardust

映画とはちょっと異なる内容です。YA向けですが童話的なクエストもの。でも突然Hotなラブシーンが現れてびっくり。子供に読んであげるときはそこだけ飛ばすとよいでしょう。

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2.Coraline

映画化もされた児童書(9−12歳)。

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3. Neverwhere

大人向けのファンタジー。The Graveyard Bookにちょっと似たところがありますが、もっと詳細が多く、彼の代表作のひとつです。

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