醒めない悪夢に閉じ込められたようなSFーThe Maze Runner

James Dashner
384ページ(ハードカバー)
Delacorte Books for Young Readers
2009年10月6日発売予定
YA/SF・ファンタジー(ディストピア)

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作動中の箱の中で目覚めた少年Thomasは自分の名前以外の記憶をすっかり失っていた。やがて止まった箱から救い出されたThomasが到着したのは13歳から18歳くらいまでの少年だけが住む奇妙なコミュニティGladeだった。ThomasはGladeの住民Gladerたちにあれこれと質問するが、Thomasと同じように誰が何の目的で彼らをそこに送り込んだのか知る者はいない。唯一わかっているのは、彼らを閉じ込めているGladeの壁が日中だけ開き、その外にMaze(迷路)があるということだけだった。Mazeのパターンは毎日異なる。少年たちはMazeの謎を解けばそこから脱出して家に戻れる信じ、勇敢なMaze runnerらが日中Mazeを走り回ってパターンを記憶して戻り、マップを記録し続けていた。しかし、そこには恐ろしい怪物Grieverが潜んでおり、壁が閉じるまでにGladeに戻らないとMazeに閉じ込められGrieverに殺されることになる。

閉鎖された環境にもかかわらず、少年たちは農作業から酪農まで労働を分担し、規律ある安定した社会を作り上げていた。けれども、Thomasの到着で変化が生まれる。これまでは到着する新人は一ヶ月に一人、と決まっていたのに、Thomasの到着後すぐにまた箱が届いたのだった。
そして、その箱に入っていたのは少女だった。

珍しく映画ではなく本の予告編なるものが作製されています。なかなかの出来なのでぜひご覧ください

http://vimeo.com/moogaloop.swf?clip_id=7119805&server=vimeo.com&show_title=1&show_byline=1&show_portrait=1&color=00ADEF&fullscreen=1

THE MAZE RUNNER – Extended from Jordan Taratoot on Vimeo.

●ここが魅力

記憶を失った少年たちが閉ざされた場所から脱出を試みるストーリーは、謎に満ちた設定といいアメリカで大人気になったテレビ番組の「Lost」を連想させます。また、テーマは未来のディストピアを描いたThe Hunger Gamesにも似ていますが、これらとは異なる、オリジナルな面白さがあります。
いったい誰が何の目的でこのようなMazeを作ったのか、なぜ少年たちには記憶がないのか、 そしてThomasと少女の役割は何なのか….、それらの謎に最初のページから引き込まれ、最後まで醒めない悪夢の中を走り続けているようなサスペンスが続きます。

女性作家と読者が多いYAファンタジーの分野ですが、このThe Maze RunnerはThe Hunger Gamesからロマンスの部分を取り除いた感じで、SF好きの少年が楽しめるものです。
いや、少年だけでなく、SFファンならば誰でも楽しめる作品です。

ただし、これは3部作の第1部のようです。
一つの秘密は解けますが、それよりさらに大きな秘密は次回と最終作を待たねばならないようです(ため息)。

●読みやすさ ★★★☆☆

YAものですから文章は簡単です。
架空の場所Gladeでだけ使われる造語のスラングが多発しますので、★4つでなく3にしました。わからない単語をいちいち気にしないで読み流すのがコツです。

繰り返しの表現や説明の不明瞭さなど文章力では不満なところがありましたが、あまり気にしないようにすればスムーズに読み進めることができるでしょう。

●アダルト度 ★☆☆☆☆

性的な表現はないのですが、子供が死ぬという設定は低年齢の子供にはちょっとショッキングではないかと思います。ですから中学生以上をおすすめします。

●この本が好きな方におすすめの本(あるいは下記の本が好きだった方にThe Maze Runnerがおすすめです)

1. The Hunger Gamesシリーズ

The Hunger Games 

Catching Fire

  

2. Ender’s Gameシリーズ

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3. The Giver

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渡辺由佳里 Yukari Watanabe Scott についてhttp://youshofanclub.comエッセイスト、洋書レビュアー、翻訳家、マーケティング・ストラテジー会社共同経営者。兵庫県生まれ。 助産師としてキャリアをスタート。日本語学校のコーディネーター、外資系企業のプロダクトマネージャーなどを経て、 1995年よりアメリカに移住。 2001年に小説『ノーティアーズ』で小説新潮長篇新人賞受賞。翌年『神たちの誤算』(共に 新潮社刊)を発表。他の著書に『ゆるく、自由に、そして有意義に』(朝日出版社)、 『ジャンル別 洋書ベスト500』(コスモピア)、『どうせなら、楽しく生きよう』(飛鳥新社)など。 最新刊『トランプがはじめた21世紀の南北戦争』(晶文社) ニューズウィーク日本版とケイクスで連載。 翻訳には、糸井重里氏監修の訳書『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』(日経BP社)、『毒見師イレーナ』(ハーパーコリンズ)など。 連載 Cakes(ケイクス)|ニューズウィーク 日本版 洋書を紹介するブログ『洋書ファンクラブ』主催者 Author, translator, and English book reviewer for Japan Market. Author of "500 best books written in English" for the Japanese market. English book reviewer for Newsweek Japan. Amazon.co.jp Top 500 reviewer.

醒めない悪夢に閉じ込められたようなSFーThe Maze Runner」への2件のフィードバック

  1. The Hunger Gamesを読んだときと同様、ページをめくる手が止まりませんでした。ペース配分がとても上手で、どんどんと引き込まれました。ただThe Hunger Gamesと違うのは、最後の時点で私がくたびれてしまったことです。訳の分からないものに飲まれてる感を一緒に味わって、一緒にぐったりしてしまいました。
    それでもScorch Trialsが楽しみです。ちょっと他の本で休憩をして続きを読もうかと思います。渡辺さんはもう読まれましたか?

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  2. まだなんです。
    出る前から怒濤のように忙しくなってしまって…。
    だんだん起きる時間が早くなり、今は午前3時です。就寝も遅いときは12時なんで寝不足の極み。でもツイッター本も出したし、ツイートもブログも「真剣に(笑)」やってます。
    読書時間が削られてブログ更新が少なくなっていますが、そこを「これよま賞」で補おうという魂胆。
    よって、お助けをお願い致しますm(_ _)m

    いいね

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