自分自身をモルモットにした奇想天外体験ユーモアエッセイーThe Guinea Pig Diaries

A. J. Jacobs
256ページ
Simon & Schuster
2009/9/8発売
エッセイ/ユーモア

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しばらく文芸小説が続いたので、このあたりで軽い読み物をご紹介します。
ユーモアにもいろいろありますが、私が一番好きなのは頭が良い方が書いた「のほほん」としたものです。子供のころ遠藤周作が狐狸庵として書いた作品のファンだったと言えば、年配の方はご想像がつくのではないかと思います。

この Guinea Pig Diariesはアメリカ人が書いたものですが、頭が良い方の「のほほん」ユーモアということで狐狸庵先生の作品と共通したところがあります。作者のA. J. JacobsはEsquireという男性雑誌のシニア・エディターで、彼がそこに連載しているユーモアエッセイのターゲットは男性です。けれども、女性が読んでも「男の人ってふだんこういうこと考えてるのね」と楽しめるユーモアです。

これまでにもEncyclopædia Britannica(ブリタニカ百科事典)を全部読んだ体験エッセイThe Know-It-All: One Man’s Humble Quest to Become the Smartest Person in the Worldとか、1年間聖書の教えどおりに生活した体験を綴ったThe Year of Living Biblically: One Man’s Humble Quest to Follow the Bible as Literally as Possibleなど、奇抜なアイディアをネタにしてきたJacobsです。周囲の人々からの「あれをやったらどうか?」という余計なお世話的提案は途絶えないようです。それがまた変なアイディアばかり。今回のGuinea Pig Diariesは、「My Life as and Experiment」という副題のとおり、自分をモルモットにして変てこなアイディアのあれこれを実験してみた体験エッセイです。

まず最初の実験は「My Life as a Beautiful Woman」。
「美女としての私の人生」というタイトルに読者はすぐに変な想像をするでしょう。それを知らずに断言しますが、全部外れです。
Jacobs夫婦が雇ったベビーシッターはすごい美女なのですが、ボーイフレンドがいません。この美しいベビーシッターのためにJacobsは米国で流行のオンラインデートを手配するのですが、そのうち彼は本人よりものめり込んでしまいます。美女になりきって押し寄せる求愛メールに返答するJacobsがだんだん「美人って損」の心理にひたってくるところが抱腹絶倒です。

The Truth About Nakedness」もなかなかの傑作です。JacobsはEsquireの企画で女優のメアリー=ルイーズ・パーカーに寄稿してもらう編集担当になり、写真つきの「ヌードモデル体験」を書いてもらう承諾を取りつけました。男性雑誌ですからホームランものの企画です。ところがパーカーはある条件を出してきました。Jacobsもヌード撮影し、彼女が写真を選ぶというのです。反対してくれるかと思った妻も、上司も大賛成。かくして、Jacobsははからずもヌードモデル体験をすることになってしまいました。撮影中に彼の頭をよぎる不安や強迫的観念がまた傑作です。5月のBood Expo Americaで会った著者のJacobsをつい想像して、吹き出してしまいました。
サイン会ですから会話はちょっと交わしただけですが、本から伝わるイメージどおり少年がそのまま大人になった感じの男性でした。

読みやすさ ★★★☆☆

文法的には非常に読みやすい類いです。それだけだと★4つですが、外国訛りをそのまま書いたところとか、時事やポップカルチャーの知識がないと面白くないところがあるので★3つにしました。

9つの短いエッセイが含まれていますので、面白そうな話題から読み始めることができます。また、面白くないものは飛ばして次を読むこともできます。完読の満足を得られるので、長編に挑戦するのをためらう方におすすめです。

●アダルト度 ★★☆☆☆

セックスとかヌードとかの取り扱い方は、思春期の少年のジョークみたいな感じです。男性雑誌に連載されていたエッセイですがマイルドなものです。

●A. J. Jacobsのその他の作品

The Know-It-All: One Man’s Humble Quest to Become the Smartest Person in the World

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The Year of Living Biblically: One Man’s Humble Quest to Follow the Bible as Literally as Possible

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渡辺由佳里 Yukari Watanabe Scott についてhttp://youshofanclub.comエッセイスト、洋書レビュアー、翻訳家、マーケティング・ストラテジー会社共同経営者。兵庫県生まれ。 助産師としてキャリアをスタート。日本語学校のコーディネーター、外資系企業のプロダクトマネージャーなどを経て、 1995年よりアメリカに移住。 2001年に小説『ノーティアーズ』で小説新潮長篇新人賞受賞。翌年『神たちの誤算』(共に 新潮社刊)を発表。他の著書に『ゆるく、自由に、そして有意義に』(朝日出版社)、 『ジャンル別 洋書ベスト500』(コスモピア)、『どうせなら、楽しく生きよう』(飛鳥新社)など。 最新刊『トランプがはじめた21世紀の南北戦争』(晶文社) ニューズウィーク日本版とケイクスで連載。 翻訳には、糸井重里氏監修の訳書『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』(日経BP社)、『毒見師イレーナ』(ハーパーコリンズ)など。 連載 Cakes(ケイクス)|ニューズウィーク 日本版 洋書を紹介するブログ『洋書ファンクラブ』主催者 Author, translator, and English book reviewer for Japan Market. Author of "500 best books written in English" for the Japanese market. English book reviewer for Newsweek Japan. Amazon.co.jp Top 500 reviewer.

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