「これを読まずして年は超せないで」賞ノミネート作品紹介その2

「これを読まずして年は越せないで」賞ノミネート作品を、昨日から9回にわたって4作ずつ紹介しています。公平になるようにアルファベット順です。

でも、せっかく2009年の賞ですから、2008から2009年にかけて出版されたものや今年映画化などで話題になったものにはwinkつけさせていただきます。

本日のノミネート作品と推薦者

Blonde Faith by Walter Mosley
 

デンスケさん



The Book Thief by Markus Zusak
 

ちょこさん

The Curious Case of Benjamin Button by F. Scott Fitzgerald
 

コニコさん

Dog on itwink by Spencer Quinn
 

ごろんちょさん
 

JUSTさん


作品紹介

Blonde Faith by Walter Mosley
 

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 推薦者デンスケさん

の推薦文

かつてデンゼル・ワシントン主演で映画化された「青いドレスの女」は、黒人探偵イージー・ローリンズシリーズの第一作であり、この作品は最終作(第九作)です。
 主人公、イージーは金のため、あるいはピンチに陥った友人を救うため事件に否応なくかかわっていくというのが、このシリーズの基本線です。
 
五作目の"Little Yellow Dog"(邦訳名「イエロードッグ・ブルース」)で翻訳が途切れており、もっと日本で知って欲しい作家であるのに、残念です。ただ、このシリーズの大きな特徴で魅力であるエボニクス(黒人英語)のニュアンスが翻訳では伝わらないだろうなあ、とも思います。
 
シリーズは第二次世界大戦直後からスタートし、この作品は1967年を舞台として
います。アメリカの黒人社会はこの間に大きく変化するのですが、このシリーズは
その変遷を写し取ったクロニクルでもあります。
 
同時に主人公イージーも変わっていきます。第一作では白人には憤怒をこらえつつ卑屈にならざるを得なかったのが、この作品ではかなりそういった面は抑えられ内面の苦悩が強くなっています。それは1967という時代を反映したものなのか、50歳を前にした主人公自身のものなのか。
 
シリーズとはいえ、単体でじゅうぶん鑑賞にたえる作品です。最終作らしく、憂愁の
色濃い作品ですが、最終作に至りついに登場した白人ヒロインとイージーが人種を超えて共感するシーンは感動的です。逆に、それが故にこの作品で最終作である理由かもしれません。
 
黒人英語が多用されていますが、それを除けば文章は平易です。
この作品から、Easy Rawlins Series のファンが増えてくれればとても嬉しいのですが・・・。

The Book Thief by Markus Zusak
 

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数年前に読み、あまりにも気に入ったために姑と甥にプレゼントしたという作品です。ノミネートされたのでレビューを書こうと思ったのですが忙しくて間に合いませんでした。でもそのために読み直してまた涙ぼろぼろ。YA向けの作品ということになっていますが、大人が読んでもずっしりと重い優れた作品です。

 推薦者ちょこさんの推薦文

ヒトラー支配下のドイツが舞台と聞いてたいていの人が想像する内容とはかけ離れた出来です。涙を誘う感動物とも違うし、当時の歴史を伝えるための本でもありません。
Lieselという女の子の物語が死神の視点から語られていきます。
私が何よりも気に入った点は、何が起こるか前もって教えてもらえるところです。そのためさほど先に気をとられることなく、Lieselやその他の登場人物たちの日々、そこに潜むmagical momentsなどを存分に味わうことが出来ました。設定から言っても楽しいことばかり起こるお話ではありませんが、何度も読み返したくなる本です。

The Curious Case of Benjamin Button by F. Scott Fitzgerald
 

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winkクラシックですが、今年ベンジャミン・バトン 数奇な人生 という映画が公開されて話題になった作品です。この作品も読みましたが、私はフィッツジェラルドとはあまり相性が良くないので評価は控えさせていただきます。

 推薦者コニコさんの推薦文

F.S.フィッツジェラルドの魅力はギャツビーだけでないですね。こんな奇想な物語も書いているとは。短編とはいえ、彼の華麗な文を十分あじわえる作品です。

Dog On It by Spencer Quinn
 

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wink2009年発売の作品です。参考までに私のレビューはこちらです。

 推薦者ごろんちょさん
の推薦文

私立探偵のBarnie とその相棒である愛犬Chet が捜索をする行方不明の少女。自らの意志で家出したのか、それとも誘拐なのか。失踪の真意がつかめぬまま、Barnie と Chetは事件に巻き込まれて行く……。犬の視点から描かれた、楽しくて、優しくて、そうして時折じんと心にしみる物語。とにかく犬のチェットのキャラクターが最高で、読んでいるうちに少女のことなんてどうでも良くなってしまうほどです(笑)

 推薦者JUSTさんの推薦文

警察をクビになった探偵に飼われている、警察犬学校を中退した犬が語り手のミステリー。そう、犬が語るのです。古いポルシェに乗って現場に向かうとき、隣の犬を見かける。
探偵:Hey, Chet. Don't bark.
犬:Bark? Did I Bark?
知らずに吠えてるオトボケ振りがたまらない。
*本が手元にないため、引用は正確でないかもしれません。

渡辺由佳里 Yukari Watanabe Scott についてhttp://youshofanclub.comエッセイスト、洋書レビュアー、翻訳家、マーケティング・ストラテジー会社共同経営者。兵庫県生まれ。 助産師としてキャリアをスタート。日本語学校のコーディネーター、外資系企業のプロダクトマネージャーなどを経て、 1995年よりアメリカに移住。 2001年に小説『ノーティアーズ』で小説新潮長篇新人賞受賞。翌年『神たちの誤算』(共に 新潮社刊)を発表。他の著書に『ゆるく、自由に、そして有意義に』(朝日出版社)、 『ジャンル別 洋書ベスト500』(コスモピア)、『どうせなら、楽しく生きよう』(飛鳥新社)など。 最新刊『トランプがはじめた21世紀の南北戦争』(晶文社) ニューズウィーク日本版とケイクスで連載。 翻訳には、糸井重里氏監修の訳書『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』(日経BP社)、『毒見師イレーナ』(ハーパーコリンズ)など。 連載 Cakes(ケイクス)|ニューズウィーク 日本版 洋書を紹介するブログ『洋書ファンクラブ』主催者 Author, translator, and English book reviewer for Japan Market. Author of "500 best books written in English" for the Japanese market. English book reviewer for Newsweek Japan. Amazon.co.jp Top 500 reviewer.

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