Battle of the Kids’ Books 第1ラウンド第5マッチ予告編

Battle of Kids
Books
 明日の取り組みです.

対戦Marcelo in the Real World vs. Marching for Freedom

Marcelo in the Real World 

対象:ヤングアダルト(精神的に成熟した中学生から高校生以上)/大人

17才の少年Marceloは軽症の自閉症スペクトラム(アスペルガーと診断されているが、多くの症状は自分には当てはまらないとMarcelo本人は言っている)で、小学校1年生から特別な学校に通っている。その学校には子どもの心理療法に使う馬を飼育する厩舎があり、馬の世話が好きなMarceloは、夏休みにそこで働くことになっていた。それを楽しみにしていたのに、突然弁護士事務所を経営する父が夏休みに彼の事務所で働くように命じる。Marceloが彼自身であることを許容する特別な学校に通っているだけでは、実社会(Real World)で普通の人々と対応する技能を身につけられないと父親は信じていたからだ。拒絶したかったMarceloだが、その仕事に成功しないと高校生活最後の1年を普通高校で送ることになると脅され、この仕事に成功しようとする。

Marceloの仕事はmailroomで事務所の弁護士たちに届く多くの手紙や書類を届け、必要なコピーを作成することだった。学校で習った方法でしか人の気持ちを推察することができないMarceloは、風変わりで気が強い美人のJasmineや父の部下の息子で彼女にちょっかいを出そうとする弁護士見習いのWendellの言動に混乱しながらも、自分の好きな学校に戻るために努力する。

Marceloの思考回路と周囲の人々の描写が巧みで、最初のページからぐいぐい引き込まれ、何度も吹き出したり、ほろりとする作品。

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Marching for Freedom

対象:小学校高学年から中学生

黒人の人権運動についてはこれまで多くの書物が出版されているが、子どもたちがその運動で果たした役割について書いた本はあまりなかったと思う。南部のアラバマ州Selmaで投票権のために闘い、投獄までされた子どもたちの歴史を伝える書である。キリストとガンディの非暴力運動に影響を受けたキング牧師の運動に賛同し、マーチをして投獄された未成年のフリーダムファイターたちの中には、10歳以下の子どもも沢山いた。訴えかける写真が多く、人権運動を学校で学ぶ機会が少ない子どもたちが、感情移入をして歴史を学べる本である。

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明日の予測

私は住んでいる町でこういうグループに属しており、blog管理人もしています。ですから、Marching For Freedomは、子どもたちに読んで欲しい作品だと思います。写真もすばらしく、歴史も簡潔に分かりやすく、そして心情的に入り込みやすいように書かれています。しかし、この本が読者の心を揺さぶるとしたら、それは作品そのものの卓越さではなく、ここで描かれている歴史なのです。この本にこれまでの類似作品にはない煌めく何か、人の人生を変えるような何か新しいものがあるか、というと答えは「No」だと思います。

それに対してMarcelo in the Real Worldは、テーマもさることながら小説として「特別な魅力」を持つ作品です。自分のことを三人称で呼び、周囲の人の様子を細かく観察して正しい対応をしようとするMarceloのキャラクターに、私は数ページでぞっこん惚れ込んでしまいました。周囲の人々の中には嫌な奴も登場しますが、全体的にとても心優しく、読書体験そのものが楽しい。これまで読んだBattle of the Kids' Booksの中では、この本が最も私の好みです。

私の予測(というか希望)は、

Marcelo in the Real World

の勝ち

審判はプリンツ賞とニューベリー賞のオナー賞作家Gary Schimidtです。私が彼に願うことは、政治的な観点からMarching For Freedomを選んだりしないで欲しいということです。なぜならMarcelo..のほうが格段に優れており、読者の心にしみる作品だからです。

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