発売1ヶ月後、電子書籍リーダーとしてのiPad

iPad発売から1ヶ月が過ぎ、先日はiPadの販売数が28日で100万台を超えたという発表がありました。そのときに伝えられたebooksのダウンロード数は150万でした。大きな数字ですが、1台につき1.5冊のダウンロード数というのはさほど多くありませんし、有料のebooksの販売数ではありません。また、最初のうち物珍しさでダウンロード(あるいは本の購買)をするのがユーザー心理ですから、電子書籍リーダーとしてはまだその力を発揮していないという印象です。


ピクチャ 3 O'Reilly Raderが、iBooks Appで購入可能なタイトル46,000(O'Reillyに分かっている範囲で、無料を含む数)の内訳を載せていますので、ご紹介したいと思います。

まずは出版社別です。このように無料の Project Gutenbergの数が圧倒的です。

IBooks_20100504_1

そして次はジャンル別です。ビジネス書の3%より宗教の7%が遥かに多いというのも私にとっては興味深いデータです。というのは、キンドルではビジネスマンは非常に重要なユーザーだからです。

IBooks_20100504_2

発売からまだ1ヶ月しか経っていないiPadの電子書籍リーダーとしての価値を判断するのは早すぎると思います。けれども、もし私がiPadを購入したとすれば、iBooks AppではなくKindle for iPadをメインに使うのではないかと思います。iBooks APPから購入するのは、そこでしか買えないような特別な本のみでしょう。また、私がiPhoneでStanzaを使うときのように、(Project Gutenbergのような)無料のebooksをダウンロードして読むだけ、というユーザーもいるのではないかと思います。今後の行方が気になるところです。

*これまでの記事もどうぞ

iPadとKindleを直接比較するのは間違っている(iPad体験記)


iPad初日の売上が示唆するもの

渡辺由佳里 Yukari Watanabe Scott についてhttp://youshofanclub.comエッセイスト、洋書レビュアー、翻訳家、マーケティング・ストラテジー会社共同経営者。兵庫県生まれ。 多くの職を体験し、東京で外資系医療用装具会社勤務後、香港を経て1995年よりアメリカに移住。 2001年に小説『ノーティアーズ』で小説新潮長篇新人賞受賞。翌年『神たちの誤算』(共に 新潮社刊)を発表。他の著書に『ゆるく、自由に、そして有意義に』(朝日出版社)、 『ジャンル別 洋書ベスト500』(コスモピア)、『どうせなら、楽しく生きよう』(飛鳥新社)など。 最新刊『トランプがはじめた21世紀の南北戦争』(晶文社) ニューズウィーク日本版とケイクスで連載。 翻訳には、糸井重里氏監修の訳書『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』(日経BP社)、『毒見師イレーナ』(ハーパーコリンズ)など。 連載 Cakes(ケイクス)|ニューズウィーク 日本版 洋書を紹介するブログ『洋書ファンクラブ』主催者 Author, translator, and English book reviewer for Japan Market. Author of "500 best books written in English" for the Japanese market. English book reviewer for Newsweek Japan. Amazon.co.jp Top 100 reviewer.

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