マーク・トウェインの自伝、死後100年経ってついに出版へ

ピクチャ 3 トム・ソーヤー、ハックルベリー・フィンなどで有名なマーク・トウェイン(Mark Twain)の自伝が没後100年の今年、ついに出版されることになりました。

トゥエインはなんと5000ページにわたる自伝を書き上げていたのですが、「死後最低100年は出版しないこと」というメモ付きで残していました。その真の理由は学者たちのディスカッションに任せるとして、The Independent紙が挙げているわかりやすい説明は、「知り合いに迷惑をかけない」ことです。でも、私が支持したいのは、「出版を遅らせることで、セレブのステータスが好きだった著者は、21世紀でもゴシップをしてもらえることを確実にした("by delaying publication, the author, who was fond of his celebrity
status, has ensured that he'll be gossiped about during the 21st
century.")」という理由です。だって、トウェインですから、普通の理由では面白くない。

編集チームのリーダーRobert Hirst博士は(その理由が何であれ)「読者に本を買いたくさせるすべをよく心得ている作家だ("he was certainly a man who knew how to make people want to buy a
book'),"」と冗談を言っています。

100年も待たせただけあって、この自伝には彼のイメージを覆すような内容が満載のようです。特に人々が噂しているのが、妻Oliviaが亡くなった後の秘書Isabel Van Kleek Lyonとのスキャンダルです。親密だったのに、晩年の1909年に突然解雇したいきさつを400ページにわたってくどくど書いているというのはトゥエインファンにはショックかもしれませんね。Slutなんて呼んだりしているようですから。でも私は、もしかするとトウェインも晩年アルツハイマー症にちょっとかかっていたのかな、とも思ったりします。温厚だった人が歳を取って「嫁が財布からお金を盗んでいる」とか突然言い出すのって、たいていそういうケースですから。

非常に長いので、自伝は3部に分けられ、最初の1部が今年11月に保管先のカリフォルニア大学バークレー校から出版されるとのことです。

渡辺由佳里 Yukari Watanabe Scott についてhttp://youshofanclub.comエッセイスト、洋書レビュアー、翻訳家、マーケティング・ストラテジー会社共同経営者。兵庫県生まれ。 多くの職を体験し、東京で外資系医療用装具会社勤務後、香港を経て1995年よりアメリカに移住。 2001年に小説『ノーティアーズ』で小説新潮長篇新人賞受賞。翌年『神たちの誤算』(共に 新潮社刊)を発表。他の著書に『ゆるく、自由に、そして有意義に』(朝日出版社)、 『ジャンル別 洋書ベスト500』(コスモピア)、『どうせなら、楽しく生きよう』(飛鳥新社)など。 最新刊『トランプがはじめた21世紀の南北戦争』(晶文社) ニューズウィーク日本版とケイクスで連載。 翻訳には、糸井重里氏監修の訳書『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』(日経BP社)、『毒見師イレーナ』(ハーパーコリンズ)など。 連載 Cakes(ケイクス)|ニューズウィーク 日本版 洋書を紹介するブログ『洋書ファンクラブ』主催者 Author, translator, and English book reviewer for Japan Market. Author of "500 best books written in English" for the Japanese market. English book reviewer for Newsweek Japan. Amazon.co.jp Top 100 reviewer.

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