生と死の狭間で愛を完結させる心理サスペンス Afterwards

Rosamund Lupton

ハードカバー: 400ページ

出版社: Crown

ISBN-10: 0307716546

ISBN-13: 978-0307716545

発売日: 2012/4/24(アメリカでの出版日)

ミステリー、サスペンス/パラノーマル/文芸小説

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私立小学校での運動会の最中に学校で火事が発生した。ほぼ全員が外にいたため当初人災はないと思われたが、校舎の最上階にある保健室でアルバイトをしていた高校生のJennyの姿が見えないことに母親のGraceが気づく。Graceは炎と煙がたちこめる校内に駆け込んで娘を助けようとする。


Graceは病院で目覚めるが、昏睡状態の自分の体から抜け出しており、同じく幽体離脱しているJennyを見つける。ふたりの体はどちらも重態で、意識を回復するかどうか分からない。

周囲の人々の会話から、ふたりは誰かがJennyを殺すために火をつけたということを知る。しかも、その人物はJennyの弟に濡れ衣を着せようとしているのだ。

自分が発見したことを夫や警察官に伝えることができないもどかしさを覚えつつも、Graceは家族を守るために真相をつきとめようとする。

 

●ここが魅力!

ミステリーだと思っていたら、いきなり幽体離脱です。そこで「う〜む」と唸ってしまいました。YAではパラノーマル・ミステリーは決して珍しくないのですが、質が高い真面目なミステリーでは通常避けるサブジェクトだからです。

けれども、読み進めるうちにごく自然に心理サスペンスとして読むことができるのに気づきました。作者の巧みな筆力によるものでしょう。

謎解きには何度か驚きが用意されていて、ミステリーとしても面白いのですが、Luptonの特徴は文芸小説のように愛を美しく切なく描くことです。前作「Sister」は姉妹の愛でしたが、今回の「Afterwards」はGraceの家族への愛が主軸です。

男性読者は夫の立場で、女性は母か娘として、誰にもぐっと胸にこみあげるものがあると思います。

おすすめ。

 

●読みやすさ 普通〜やや読みやすい

Graceの一人称で語られているので、通常の文芸小説より読みやすいと思います。多少分からない単語があってもシチュエーションは理解できるでしょう。

 

●おすすめの年齢層 中学校高学年から

性的な場面はないのですが、性的な話題はあります。この小説が面白いと感じるのは、たぶん高校生以上でしょう。

 

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