自殺した少女が残した「13の理由」 Thirteen Reasons Why

Jay Asher

ペーパーバック: 336ページ

出版社: Razorbill

ISBN-10: 159514188X

発売日: 2007

YA(ヤングアダルト)/青春小説/自殺

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高校卒業を間近にしたClay Jensonは、謎の小包を受け取る。その中には、自殺したクラスメイトのHannah Bakerが録音した7つのカセットテープが入っていた。

Hannahが「自殺の理由」を語るテープで名前を挙げた13人は、順番にこのテープを次の人に郵送しなければならないというのだ。途中で誰かが破棄して最後の人物まで届かなかった場合には、別のコピーが公にさらされるとHannahはテープの中で忠告する。他の人に知られたくないのであれば、最後まで聴いて次の人に郵送するしかない。


Clayは、自分の名前が出てくる理由がまったく分からないまま、テープから流れるHannahの声に従っていろいろな場所を訪れ、そこで起こった数々の裏切りや失望、秘密を知る。そして、自分が憧れていた少女の本当の姿に近づいてゆく。

下はHannah's Reasonsというブログサイトが作成したビデオです。このサイトでテープの数々を聞くこともできますが、Clayの思考が入っていないので、これらを聴いただけでは不十分だということはお知らせしておきます。本を読んでいるときに聴くと良いかもしれません。

 

 

●ここが魅力!

2012年の夏、NPRが「これまで読んだなかで最高のティーン向け小説(Best-Ever Teen Fiction)」というアンケートをしたところ、なんと75,220人が投票したそうです。「今のティーンはファンタジーばかり読んでいる」と思われがちですが、これを見ると「最高!」と思った本は、クラシックや青春小説のほうが多いみたいですね。私もこのリストに出てきた本はほぼ全部知っていますし、過半数は読んでいます。なかにはそんなに出来がよくない本もあるのですが、これだけ人気があるのですから、読んで損はないでしょう(ただし小中学生にはおすすめできない本が多いのでご注意を)。

このリストの24位が本書「Thirteen Reasons Why」です。

ずっと前から読もうかどうしようか迷っていたのですが「自殺」というテーマのためになんとなく避けていたのです。でも、この機会に読んでみることにしました。

Hannahが「自殺の理由」として挙げた13人のうち、本当にひどいことをした子もいますが、ほかの子はたぶんHannahのテープを聴くまで自分がやったことの影響などは想像したこともないでしょう。読者は「なぜそんなことで自殺を?」とHannahに対して腹を立てるかもしれません。

それは当然だと思います。私は、自殺を美化したくないという作者の意図を感じました。

作者には自殺未遂をして助かった親戚の少女がいるそうです。彼女の話を聞いた作者は、ひとつの大きな原因があったわけではなく、いろいろな理由が連鎖していたのだと気づきました。

ひとつひとつの「原因」はささいなことであっても、それらが繋がると、本人にとっては抜け出すことができない牢獄のようになることがあるのです。論理的に考えることができれば囚われの身にならずにすむのに、精神的に不安的で孤独なティーンはそういう発想もできなくなるのでしょう。

それを想像してみることは、子どもだけでなく、子を持つ親も必要かもしれません。

 

この小説が執筆されたのはFacebookが流行る前なのでそれは出てきませんが、HannahとClayの高校では紙袋に(良い)メッセージを入れる授業があります。それがHannahにとっていかに大切だったかを読んだとき、「これはFacebookと同じだな」と思いました。アメリカではすでにFacebookでのいじめに関連した自殺が起こっているのです。友だちにどう思われるのか、というのはティーンにとって、とても重要なことなのです。

 

●読みやすさ 読みやすい

Hannahの独白(イタリック)の合間にClayの思考が混じるスタイルです。

どちらも一人称の語りなので分かりやすいと思います。

上記のカセットのビデオを聴けば、どの程度の英語か分かると思います。

●おすすめの年齢層

レイプなど性的な話題とシーン(生々しい描写はありません)がありますが、重要なテーマなので、中学校高学年から高校生、そしてその年代の子どもを持つ保護者におすすめです。

 

 

渡辺由佳里 Yukari Watanabe Scott についてhttp://youshofanclub.comエッセイスト、洋書レビュアー、翻訳家、マーケティング・ストラテジー会社共同経営者。兵庫県生まれ。 助産師としてキャリアをスタート。日本語学校のコーディネーター、外資系企業のプロダクトマネージャーなどを経て、 1995年よりアメリカに移住。 2001年に小説『ノーティアーズ』で小説新潮長篇新人賞受賞。翌年『神たちの誤算』(共に 新潮社刊)を発表。他の著書に『ゆるく、自由に、そして有意義に』(朝日出版社)、 『ジャンル別 洋書ベスト500』(コスモピア)、『どうせなら、楽しく生きよう』(飛鳥新社)など。 最新刊『トランプがはじめた21世紀の南北戦争』(晶文社) ニューズウィーク日本版とケイクスで連載。 翻訳には、糸井重里氏監修の訳書『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』(日経BP社)、『毒見師イレーナ』(ハーパーコリンズ)など。 連載 Cakes(ケイクス)|ニューズウィーク 日本版 洋書を紹介するブログ『洋書ファンクラブ』主催者 Author, translator, and English book reviewer for Japan Market. Author of "500 best books written in English" for the Japanese market. English book reviewer for Newsweek Japan. Amazon.co.jp Top 500 reviewer.

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