Deborah Levy
ペーパーバック: 176ページ
出版社: Faber and Faber
ISBN-10: 0571299601
ISBN-13: 978-0571299607
発売日:英国2011年9月、米国2012年10月(キンドルではすでに購入可能)
文芸小説
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1994年夏、南仏ニースに近いヴィラに5人の英国人が長期バケーションにやってくる。
国際的に有名な詩人Joe Jacobsが、戦場レポーターとして有名な妻のIsabel, 娘のNina, 友人夫婦のLauraとMitchellを連れてヴィラに到着してみると、若い女がプールで泳いでいた。しかも裸で。
手違いで泊る場所がないと説明する風変わりなKitty Finchと夫とのトラブルを予感しつつも、なぜかIsabelは空き部屋のひとつを提供する。
幼い頃にナチスドイツのユダヤ人迫害を逃れてポーランドから英国に移住したJoeは誰にも語れない心理的な葛藤をため込んでいる。戦場レポーターとして他人からは強いフェミニストと思われているIsabelだが、実は夫の浮気に耐えられなくて外に逃げてきたのだった。そして、14歳のNinaは両親の不安定な関係の犠牲者である。
Kittyに「詩を読んでくれ」と迫られるJoe,
JoeとKittyとの関係を予測するIsabel, 不思議な存在であるKittyに惹かれるNina、金銭的な問題を抱えるLauraとMitchell、Kittyにぞっこん惚れ込んでいるヴィラの管理人、Kittyがむき出しの敵意を抱く精神科医の老女の夏が、ミステリーのように展開する。
● ここが魅力!
ブッカー賞の候補や受賞作には読みにくい作品が多いのですが、このSwimming Homeはミステリーのように気楽に読めます。また、ノベラと呼べるページ数なので、すぐに読み切ることもできるでしょう。
文章は詩的で洗練されています。
登場人物の関係や心理、運命の行方のヒントが繊細に組み込まれているのも優れた点です。
けれども、読んでいる途中、ずっとDéjà vuな感じがつきまといました。
どこかで既に読んでいるような感じですね。
ですから、読後に強い印象が残りませんでした。
ゆえに私は、これがブッカー賞を受賞する作品だとは思えないのですが、ブッカー書ほど読めない賞はなかなかないので、分かりません。
読者の評価は高く、「発表までに1作読んでおきたい」という人におすすめの作品です。
●読みやすさ ネイティブの普通
通常のブッカー賞の候補作と比較すると読みやすいほうだと思います。
●おすすめの年齢層 高校生以上
性的な表現はさほどではありませんが、理解するためにはある程度の成熟度が必要ですから高校生以上がおすすめです。