ゆったりした展開がかえって新鮮な少年の成長物語Liar and Spy

著者:Rebecca Stead (When You Reach Me)
ハードカバー: 192ページ
出版社: Wendy Lamb Books
ISBN-10: 0385737432
発売日: 2012/8/7
難易度:中級+
ジャンル:児童書(小学校高学年から中学生)
キーワード:ニューヨーク、家族、友情、成長物語

中学生のGeorges(ジョージ)は、印象派のGeorges Seurat(ジョルジュ・スーラ)が大好きな両親にGeorges(最後のSは発音しない)と名付けられたため、学校で「ゴージャズ(gorgeous)」とからかわれ、苛められている。

そのうえ、父の失業で大好きな一軒家からアパートメントに引っ越すことになり、看護師の母は収入を増やすために日勤と夜勤のダブル勤務を引き受ける。


それらの悩みにも静かに耐えているGeorgesは、引っ越してきたアパートメントビルで、Saferという奇妙な名前の少年に出会い、スパイ見習いとしてスカウトされる。

Saferと彼の妹のCandyは学校に通っていない(アメリカにはhome schoolingのシステムがある)のでいつもそこにいる。GeorgesはSaferの片棒を担いでMr. Xという謎の人物のスパイをするのは気が進まないのだが、唯一の友人なので引きずりこまれてしまう。

●ここが魅力!

「親が抱える経済的な問題を察知し、学校でのイジメに自分なりに対処しようとする少年の成長物語」と書くとよくある小説のようですが、ひと味違います。

ニューベリー賞を受賞した「When You Reach Me」の作者だけあって、登場する人々の人物造形が面白く、小説のかもしだす雰囲気がユニークなのです。

この小説は、ゆったりと進行します。

ときおり、ゆったりすぎると感じるかもしれません。

でも、そこがこの小説のユニークさであり、良いところなのです。

学校でのいじめや両親の抱える経済的な問題や、引っ越しというトラウマに対してGeorgesがあまりにも静かに対応していることに疑問を抱く読者がいるかもしれませんが、それも後になって「なるほど」と理解できます。

親子で読んで感想を語り合うのにも適した本だと思いました。

●読みやすさ 読みやすい

中学生のGeorgesの視点で書かれていますので、とても読みやすく、理解しやすい文章です。

●おすすめの年齢層

小学校3、4年生以上であれば誰でも楽しめるでしょう。

その年齢の子どもと一緒に親が読んで語り合うのに適した本です。

2 Comments

  1. When You Reach Me は、ついていけなかったけど、この本なら、読めそう。読みたい本リストに加えたいと思います。ペーパーバックが出る頃には順番が回ってくるかな?

  2. ものぐさ父さん、こんにちは。
    いま、モロッコに行く途中のギャトウィック空港です。
    バタバタしていてお返事が遅れて申し訳ありません。
    この本は、When You Reach Meに比べると、ずいぶん読みやすいと思います。ストーリーがストレートに進みますので。
    来年にはペーパーバックが出ますからぜひどうぞ。

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