The Lion’s Game(本棚発掘シリーズ)

Nelson DeMille

マスマーケット: 944ページ

出版社: Grand Central Publishing; Reprint版

ISBN-10: 0446608262

オリジナル発売日: 2000年

軍事、政治スリラー/テロリスト/FBI, CIA

本棚発掘シリーズ

 

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DeMilleのJohn
Corey(ジョン・コリー)シリーズの第二作。

前作のPlum Island
で死にかけたNYPD殺人課刑事のCoreyは、上部からの命令でATTF
(Anti-Terrorist Task Force、反テロリストタスクフォース)でcontract
agent(一時的な派遣契約の立場)として働くことになる。Copとして長年FBIやCIAへの偏見を抱いているCoreyだが、曖昧な気分で赴いたJFK空港で、テロリストによる惨劇を目撃してしまう。


犯人のAsad Khalil(アサド・カリル)は、リビアの独裁者カダフィ(日本ではカッザーフィーという表記もあり)の側近の家庭で育ち、1986年4月15日のアメリカによるリビア爆撃(これは史実)で母と兄弟を失っていた。それからのAsadは、名前が示すライオンのようにアメリカ人を狩る殺人兵器として育てられてきた。

最初は腰掛けのつもりでいたCoreyだが、事件の現場に居合せ、意図せずにテロリストのAsadと接触する。ATTFの上部はAsadがすでにリビアに向けて去ったと信じるが、CoreyはAsadが米国内にとどまっていると直感する。規則をあまり尊重しない性格のCoreyは上部からの命令をことごとく無視してAsadを追う。

John Coreyシリーズが(特に男性に)人気があるのは、お上品なものにこだわる人をバカにし、常に下らない冗談をとばし、上司に逆らって皆を苛立たせるくせに、頭の回転が良くて、行動力があり、美女にモテるところではないだろうか。

妻に去られた彼だが、The Lion’s Gameでは14歳も年下のFBIの美人捜査官のKateから迫られて「女性の心を読むのは苦手だからわからない」みたいな悩みを抱くのも、男性にはぐっとくるのではないかと思う(女性読者は苦笑かも)。

Coreyの冗談や偏見から学ぶ、警察、FBI、CIA、アメリカ人、ムスリム教徒、東海岸と西海岸のステレオタイプは、日本人読者にとっては「アメリカ入門書」の役割も果たして、興味深いことだろう。軽く読め、展開が速いので、長編であることも気にならないだろう。

シリーズの最初ではないが、作品の充実度ではこの本がDeMilloのベストである。米国で同時テロが起こったのは2001年9月だが、この本はその前年の2000年に刊行されたもので、DeMilloの視点に今さらながらに感心する。

 

●読みやすさ ネイティブの普通レベルだが、やや読みやすい

 

全体的には非常に読みやすい。日本人が躓くのは、ジョークや英語のイディオムの部分であろう。

軽く読め、しかもスピーディーな展開なので、飽きない。ページ数は多いが、読み切りやすい作品である。

 

●おすすめの年齢層 高校生以上

 

性的なジョークやセックスシーンがあるが、ホットでもセクシーでもなく、どちらかというと笑える。

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