The Final Empire (Mistborn三部作)(本棚発掘シリーズ)

Brandon Sanderson

ペーパーバック 672ページ

出版日:2006年7月

ファンタジー

本棚発掘シリーズ

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不死身のLord Rulerが1000年間支配しているThe Final Empireは、昼は灰が降り落ち、夜は霧に包まれる暗い世界である。

支配階級は貴族(それぞれの家系はGreat Houseと呼ばれる)で、奴隷階級のSkaaには人権はない。貴族の男たちは、自分が所有するSkaaの女を自由に犯し、直後に殺す。逆らうと家族全員が見せしめに殺されるので、誰も逆らおうとはしなかった。

Lord Rulerが貴族に厳しくこの規則を押し付けたのは、Mistingという特殊な能力を持つSkaaを生み出さないためだった。


金属を身体に取り込んで燃やすことで特殊な能力を発揮する者はMistingsと呼ばれ、遺伝的に貴族階級にしか生まれない。だが、貴族の血が混じると、SkaaにもMistingsが生まれる可能性がある。Lord Rulerは、Skaaの叛乱を防ぎ、国を統治しやすくするために混血児の誕生を厳しくコントロールしていたのだ。

Skaaの娼婦とLord Rulerのトップ官僚(obligator)との間に生まれた少女Vinは、異父兄に連れられて首都Luthadelで暗躍するSkaaの盗賊集団に加わっていた。兄が姿を消した後、首領の暴力に黙って耐えてきたVinは、Lord Rulerの暗殺と革命を企むKelsierに救い出されて、彼らの組織に加わる。すべての金属を利用できる強力なMistbornは貴族社会でも貴重な存在だが、KelsierとVinもMistbornだったのだ。

これまでサバイバルだけを目指して生きてきたVinは、初めて互いを思いやる人々に属して戸惑う。そして、Skaaの敵である貴族階級のElendに恋心まで抱いてしまう。愛や友情の味を知ってしまったVinは、彼らが兄のように自分の元から去ることを怖れるようになる。

 

●ここが魅力!

登場人物とストーリーも面白いが、金属を利用する超能力のAllomancyとFeruchemyの違いや、NobleとSkaaの軋轢、terris人やKandraといった異なる人種や生物に関する伝説と歴史、そして宗教など、壮大な世界観に圧倒される。

三巻まで読むと、予想もできなかった展開に息をのみ、震え、そして読後には何も手に付かないほど考えこんでしまうだろう。

多くのファンタジーやSF作家たちが高く評価している作品でもあり、ファンタジーの近代クラシックのひとつと言える。

 

●読みやすさ やや難しい

ファンタジーなので、造語が非常に多い。登場人物や歴史、金属それぞれの役割など多くのことを理解しなければ楽しめないかもしれない。

また、最初の展開がゆっくりなので、入り込めないと思う人もいるかもしれない。ページ数が多いのも、心理的に障害になるかもしれない。

ただし、いったん物語に入り込んだら、長さは気にならなくなるだろう。

 

●おすすめの年齢層

性的な話題や残酷シーンがあるため、中学校高学年以上。

 

2件のコメント

  1. 今日ふと立ち寄った書店に『洋書ベスト500』が平積みされており、もう1年以上このサイトを見に来ていないことに気づきました。
    久々に訪れてみると、Brandon Sandersonが登場しているではありませんか!
    (とはいえ、この記事が投稿されてからもう5か月以上経っているようですが……)
    感激してコメントさせていただいた次第です。
    私はこの本の日本語版で初めて彼のことを知り、彼の作り出す世界観と先の読めないストーリーに引きずり込まれました。
    しかし、何度も読み返すうちに明らかな誤訳に気づくようになり、ついに読めなくなってしまったのです。
    とはいえ、当時の英語力では原書には到底太刀打ちできませんでした。
    それからもう2年以上経ちますが、先日ついに原書を読むことを決心しました。
    分厚い上に日本語で出版されている3冊+未訳1冊+来年発売予定の1冊と、最低でも計5冊!という長丁場になりますが、気長に頑張りたいです。
    蛇足になりますが、今年5月に発売されたThe Rithmatist(こちらはYAです)も非常におすすめです。
    もしご存知でなければ、ぜひご一読ください。

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  2. Ayumiさま
    こんにちは。
    といいますか、お久しぶりです(笑)。
    また訪問いただいて、嬉しいです。
    ご覧になっていただけたか知れませんが、Mistbornも『洋書ベスト500』に入っております。邦訳は読んでいないのですが、翻訳者が苦労しそうな内容ですよね。
    彼の本はすべて長いので大変ですが、でも、その世界に入り込んでいるときはすべてを忘れられますよね。
    今年5月末に著者のBrandonに会い、『洋書ベスト500』に彼の作品を選んだことを伝えました。喜んでくれたのが嬉しかったです。そして、そのときにThe Rithmatistをいただき、サインしていただきました。でも、『洋書ベスト500』の出版とそれに続く旅行で忙しくてまだ読むことができないでいます。読んだら感想をブログに書くとお約束しているので、はやく今の仕事を終えて約束を果たしたいと思っています。他にも昔の本をいただいたので、それも楽しみです。
    今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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