男性読者におススメの娯楽ファンタジー The Iron Druid Chronicles

著者:Kevin Hearne
マスマーケットペーパーバック 320ページ
出版社:Del Rey
出版日:2011年5月
適正年齢:PG15+(高校生以上 マイルドな性的なシーンとバイオレンス)
難易度:中級+(SFやファンタジー用語に慣れていたら読みやすい)
ジャンル:ファンタジー/パラノーマル/魔術師

Atticus O’Sullivan(アティカス・オサリバン)は、アリゾナでニューエージ風の薬草の店を経営しているタトゥだらけのハンサムな21歳の若者である。だがそれは偽装で、実際は2000年以上生きのびているDruid(ケルトの魔術師)なのだ。

ケルトの神Angus Og(アンガス・オグ)の魔法の刀を奪ってからというものの、アティカスはずっと命を狙われている。長年うまく身を隠してきたのだが、ネット販売を始めたために見つかってしまい、周囲にいろいろな神や魔女が現れるようになる。次から次に現れる美しく、セクシーな女神や魔女たちが彼の味方なのか敵なのか、それを見分けるのが難問だ。「愛の神」とは名ばかりで陰湿なアンガスは、自分の手を汚さずに、他の神や魔女、心を支配した人間を使ってアティカスを殺そうとするし、そもそも神や魔女は自己チューな存在なのだ。


アイルランドのケルトの神々をはじめ、ありとあらゆる国の伝説の神々、魔女が存在し、それぞれが自己の利益のために陰謀を企んでいる。誰よりも長生きしているアティカスは、長生きで得た知識を駆使して敵の企みを読み、勝ち目がほとんどない闘いに挑む。

ここが魅力!

主人公のアティカスは男性読者が感情移入するのに最適のキャラクターである。

女神たちが次々と誘惑するほどセクシーで、闘いに強く、クールでユーモアのセンスがあり、年寄りにも優しい。吸血鬼と狼男の弁護士チームなど脇役も楽しいが、その中でも愛犬アイリッシュ・ウルフハウンドのOberon(オベロン)とアティカスのやりとりが最高である。

読み始めると癖になる超娯楽ファンタジー。

The Iron Druid Chroniclesは、2011年5月の第一巻発売から次々と続編を出し、いずれもベストセラーになっている。2013年6月には第6巻が発売される。

読みやすさ <中級レベル>

神々の名前やスラング以外はシンプルな英語。アティカスの一人称で書かれていることと、展開が早いのも読みやすさに貢献している。

渡辺由佳里 Yukari Watanabe Scott についてhttp://youshofanclub.comエッセイスト、洋書レビュアー、翻訳家、マーケティング・ストラテジー会社共同経営者。兵庫県生まれ。 助産師としてキャリアをスタート。日本語学校のコーディネーター、外資系企業のプロダクトマネージャーなどを経て、 1995年よりアメリカに移住。 2001年に小説『ノーティアーズ』で小説新潮長篇新人賞受賞。翌年『神たちの誤算』(共に 新潮社刊)を発表。他の著書に『ゆるく、自由に、そして有意義に』(朝日出版社)、 『ジャンル別 洋書ベスト500』(コスモピア)、『どうせなら、楽しく生きよう』(飛鳥新社)など。 最新刊『トランプがはじめた21世紀の南北戦争』(晶文社) ニューズウィーク日本版とケイクスで連載。 翻訳には、糸井重里氏監修の訳書『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』(日経BP社)、『毒見師イレーナ』(ハーパーコリンズ)など。 連載 Cakes(ケイクス)|ニューズウィーク 日本版 洋書を紹介するブログ『洋書ファンクラブ』主催者 Author, translator, and English book reviewer for Japan Market. Author of "500 best books written in English" for the Japanese market. English book reviewer for Newsweek Japan. Amazon.co.jp Top 500 reviewer.

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