医者の卵のトレーニングに関わる珍妙な職業の体験記 『Empathy Exams』

著者:Leslie Jamison 
ペーパーバック: 226ページ
出版社: Graywolf Pr
ISBN-10: 1555976719
発売日: 2014/04 
適正年齢:PG15(高校生以上)
難易度:上級レベル(内容は簡単なのだが、わざと文学的な表現を使っている部分が多いので、本意が伝わりにくいところがある)
ジャンル:エッセイ/体験記
キーワード:メディカルスクール、トレーニング、共感力、変わった職業

 

アメリカのメディカルスクール(大学で医学部に入る日本とは異なり、アメリカの場合には大学を終えてから、大学院のメディカルスクールに入る)では、診察のトレーニングをするときに「偽患者」を使うことがある。健康なアルバイトを雇って、架空の患者のシナリオを渡し、それを演じさせるのである。
シナリオには、その患者の疾患だけでなく、生まれ育った場所と環境、職業、家族まで詳細が書かれている。アルバイトの偽患者は、ちゃんと自分に与えられた役割をこなしつつ、最後に自分を問診した医学生の評価もしなければならない。
そのうちのひとつが「Empathy」つまり、「親身になっている」ということをちゃんと口に出して表現したかどうかというものなのだ。


いったい、どういう人たちがこんなアルバイトをするのだろうか?
著者によると、「community-theater actors and undergrad drama majors seeking stages, high school kids earning booze money, retired folks with spare time. I am a writer, which means I'm trying not to be broke.」ということだ。
大学で創作を習った人っぽい文章だが、つまりは、アマチュア劇団の俳優や、大学で演劇を専攻した人、小遣いが欲しい高校生、引退して暇な老人……といったところだろう。たぶん、映画のエキストラとして登録している人たちと重なる。

以前、近くの美術館でデッサンの教室にかよっていたとき、ヌードモデルをスケッチすることがあった。このモデルたちの背景がなかなか興味深かった。美術を専攻する学生もいたが、それこそ「引退した高齢者」もいたし、「不動産エージェント」なんてのもあったのだ。

 

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